Akatsuki庵

日々と向き合って

祝!ピーターラビット120周年

2022年06月04日 06時09分17秒 | 茶道具以外の展覧会

先週の土曜日、NHK技研公開を見学したついでに世田谷美術館にも寄った。

 ピーターラビット展を鑑賞。 ※6月19日(日)まで開催中

もともと観たいなぁとは思っていたのだけど、砧は遠いなぁと思っていて。(^^;
チラシには「土日は日時指定制」と書いてあったので、それも面倒くさかった。

NHK技研へ辿り着く前にふと寄ってみた。
行列しているかなぁ~と思っていたら、意外にも余裕があるようで。

会場整理の方に尋ねたら「当日券はそちらへ」と事もなげに言われたので、(じゃあ、技研の帰りに)寄ろうかと。
(当日券なので高くなっちゃうけど、そこは仕方ない)

 いざ、絵本の世界へ~。

以前、どこその百貨店で「ピーターラビット展」を観たような気もするが、規模は段違い。

誕生のきっかけとなったポターの書簡や飼っていたウサギの頭部スケッチ。
病床にいた元家庭教師の息子を励ますために贈ったグリーティングカード。

最初がカードに描いたイラストだったとは意外だった。
原画なんだけど、小さい。顔を近づけてじっくり見ないと見えない~。

だけど、それがゆえに素朴さというササっと描いた気楽さが原点だということに妙にほっこりした。

会場内、5か所だけ撮影OKのポイントあり。

 お尻がプリティ。

お馴染みの一場面も再現されたいた。

 立体的に眺めると妙な気分。(やはり絵本の方がいい)

木のうろも再現。

カードが子供に受けて、それがウサギを主人公にしたストーリーに発展し、そして絵本として出版。

 出版から120周年かぁ。

1902年といえば日本は明治時代だね。日露戦争の頃。てか、昭和天皇が生まれた翌年。

日本にも原画そのものではないけど、「ピーター兎」の話として大正時代に児童雑誌や紙芝居で入ってきたようで。
(日本に伝わるということは世界中で読まれていたということで)

そして、感心したのはポターによるグッズのプロデュース力!

ぬいぐるみから双六まで、原作者みずから監修した関連商品の数々に圧倒された。
中には絵本の世界を思うと「ビミョ~」と思わなくもないものもあったけど。

食器とかスプーンとか、持ってますワ。(貰いものものだけど)

私の場合、社会に出て自らの稼ぎを貯金しようと考えたのがピーターラビットとのつきあいの始まり。
当時、銀行の金利は自由化されていなくて、どの銀行に預けても利子は同じだった。(時代がみえるなぁ)

で、考えた。「どこに預けても同じなら、粗品がかわいいところにしよう」。
新聞広告で見かけたうさぎキャラクターのところにした。
(ちょうど採用したばかりで、大々的に宣伝していたようで。)

たまたまだけど、神戸支店はファミリアさんの隣にあって、「クマのとなりがウサギかぁ」とも思ったっけ。
父親からは「キャラクターで銀行選ぶなんて、幼稚だなぁ」と馬鹿にされたなぁ。

悔しいから、カレンダーやティッシュなどもらえる粗品は根こそぎもらって、身の回りにじゃかじゃか置いていた。
そんなわけで特に好きじゃないけど、かつてピーターラビットグッズが身の回りに存在していた時期があったっけ。

今となっては懐かしい青春の思い出。

ライセンス料、高かったろうなぁ。

と思ったのは会場を出て、グッズ売り場に至った時。
筋金入りのグッズが溢れていた。そして、いずれにもしっかり本家本元のライセンス料が載ったお値段。

思えば、ピーターラビットグッズはたくさん持っているけど、買った物は一つも持っていない。
(お金を預けてもらったものはあるけど)

うーむ。アニバーサリーだ。この際、記念になるものを買おう!

ということで、いつも機械的に買うクリアファイルは買わず、他のものを吟味した。
手軽なところで缶入りのクッキー、もしくは缶入りの紅茶かなぁ。
中身を食した後、入れ物の缶を記念に。でもさー。こういう缶って、用途がなくていずれ廃棄しちゃうんだよねぇ。

困ったと思いつつ、諦めて会場を出ようとしたところで、見つけてしまった!

