from the talk ``Memorial Conference for Masahiro Shiota" by Shuzo Izumi . . . 本文を読む
研究仲間と小樽の水族館に遊びに行ったことがある。付属の食堂で昼のビールを楽しみ、人ずれして窓に来るカラスやカモメに餌をやっていた。悪友のIが思いついて、間に餌をおいて食わせ、餌を置く場所を少しずつずらしてカラスとカモメを徐々に近づくように誘導した。数十センチまで近づいたとき遠慮して逃げたのはカラスであった。この時のカモメはカラスとあまり違わない体格であったが、他の観察でもカモメの方が威張っているようである。鳥にかぎらず餌で序列の見当がつく。なぜカモメの方が強いのだろう。 . . . 本文を読む
・・・ゲス板という丸い木の板を用いる。一番風呂の人はそれに乗って両足で沈め、その切り込みを釜の突起と合わせて押し込む。それから回転させて浮き上がらないようにひねる。失敗すると板は浮き上がり、足はあっちっち。冬などは浸かっているうちに、冷めてくるので、できれば風呂の外の人に追い炊きを頼みたい。風呂から大きな声を出すのはいやだから、尋ねに来てもらいたい。「兄ちゃん、加減どう?」 . . . 本文を読む
「ベルギー奇想の系譜展」を見てきた。・・・サードレールの『フランドルの雪』。単純な雪景色であるが重い空が画面の大きな部分を占めることを指して、人間を超えたものを描いているという意の解説があった。同感である。 . . . 本文を読む
私の生家の家族はすでにすべて亡くなった。その浮沈の家族史は重くて書き記す気は無い。ただ父が母、泉正子の短歌をまとめている。今回鎮魂の意を籠め、それを自分のブログに含めて残しておく。
収録できたうちでは、次のようなものが私の好みである。全般にとても自省的な歌と感じる:
* ゆきのした繁るを憎みひきをればゆきのしたの花を訪い来る蜂あり
* 我等心通わぬものを水がめに金魚入れつつ涙ぐみゐぬ
* もんぺをつけし幼な女よわが嫁は戦の日をかく育ちしか
* 発言の多すぎたりしと帰り来てひとり思ふに悔いのみ多し
* 鼻の上に皺を作りてわれに笑む細きうなじの入院の孫
* 新婚の記念にもらいし掛図絵の尉に似てきし夫の口もと
この他に朝日歌壇、おそらくは前川佐美雄氏の選による、作が数種程度あるはずだが、今回は発見できなかった。 . . . 本文を読む
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靴下を目の前に手で垂らして長い間じーっと見つめていた。
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内容は覚えてはいないが何か反論や皮肉が口から出てくるのである。同時に「この鋭いが意地の悪い言葉は、某々なんかがよく口にするのとそっくりだな、あれはこんな気持で吐かれているのか」などという妙な考察も行っていた。
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テレビで東京の地名江古田を「エコダ」と言っているので違和感があった。小学校の時代、練馬区に少し暮らしたが「エゴタ」と聞いていたからだ。「エゴタ」の方が語呂もよい。直感的に「エコダ」は「新住民」の言葉だろうと言う気がした。 . . . 本文を読む
本文は数学に馴染みのない人向けのおさらいです。一方加筆した部分では、数学者でも多くの方が意識していないよりクリエイティブな面に触れています。
僕はしばしば岡潔さんの言う「情緒」について同意を求められます。面白いことにそういうことを言うのはほとんど数学を扱わない文学的な人が多いのですが。「情緒とは感情や感覚と異なるもので、日本人が特に持っているもの」と言われているそうです。情緒を解することは結構ですが、一律に外国人に優位を感じたり、ものをはっきりいう人に情緒がないと言うのは賛成ではありません。アンチ・ラディカリズムの標語にもなっている気がします。
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