東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




母校 静岡聖光学院の文化祭と同時開催される、OBが集う、「ホームカミングデー」のイベントとしてラグビー部顧問の星野先生(36歳)の講演が行われましたので、拝聴してきました。笑いあり、涙ありの感動の講演、全編を流れていたのは、「成し遂げる」というスピリットと「弱点を強みに変える」創意工夫でした。ビジネスしていく上でも、とても参考になる、素晴らしいお話でした。

神奈川の名門校 桐蔭学園から立命館大学へ進学。一貫してラグビーに打ち込まれた星野先生は、卒業後は電通に就職。10年間スポーツビジネスのプロモーションに取り組まれた後、なんとその職を捨てて、教育指導者になるために筑波大学院の門をたたきます。その後 就職先として選んでくれたのが、静岡聖光学院でした。

院生時代、つくばから静岡まで、当時はお金もなくて高速を使わずに10時間かけて移動されたそうです。そして聖光のグラウンドにたってみると、生徒がいない!連絡が徹底されていなくて、生徒は星野先生が指導にくることを知らなかったのだとか。

グラウンドは野球部、サッカー部と兼用しているので、使えるエリアが狭い。一応進学校なので、部活ができるのは火・木・土の週3日だけ。1日あたり90分が限度でした。部員も15名がそろわなくなりそうなピンチで、当初は県大会に出場しても12校中12位。つまりビリだったそうです。部員達は細く、体重が不足していて、スタミナも不足していたそうです。たくさんのOBや先輩に相談しても、言われることは「まず環境を変えろ。そうじゃなきゃ無理」ということだったそうです。そこで星野先生は「この環境でいけるところまでいこう」と考えるところがすごくて、創意工夫が始まります。

練習時間が90分と短いので、立っているだけの時間を極力減らし、2,3人のチームでやる練習を考える。

朝練は禁止なので、先生は顔を出さず、生徒の自主練という形をとる。

自主練という形をとることで、「自分達の組織、自分達のため」という自覚が芽生え、参加してこない部員に、自ら電話をしては「やろう」と声をかけるようになる。

昼休みは物理実験室を借りて、全員が集まって食事をする。そこでは様々なラグビーの試合のビデオを徹底的にみて、研究する。

グラウンドでは教えられない「動き」を知ることができ、話し合うので、コミュニケーション力も向上する。

夏休みは、練習の長いオフタイムになってしまうので、そこは自主的な練習を続ける、「自分との戦いに勝つ」練習時間とする。

自らを鍛えるのはラグビーためだけではありません。

もちろん、高校のラグビー部員として、レギュラーになる、花園に行く ことは大きな目標ですが、志望大学に合格することや、将来 家族を幸せにすることなど、目標はたくさんあり、将来に渡って「目標達成できる男になる」ために鍛えているのだと。そこまで徹底しているところが素晴らしいと思います。

そういった教育方針と創意工夫で、部員達の意識を高めていきました。

昨年、静岡聖光学院は高校ラグビー静岡県大会の決勝で、惜しくも東海大翔洋高校に破れ、花園行きはなりませんでした。しかし今年の新人戦(だったかな)では、すでに県大会8連覇の東海大翔洋を破っており、11月から始まる静岡県大会では、初優勝、初の花園行きの期待が高まっているのでした。



さすが元電通マンらしく、星野先生は、動画やパワーポイントを駆使して、プレゼンして下さいましたが、最後に表示されたスライドは「成し遂げる」というシンプルな言葉。今、星野先生と部員達は、この言葉を胸に、練習に打ち込んでいるとのことでした。

今年こそ、現役生、先生方、そして多くのOBも悲願としている花園行きを実現してくれると思っています。



講演の途中で、星野先生がポロッとおっしゃった「用具が足りないときは自腹で買ってきたこともありました」という言葉が印象に残っています。志が高いですね。
「予算がないからできません」、「時間がないからできません」とか言っている人は、多分一生できないんだと思います。

科学的で、志も高い星野先生に指導してもらえる生徒は、本当に幸せだと思いました。また、こういう先生がいる母校を誇りに思えたのでした。

コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (acb)
2009-10-06 08:40:19
 松田さん こんにちは
素敵な先生ですね。
母校の先生の講演を聞いてみようって・・・なかなか素直に思えませんが・・・というか どんな先生がいらっしゃるのか知らないのですが・・・・
こういう活動が絆を強くしていくのでしょうね