トリプル遣いができる優れモノ。

 キーホルダー。

外出先でのバック掛け。

更にはスマホスタンドにも。

 

スマホスタンドと言えば、2015年の兵馬俑展で買ったけど、こちら
吸盤の力が弱くてスマホを支えきれず使い物にならなかったなぁ。
(懲りずに京博でトラりんのスマホスタンドも買ったけど、やはり吸盤力が弱くてお蔵入り)

その点、今回のは完璧。ちょっと重たいけど。
ライセンス料もあり2,200円といいお値段だったけど、一点豪華主義でお買い上げ。
(この日は4万7,000歩も歩いたし、自分へのご褒美)

考えてみれば、キーホルダーもずっと貰い物しか使ったことがなくて。
半年前に恩師からいただいた米国土産の「A」の文字入りキーホルダーがとうとう皮が取れてしまった。
20年近く愛用していたのに~。

で、仕方ないからかなり前に幼馴染の友人からもらったスイス土産のキーホルダーを使っている。
友よ、許せ。ヨーロッパアルプスのキーホルダーはまたいつか使わせてもらうぜ。

と、付け替えた。

逆に鍵がついているのが邪魔と言えなくもないし、鍵を机に出しまくって忘れてしまうのでは?
という心配もつきまとうけど、でも鍵とスマホ!
どちらも常に肌身離さず持っていなければならないアイテムだから、絶対に忘れないようにするんだ!

という決意の下、私の暮らしはピーターラビットともにこれからも続くのであった。

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土曜日の冒険~NHK技研公開

2022年05月29日 17時28分43秒 | 茶道具以外の展覧会

最近、ブログを書く頻度もかなり落ちて、内容も大したこと書いてないけど、
それは個人の生活の充実度との関係性は特にない。

むしろ、以前よりライフワークバランスは良くなったくらいで
先日受診した人間ドックの内視鏡検査でも小さなポリープもなくなっていた。
体重が1割落ちていて、何か言われるかと思いきや「問題なし」。
「1割減ってますけど~」と逆に質問すると
「筋肉がなんとかかんとか~。だから心配ない」とのこと。

いや、筋肉量が落ちているはずがない。むしろ足腰の筋肉はついているはずなんだけど~。
だって、休日にめっちゃ歩いているし~。

ということで、体重が落ちたのは以前より歩いているから。
特に土曜日。
お茶の稽古は月1回しか行ってない。
それも片道1時間半(往復3時間ほど)歩いてる。

稽古に行かない土曜日はと言えば、美術館とか博物館とかへ歩いて行ってる。
なので、都内の地形(二十三区の真ん中と東南区域に限られるけど)を感覚で理解できるようなった。

そして、昨日も気温上昇はあったものの、好天と乾いたサラッとした気候の中、
片道3時間、往復6時間てくてく歩いて出かけていった先が世田谷区のNHK放送技術研究所

 世田谷通り沿い、砧公園の近くにある。

毎年5月の終わりくらいに4日ほど公開しているけど、コロナの影響でたぶん3年ぶりの公開。
(2020年は開催されなかったみたい。昨年はオンライン開催のみ)

私自身はおよそ四半世紀前に一度訪れて以来2度目。
昭和時代の古い建物だった記憶があったけど、いきなりかっこいいビルが遠目で見えてビックリした。
(当たり前だ。今は令和の世だもの)

 受信料も納めているしね、堂々と入れる!

事前予約制で12時の回からしか空いてなかったけど、正午前に到着。

 時間前だったけど、入場できた。

はてさて、高度な技術が理解できるからしらん。

驚いたのは会場内のいたるところにカメラが通過する一人一人をサーモスタットで体温検知。
ここまではわりと当たり前。
それを会場内が一覧できる特大タブレットに表示させ、混雑具合が一目でわかるようになっていた。

 どこか混んでいるか、空いているかがわかるのは便利、かも。

1階は導入的な?

