母が特養に入所して、一ヶ月がたちました。
相変わらず、会いに行けば「一緒にこのまま帰ろう・・」か「いつ帰れるの?」ばかり言う母です。
なんとか気を紛らわしたいと思うのだけど・・やることも・・あまりなく。
今までは、トイレに連れて行くこともシンドイことの一つだったのですが、私が特養にいる時間に母がトイレに行きたいと言ってくれたりすると・・待ってました~~って感じに連れて行きます。
もちろん、もう特養に任せた以上は、介護士さんに声を掛けて私はお手伝い。
今まで、母を一人で立たせて、片手で脱がして、また立たせて・・片手で履かせて・・の動作も、男性の介護士さんがガシッっと持ち上げて立たせてくれるわけですから、脱がすだけ・・履かすだけです。
(母は、部屋の隅に置いてあるポータブルでしています。トイレには行かないみたいです。でね・・不思議なんですが、トイレットペーパーというものがありません。いつもビックリするくらい熱いタオルをで・・私は振り回して冷ましてから・・拭きます。冷まさないで拭いてやしないかと・・実はちょっと心配です)
先日は、健常側の右足の膝折れで崩れそうになったです。
今までもそういうことはありました。
が、やっぱりリハビリを多少なりともコンスタントに出来ていた在宅とは違って、この一ヶ月にリハビリをしたのは脳外科の受診後だけですから、当然のことながら車椅子とベットのみの母の足腰の筋肉は、確実に落ちていますよね。
それも・・仕方ないことで、わかっていたことですが・・。
特養での生活は、とにかく静かで・・。
いえ、実際はどこかの部屋で鳴らされるナースコールの音が、切れることなく鳴り続けていますから、無音ではないのです。
それでもなんだか・・静かに感じるんですねぇ。
そう・・多分、笑い声があまりしないからでしょうか。
午前中にコミュニティ(母は音楽クラブに入っています)がある日は、少しは気も紛れているでしょうから、一週間に二、三回、なるべく何もない退屈そうな日の午後に行っています。
母がオヤツを食べ始める時間あたりから、浮腫み改善のためにベットに入る時間までの一時間半くらいかなぁ。
母の帰りたいコールを交すために、車椅子を押して特養の中を散歩したり、母の足をマッサージしてみたり。
外に出れない母を大きな窓のある場所に連れて行って、ボンヤリと外を眺めてみたり。
広く感じた特養の中も、案外狭いものです。
行く度に、していることはそれだけ・・それでも、少しは母の気も紛れるんじゃないかと・・夜には私が行ったことも忘れている母なので、これは自己満足です。
なかなか、他の利用者さんの家族と一緒になることはなく・・たまたまなのか、そんなもんなのか。
近いうちに、施設のイベントがあるらしいので、その時は会えたりするのかなぁ。
いつ行っても、介護士さんは忙しそうにアチコチの部屋を出たり入ったり。
時折、利用者さんの横に座って話し掛けたりもしてくれますが・・動けない車椅子の利用者さんは、他の方と喋ることもなく、そのうちコックリコックリ座ったまま寝ていたりします。
私が行かない日は、多分母もそうなんだろうなぁ。
あ、ひとつ・・参ったなぁ~の母の行動を知らされました。
帰るとき・・介護士さんから「コップのこと誰かに聞きましたか?」と呼び止められて・・。
私が行った時、丁度オヤツを食べていた母だったのですが、いつものコップとは違って、フタ付きのコップを使ってストローで飲んでいました。
麻痺側左の口元から、水が漏れてしまうことが家でも度々あったので、てっきりそれで換えてくれたのかと思っていましたが・・・違いました。
「お母さん、コップの水をわざとこぼすんです~~」
それは・・前にも言われたんですが、どうやら最近、頻繁にそれをやってるようで。
介護士さんが呼んでも来なかったりすると・・目線が合いつつ・・コップの水をジャーっと。
実際にそれを見たわけでは無いのですが、家でもそういうことがあったような。
「おばぁちゃん、そんなことしたら自分も濡れて気持ち悪いでしょう~~やめなよぉ~」と言うと・・
介護士さんは苦笑いで「いえ・・床にするんです。お母さんは濡れません」って。
どんな風に、介護士さんが母を諭しているか・・そんなに怒ったりはしてないといいのですが・・。
母なりに理由もあると思います。
そしてその理由の少しは、どうも介護士さんもわかっているような様子でした。
その時は、もうしないって約束するらしいのですが・・約束はナカナカ守られないようです。
感情だけで・・それも、辛いことだけが残る今の母は・・やっぱり辛いだろうなぁ。
時間の長さも危うい母だから、ちょっと待つことも、長く感じるだろうし。
それは・・辛い、哀しい、切ないだろうことはわかります。
でも、どうしてあげることも・・出来ないし。
水をジャーっとやることが、ささやかな母の反抗なら・・なんとか受け止めて欲しいなぁと・・思ってしまいます。
実際、どんだけ介護士さんが大変だとわかってはいても。
母を案ずる気持ちは・・ここで書いているように、私にも沢山あります。
でも・・仕方ないと諦める気持ちや、介護士さんの気持ちもわかったり・・。
いえ、わかるというか、察することが出来てしまいます。
それは・・実際に母の介護を、6年あまりはしてきたからです。
この一ヶ月、父と何度も何度も、喧嘩にならない喧嘩をしました。
父にわかってもらいたいと思う私の言葉は、ひたすらに介護士さんの肩を持つように聞こえるらしいです。
父の言い分は、よくわかります。
だから、黙って父の言うことを聞いていればいいのだとも思います。
でも、そんなこと・・出来ない。
自分で母に会いにいけない父だからこそ、母の言うことが、介護士さんの行動が、気になるんだとも思います。
毎日のように粗ばかりを探す父です。
流して聞けるほど・・まだ私こそ丸ごとの安心で母を預けているわけではない・・のでしょうね。
自分自身に言い聞かせるように、父に話をします。
そうすると・・父は怒り出し、口を閉ざします。
私に言わないで、直接介護士さんに言えばいいじゃん!
なんとか気持ちを切り替えようと思っているのに、父と特養の間に挟まって・・今はそれもキツイ私です。
相変わらず、自分のこと以外は何も出来ない(しない)父との生活。
介護とは、全然言えないけど・・それなりに、大変です。
頑固で気難しくなった父。
ほんとはここで沢山悪口書いちゃいたいけど・・まぁ~今日のところはやめておきます。
あ~あ、中島みゆきの「傾斜」を思い出してしまいました。
この歌を思い出すと・・黙る私です。
いつだったかアチコチで涙を誘った、あの歌よりよっぽど・・・ね。
そうそう・・母の特養、多数の体調不良者が出たということで、面会禁止になりました。
ニ、三日は、外部からの訪問は禁止だそうです。
皆様も、どうぞ気を付けてくださいね。
明日は、久しぶりに高校の同級生とランチです。
昨年、お母さんがアルツハイマーになってしまった彼女・・沢山、お喋りしてきます。