花園かぁ・・・カッコいいなあ
 
 
 
Unknown (石井啓資)
2009-10-06 19:18:32
松田先輩

初めて書き込ませていただきます。
14期の石井と申します。
ホームカミングではお話はしていませんでしたが、お写真の角度からすると右列で撮影されていた先輩とお見受けしました。

私は小鹿の山にはめちゃめちゃご無沙汰していまして、20年ぶりに母校に来たという最低なOBですが、驚くほどすごく立派な後輩ばかりで驚きました。普通は「今の若い奴らは・・・」というところですが、彼らは本当に立派です。
なんか知らぬ間に妙にカッコいい学校になってしまいましたね。とても誇らしい気分です。

星野先生の講演は、あれを商売でやったら2~3万の価値はあるなぁ。後になるほど引き込まれました。早朝から横浜から車を飛ばしてきた甲斐があった有意義な1日でした。

「成し遂げる」は、とてもいい言葉ですよね。ことあるごとに思いだそうと思います。

乱文ではございますが、また参ります。
 
 
 
素晴らしい講演 (としたか)
2009-10-07 01:47:02
acbさん、こんにちは

はい、本当に素敵な先生でした。

自分の場合は、息子たちの母校と自分の母校が同じで、まだ次男が現役生でお世話になっているので、そういった情報が入りやすいのかもしれません。

こういう形で同窓の絆が強くなっていくのは、とてもいいことですよね。花園行きが決まったら、おっかけて行ってしまいそうです (^^;) 。


石井啓資さん、はじめまして

20年ぶりの母校、仲間との再会は懐かしかったんじゃないですか。いくつになっても母校はいいですよね。

星野先生の講演はよかったです! ぼくも、ウチの会社に来ていただいて、社員向けに講演してほしいって思ってしまいました。ぼくらの「いっしょに星野先生のお話しを聴いたご縁」も広がるといいですね。ぼくは東京はよく行くのですが、横浜もたまにいきます。ブログを拝見しましたけど、仕事も近いのでしょうか。またお会いできるといいですね。
 
 
 
先日 (ayunomoto)
2009-10-07 18:01:31
テレビで密着番組を拝見して感銘を受けました。

こういう先生のご指導のもとに育った生徒さんたちは、人生観も変わるだろうなと思います。

星野先生のような人になりたいものです。
 
 
 
本当に! (としたか)
2009-10-08 00:12:21
先日のテレビ番組、ぼくも見ました。
本当に、大げさじゃなくて生徒達の人生観が変わると思いました。
それから一生涯の友達を得るのだと思います。

先日、会社で「合宿」制度を作りましたが、あれはayunomotoさんのアイデアと星野先生の講演からいただいたヒントの合作だと思っています。

あの制度、活用されるといいね。
 
 
 
素敵なお話でした。 (七氏井)
2009-10-10 11:59:47
制約された時間と資源の基で人間性を尊重しながらいかにして最高の効率をあげて行くか、
これは同時に松田様が普段心を悩ませている課題そのものではないかと邪推してしまいました(汗)

実は私、明らかに講演された方より御歳上(失礼)で一国一城の主である松田様が母校と
講師の方への敬意をいささかも減じる事の無いこの文体に一番感嘆いたしております。
元気をいただきました(^^)
 
 
 
高い志に敬意を! (としたか)
2009-10-11 00:23:38
七氏井さんに多少でも元気を伝えることができたらサイコーにうれしいです。星野先生のお話しを聴いていると、先生がとても高い志をもって、指導にあたって下さっていることがわかり、思わず敬意を払わずにはいられませんでした。本当に素晴らしいですよね。

>制約された時間と資源の基で人間性を尊重しながら
>いかにして最高の効率をあげて行くか

はい、いつも悩む課題です。星野先生のお話しはヒント満載で、ビジネスにも通じるお話しだったと思います。母校の先生からそういうお話しがきけるのはうれしいことですよね。
 
 
 
おめでとうございます (西田一見@サンリ)
2009-11-26 12:55:59
おめでとうございました
 
 
 
ありがとうございます (としたか)
2009-11-27 23:34:08
西田一見先生、コメント どうもありがとうございます。
西田文郎先生のお話しは何度か聴かせていただいたことがございます。ご子息も立派にトレーナーをされていらっしゃるのですね。素晴らしいっ!

母校の指導、どうもありがとうございます。
引き続きご指導、よろしくお願いいたします。
 
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