 わかりづらいけど。未来の暮らしは洗面台の鏡にもニュースなど情報を表示させられる。(だからどーだ)

あと、画像の合成技術の展示もあったけど、個人的には「だから、何?」的な。自分の生活には役立たない。

地階の駐車場エリアの展示ブースへ。

混雑しているところはパスして自分でもわかりそうなところへ。

タブレットにバーチャルリアリティを表示できる展示、
薄~いテレビのディスプレイ。曲げられるテレビのディスプレイ。

究極は紙のように薄くて丸められる、てかポスターを巻くようにできる技術。
これ、それこそNHKで紹介されているのを視た!

ポスターを巻くように~の方はまだ技術が3色の太い糸レベル。
触らせてもらって、「おぉ~」。面としては3センチ四方くらい。まだまだ研究途上。

音響は粒子を飛ばして、音が一か所でなく部屋のあちこちから聞こえる。
そして、聞こえてくる場所が移動する。ビー玉が転がる音で体験できるコーナー。

 ←こういう音を飛ばせるスピーカー。これだけ撮影OK。

他はニュース原稿からキーワードをAIが判断してキーワードを付与してジャンルに分類していく技術、とか。
(これ、新聞など文字媒体でも同じようなことをやっている)

難しいけどね。
普段は研究ばっかしている理系のエンジニアのお兄さん方が一生懸命に説明している姿が微笑ましかった。

やはり、毎年は行けないなぁ。難しいし、遠いし。

そういえば以前来た当時は品川区に住んでいて、山手線で渋谷に出て、渋谷からバスに乗ってやってきた。
うーん。なんで自宅から徒歩で行こうという発想をしなかったんだろう。
いや、徒歩は無謀でもマウンテンバイクに乗っていたらから、自転車で行けたはずなのに。
そもそも、自力で行けるはずがない!という思い込みがあったのと、単純に東京の交通機関に乗りたかっただけ?

未熟だったなぁ。

そして、せっかく3時間もかけて歩いてきたのだから、1か所だけではもったいない!

ということで、次回に続く~

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ポンペイ展

2022年03月31日 05時45分43秒 | 茶道具以外の展覧会

特別展『ポンペイ』 東京国立博物館 ※4月3日(日)まで

3月も今日でおしまい。
今年はブログ更新を休んだせいか、2月も3月もとても長く感じた。

さて、実は今月初めに訪れていたのだが、更新する機会を逸していたポンペイ展。

 3月3日、桜の蕾はまだ固い。

ポンペイ遺跡の展覧会は以前から機会あるごとに足を運んでいる。

2001年に江戸博で開催されたもの、2006年に渋谷のBunkamuraで開催されたもの、
あと1回どこかで観た?ような?

なので、今回はもういっかなぁ。チケット高いし、予約取るのもプレッシャーだし~。
と当初は思っていたのだけど、「いやいや。いかん」と予約して行ってきた。

よかった。
ポンペイ遺跡って、発掘されたのはまだ一部のみで、現在まで粛々と発掘作業は進行中で新しい発見も次々と出ているらしい。

さすが。。奥深し。

確かに、2001年の江戸博とは出ているものが全然違うし、「えーっ。めちゃ文化的に進んでる!」とビックリするものの多くて。
純粋に感動。

しかも、館内ほとんど撮影OKというのもオドロキ。

 アポロン像だったっけ? なんて精巧なの!

銅?鉄?とにかく金属系の機械。

 炭化したパン。

下宿人募集の広告。

そして、タイル画の数々。

なんといっても極めつけはアレクサンダー大王。

 ←復元なんだけど、床にバーン。

え? 教科書で見たヨ。→

教科書でお馴染みのあの肖像画がポンペイからの出土品だったとは!

2006年に渋谷で観た時はテーマが「ポンペイ 最後の一日」で
被災された人々の痕跡(灰を被って、中が時間を経て空洞になったもの)が幾体も展示されていて。
衝撃が大きかった。(最後を迎えたそのままの姿が残っているから)

なので、文化水準や埋まったからこそ遺った芸術のことをすっかり忘れてしまった。

ポンペイ遺跡は本当に光を影がある。
その両方に目を向けてこそ、その奥深さがより理解できると今回すごく感じた。

あれからの15年間で例えばコミック&映画『テルマエ・ロマエ』でローマ人の生活を知ったり、
生きているこちらも大震災などを経験して、いかに生活が自然災害と供にあるかを身を以て知ったしね。

そして、感動とともに財布の紐も緩む~

 今回買ったグッズ。

お気に入りはハーフのマルチフォルダー。

 

西洋美術館で買ったマルチフォルダーはデザインが怖すぎて、使いづらい。
2014年10月に東京都美術館で開催された「ウフィツィ美術館」展で買った
A5版のマルチフォルダは重宝しているけど、チケットのみ時にはそぐわないし。

というわけで美術館巡りを再開したら重宝しそう。

あと、珍しくお菓子も買った。

 ビスコッティ。

イタリアの伝統菓子なんだけど、職場のローソンでよく買っていた。
小腹を満たすのと眠気覚ましにこの固さと控えめの甘さが最適で。
(ところがある時から店頭で見かけなくなってしまった)

懐かしさと本場の味かしら?と興味津々で買ってみた。

 ミルクティーと供に。

美味しかった~。

★東京国立博物館のバックナンバーリストはこちら

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よみがえる正倉院宝物

2022年01月29日 19時44分16秒 | 茶道具以外の展覧会

御大典記念 特別展『よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―』
 ★サントリー美術館 サイト ※3月27日(日)まで

この展覧会、実は一昨年の秋に名古屋で鑑賞した。→こちら

全国巡回(コロナで開催中止になった会場もあっただろうが)で、最後は東京?(最後は延期された松本になるらしい)

でも、展示替えの関係で見られなかったものもあったし、
かつて見たものも新たな感動で鑑賞できた。

五弦の琵琶を再現する部品のパーツとか、伎楽の舞人の衣装の再現は初めて見たんじゃないかな。

並んでいる順番や構成も違うしね。とにかく、古の技とそれをたいへんな努力で再現した現代の名工たちのすごさ。

特に裂地がすばらしかった。
五弦の琵琶を入れた琵琶袋とか聖武天皇の綴織の袈裟とかね。すごくきれい。
伯耆国から「調」の税として納められた布。武蔵の国からと紀伊の国からも。すごーい。

正倉院文書まで模造再現していたとは! 知らなかった~

少しだけ展示替えするみたい。

また再訪しようかな。

裂地に感動したけれど、グッズで裂ものは高くて買えず。
裂地を写したクリアファイルを買って帰ってきた。

サントリー美術館のバックナンバーはこちら

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江戸から東京へ

2021年11月11日 19時56分13秒 | 茶道具以外の展覧会

所用で有楽町へ出たついでに足を延ばして日比谷図書文化館へ。

江戸から東京へ、地図や絵図、パノラマ写真でタイプトリップ。

江戸時代は大火、明治以降も関東大震災と太平洋戦争で何度も打撃を受けながらも、
街の痕跡はあちこちに遺る。

最近は交通費節約と運動のため、よく歩く。

見慣れた風景は100年、200年前はこんなんだったぁ。

と興味津々で見学した。

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刀剣 もののふの心

2021年10月29日 13時43分55秒 | 茶道具以外の展覧会

開館60周年記念展『刀剣 もののふの心』 ★サントリー美術館 ※10月31日(日)まで

刀剣には興味ないのだけど、メンバーズカードがあるので「行かなきゃ」。
ちょうど都心で時間を潰すことがあったので、会期末に寄った。

どうもね、殺傷を目的とした道具というのは苦手なんだけど、
名品になればなるほど、殺傷目的というよりはステータスアイテムだったのかなと。

また、神社に奉納されて信仰の対象となる場合も多く、あながち「斬る!」が目的とは云えないのかも。

と、新たな感想を持った。

展示構成も刀剣だけではなく、まずは絵巻物から古への武士たちは刀剣をどう扱っていたのかが理解できたし、
刀剣以外の武具も展示され、実用のみならず工芸の細かさも示されたり。

奉納された、いわゆる名刀も数多く展示されていたけれど、その由来が歴史的にも知られている事だったり。

最後は祭りと刀剣とのかかわりも。

名刀では桶狭間の戦いの折に今川義元が佩刀していた刀とか、
木曽義仲の奥さんの巴御前が敗走する時に助けてくれた人に与えた刀とか。

江戸時代の大火で被害があって、再び整えられたものもあったけど、由来を知ってみると輝きがすごいなと。

中には錆びが残ったままの刀もあったけど、それはそれで形や反りなど気品はわかるかなぁ、、、と思ってみていた。

お拾君(淀君が産んだ秀吉最初の子)の小さい甲冑と馬に乗る練習用のもの? それに鞍も「珍しいものが遺っているものだと」と感心しながら観た。

そのほか、平家物語の場面が画かれた絵巻物とか扇面集とか屏風絵とか興味深かった。

平日のお昼過ぎにかかわらず、館内は結構な見学者の数でビックリ。
中でも、刀剣女子と呼ばれる熱心な女性も多く来場していて、ただただ感心するばかりだった。

 

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柳橋水車図の世界

2021年10月15日 13時43分48秒 | 茶道具以外の展覧会

特別展『柳橋水車図の世界』 ★中之島香雪美術館
 ※11月21日(日)まで

長谷川等伯が画いた柳橋水車図屏風は香雪美術館の所蔵で、これまでも何度も拝見してきた。

だから単純に「等伯の作品の一つ」という認識しかなく、さほどじっくりゆっくり鑑賞はしなかった。
等伯といえば、トーハク所蔵の国宝「松林図屏風」や智積院所蔵の国宝「楓図屏風」の印象が強くて、
それらに比べると存在感が薄い、というか。

でも、今回は間近で、あるいは少し離れてじっくりゆっくり拝見してみて
技巧の緻密さや構図のスケールの大きさに感嘆した次第。

そもそも、柳橋水車図の構図って、等伯オリジナルかと思ったけど、
そうではなかったようで、日本画の型の一つだったかも。
(室町時代に画かれたとされる構図がほぼ同じ屏風も展示されていたので、見比べてみた)

湯木美術館から借りてきた仁清の色絵柳橋図水指も展示されていて、「あぁ、そういえば柳橋意匠って、他でも見たなぁ」と。

そもそも柳橋って、ナニ?

宇治橋だったり、あの世へ続く橋だったり。
古典の物語へのオマージュや宗教的な意味合いもあるような。

まぁ、日本人、というかお公家さんがいかにも好みそうな意匠なのだろう。

ただ、雁金の技法が仏像だけでなく、日本画にも用いられたというのが、意外といえば意外。
(最初は等伯の時代に雁金?と思ったんだけど、仏像彫刻のことを思えばあり得るかと思い直した)

日本の美術って、奥深い。

全般に点数は少なかったわりには入場料が割高な気はしたけど、
土曜日の午前中だったし、緊急事態宣言が明けて、館内も盛況だったし、
こういうフツーに美術鑑賞できるって、平和だなーと思いながら楽しめた。

グッズも定規とクリアファイルを奮発。

※中之島香雪美術館のバックナンバーリストはこちら

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北斎づくし

2021年08月22日 02時47分32秒 | 茶道具以外の展覧会

☆六本木 東京ミッドタウン・ホール サイト
『北斎づくし』 ※9月17日(金)まで 事前予約制

北斎館に行ったら、六本木へも行きたくなって、旅から戻った次の休みにさっそく行ってきた。(お盆休み中ではあったけど)

ガレリアの地下1階からして既に北斎づくし。

 ミッドタウン・ホールの入り口がわからず、ちょっとウロウロしてしまった。

中に入ると、その雰囲気に圧倒された。 

既に混雑していたけど、1番から順に見たいから、人垣の間に潜り込むようにして鑑賞。
(会場内に至ることにスタッフさんがいて、会話を慎むように注意喚起していたけど、連れがいると話をしちゃうよねぇ)

 

まずは北斎漫画。実物もよかったけど、垂れ幕もすごい。

床も北斎づくし~ 

次の円形になった部屋で富嶽三十六景をぐるっと堪能し、その次の部屋では映像展示。効果音もよくて、見入ってしまった。

最後はシックに富嶽百景や馬琴作品の挿絵。ここも実物もよかったけど、壁面の拡大版がまたすごい。

 

なんかリアル~というか。 

 

 演出がすごかった~

1,800円のチケット代は最初は高いなぁと思ったけれど、ほんと映画1本分を観たくらいの価値はあったなぁと満足した。

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青春18きっぷで気晴らし旅?~その4 小布施で北斎!

2021年08月21日 04時33分11秒 | 茶道具以外の展覧会

旅アーカイブに戻る
前回からの続き~

実は今回の旅の目的はずばり「北斎」。

先月観た映画『HOKUSAI』がよかったので、→こちら
「小布施に行きたいなぁ」と思っちゃったのだ。

日帰りは無理。
新幹線に乗るのはもったいない。
となると、秋パスかぁ。でも、秋はたぶん3日間の休みは取れない~と思考が行き詰まりかけた時、
ふと「そうだ、夏の青春18きっぷを2回分使えばいいじゃないか」と発想したワケ。

それが神戸の帰省中。で、行きは青春18だったけど、帰りは新幹線(EX割引)に変更。

で、2泊3日にして、真ん中の日に小布施をゆっくり観光することにした。

で、早起きして須坂駅に向かう道すがらに朝食(お焼き)を調達し、駅のホームでもぐもぐタイム。

須坂から小布施までは長野電鉄で2駅、240円。
8時半すぎには小布施駅に到着。

駅から数百メートル歩いたところで突然、雨がポツリ。
慌てて近くにあった自動車整備工場の軒先に走り込み、すぐにレインコートを着込む。

同時にザーっと降りだした。まさに間一髪セーフ!な状況だった。

とても激しい通り雨だったけど、風がさほど吹いていなかったので、横殴りに濡れることなく
荷物もショルダーバッグだけだったのでレインコートを上から着て、防水ばっちり。

降りしきる雨の中をてくてく歩いていて、岩松院に向かった。

30分足らずで到着。

 

ここの目玉は天井画。 

葛飾北斎筆 八方睨み鳳凰図

北斎が88歳から89歳にかけて描いたという。
境内は写真撮影禁止なので、画像は掲載できないけど、迫力が半端なくてすごく感動した。

さすがに参拝客も少なく、じっくりゆっくり鑑賞できた。

これを鑑賞するためのが今回の旅の目的。はるばる来た甲斐あった。

 

天井画を堪能した後は、お庭に面した和室でしばしボーーーーッとしていた。
すると、住職さんから「女性が雨の庭を眺めて佇む後ろ姿ってのも、いいもんですねぇ」と声をかけられ、めちゃ照れた。

それにしても、この庭の池を見て小林一茶が「痩せガエル負けるな一茶これにあり」を詠んだとか
戦国武将の福島正則の菩提寺とか、由緒がすごすぎるお寺。

駅からちょっと離れていたけど、行く価値あるわぁと思いつつ、外へ出ると雨は既に上がっていた。

帰りの山門で前日、篠ノ井線で乗り合わせたご夫婦とすれ違った。(声かけなかったけど)
やっぱりなぁ。レンタカーして巡っているのかな。

こちらはまたてくてく歩いて、中心部に近い北斎館へ。

 

こちらも見学客はそこそこいたけれど、空いている方だと思う。
夏だし妖怪をテーマにした企画展も開かれていて、それも楽しかった。

屋台天井絵は4年前に、あべのハルカスで開催された『北斎』展でも観た。→こちら
やはり素晴らしい。それに屋台の再現もあって(屋台の天井絵は複製、真筆は手前に展示されていた)
実際の雰囲気も味わえた。

 

 

真筆↓
 

北斎作品を鑑賞していると、元気をもらえるから好き。
ただ、グッズ売り場では食指が動かず、購入はパスした。

次回に続く~
旅アーカイブに戻る

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上村松園展

2021年08月04日 06時43分38秒 | 茶道具以外の展覧会

☆京都市京セラ美術館 サイト
京都市京セラ美術館開館1周年記念展『上村松園』 ※9月12日(日)まで

以前から上村松園(1875-1949)の美人画は大好きで。
茶道を習うようになって、和服を着るようになってからは特に。

宮尾登美子の小説『序の舞』も読んだし、奈良の松伯美術館へも行った。

展覧会も1999年秋に東武美術館で開催された没後50年記念展、
2010年秋に東京と京都の両近代美術館で開催された巡回展のどちらも訪れた。
(いずれも図録を購入して、後からよく眺めた)

その他、山種美術館など所蔵している作品を鑑賞してきた。

なので、大抵の作品は見てきたと思うんだけど、
それでも初出品や「あ、これは初めて見る~」という作品があり、
松園の遺した作品数の多さに今さらながら感心した。

「人生の花」や「春秋」のように同じ構図で複数の作品があることは知っていたけど、
今回はさらに同様のものが離れた場所で展示されていて、
解説を読むと同時期ではなく、何年か後に描かれたものとか。

松柏美術館で下絵を何枚か見たけど、下絵を保存管理しておくことで
こういうことも可能なのかぁと感心した。

同じ構図でも、着物の柄や色、や帯の結びが変えてあったり、
あるものは髪型を変える、色合いを変えることで季節感も変わり、桜の枝が足される~

そのバリエーションの豊富さが素晴らしい。

今回も図録を購入。以前よりもコンパクトに、かつ鮮明に見えるのがウレシイ。
見返して、同じ構図のものを比較して、改めて感心したり。

展示室においても、ガラスケース越しとはいえ、以前よりも距離が短いような。
よって、紙の生え際とか着物の文様とかより近くで鑑賞できて、
その繊細さに感嘆~

後期も行きたいと前売り券は2枚購入。

コロナで遠距離移動を伴う旅行や帰省は自粛するように言われているけどね。

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ざわつぐ日本美術

2021年07月20日 05時08分00秒 | 茶道具以外の展覧会

『ざわつく日本美術』 サントリー美術館 ※8月29日(日)まで

毎年、サントリー美術館の盛夏期間の展覧会は遊び心満載の企画で楽しんでいる。

今回は数か月前から今回の展覧会のチラシを見ただけでタイトルと怪しげな(?)な人物像に
心が“ざわざわ”していた。

だって、なんか違和感なんどもん。

尾上菊五郎さん。明治8年に世に出された作品。
浮世絵? 水彩画? リアルなんだけど、日本画のような洋画のような、不思議さ。
(当時の反応も芳しくなかったそうな)

あれ~と思いつつ、「うらうらする」を集めたコーナー。

光悦の赤楽茶碗「熟柿」もここだった。
確かに、裏てゆーか高台側が鏡を通して眺めると別の魅力があるような気がした。

能面といえば、「表」しか目にする機会がないけれど、360度の展示ケースで裏側も観ることができた。

ちょっと変わったところでは「東こぎん」という刺し子の着物。
津軽地方で江戸時代から続くものだそうで、保温と補強のために麻布に木綿の糸に刺し子を施したのだそうな。

細かく凝った文様で、表からみても裏からみても美しい。
実用と芸術性を兼ね備えた伝統工芸。

次は「ちょきちょき」する。
もともとは裏と表に描かれた屏風を分けたもの。

佐竹本の三十六歌仙図もここ。(確かに、36枚+αにチョキチョキと分断された)

泰西王侯騎馬図屏風、サントリー美術館所蔵だからよく見かけるのは当然として、
「地元の神戸市立博物館にも似たようなのがあるよなぁ」と以前から思っていた。
もともと、一つの屏風だったのが分断されて、それが今では別々の施設の所蔵となったのねぇ。

次は「じろじろする」
うーーん。よくわからん。

そして、3階に降りて「ばらばらする」。
水注の身と蓋、硯箱の身と蓋などを背中合わせに展示し、
片方だけ見て、ぐるっと反対側へ回って、「おぉ。これとセットになるのね」と思う。

その趣向をわかってかわからいでか、おじさんが片方だけ見て次のケースに移動するのを見て、
思わず「えっ!」と声をあげそうになっちゃった。

おじさん、何を見に来てるの?

そして「はこはこする」。

本体と本体を収める付属物(おもに箱)がかなり離れた場所で展示され、
それらを床に引かれた線が結んでいる。

あっち行ったり、こっちに戻ったりしながら楽しんだ。

最後は「ざわざわする」。

放屁合戦絵巻。改めて思う。「鳥獣戯画の丁巻をモデルにした?」

他もちょっと「ん? へん?」と感じるもの。
(この辺りは結構疲れちゃって、放屁合戦以外はほとんど印象に残っていない。

今回は時間潰しに寄ったので、後期にもう1回行こう。(年間パスあるし)
ちなみに、後期は8月11日(水)から。

同じ東京ミッドタウンで『北斎づくし』(7.22-9.17)も開催されるし、併せて訪れたい。

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大江戸の華

2021年07月16日 06時05分15秒 | 茶道具以外の展覧会

『大江戸の華 ―武家の儀礼と商家の祭―』
江戸東京博物館 ※9月20日(月・祝)まで

先週、金券ショップで青春18きっぷを買った際にふと目に入って割引率がよかったためについでに購入。
(招待券で非売品。万が一、展覧会が会期途中で打ち切られたら丸損~)

まぁ、たまたま両国に所用があったからなんだけど。
久しぶりに江戸博の特別展も鑑賞してみたい気分になった。

江戸博も常設展は事前予約制(を推奨?)。
特別展はネット購入の際に時間指定する方式になっている。

が、前売り券を持っている場合の特別展の予約方法がわからなかったので、
ダメもとで直接会場へ行ったら、あっさり「いいですよ」と入場できた。
(会場は平日の朝イチということもあり、とても空いていた)

作品リストは? 係員に聞いたら「スマホでQRコードを読み取って…」とペーパーレスを推奨されたが
スマホの電池がもったいないのと後から見直したいので、「紙でください」。(入口のチケットもきりまで戻って、もらった)

まずは具足。

幕府から使節を通じて海外に贈られたもの、大名家に伝わったもの。
中には明治の初め?に民間に払い下げられたと思われるもの。(家紋からどこの大名家かわかっちゃう~)

どれも状態がよい。

 こういう手袋など小物が展示されているのも江戸博らしさ。

ちなみに、アプリからリストを見ること推奨しているだけあって、ほとんどが撮影OK。(ただし、動画は不可)

 こういうの、石田三成だけかと思ったら、他でも採用されていたのね。

徳川慶喜が着用していた?陣羽織。 

確かに、大河ドラマ『青天を衝け』における草なぎ君の衣装とかなり似ている?ような

他にも4代将軍・徳川家綱が着用?の裃もあって、「ほーっ」と思った。

歴代将軍(←全員じゃないけど)の印状も興味深った。 9代家重が意外(?)とマトモ~

大名籠も出ていた。
酒井家だったかな? 殿様が乗るにしてはシンプルというか質素に見えるものもあって、意外だったなぁ。

 お姫様の籠はやはりゴージャス。

庶民の祭礼のコーナーで目を引いたのは、四神旗と一緒に展示されていた四神像。
玄武、白虎、朱雀、青龍、どれも見事な造りで思わず、帰りにクリアファイルを購入してしまった。

様々な意匠を凝らした燭台の数々にもびっくり。

大ぶりの古い雛飾り、お内裏様もお雛様も白髪、下に控える方々も年齢層がかなり高めに見えて、これもビックリ~

そんな感じでなんとなーく鑑賞。

すぐ出口に達して、「あっけないなぁ」。

ちょっと物足りない印象が残った。

7階の図書室にも行ってみた。 

北斎漫画など興味深い書籍も。(前の展覧会が北斎)

今回の分と2枚、図書リストをもらった。
(タイトルで読みたい本があれば、地元の図書館で検索して借りてみよー)

久しぶりの江戸博だったけど、やはり館内が閑散として、淋しい。

やはり、パンデミック下の都市はいやだな。

 

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江戸時代の金沢文庫

2021年06月07日 12時51分33秒 | 茶道具以外の展覧会

企画展『江戸時代の称名寺』 神奈川県立金沢文庫 ※7月25日(日)まで

訪れたいカフェに行きたくて、久しぶりに金沢文庫へ。

ついでに称名寺へ。
門前の「ふみくら茶屋」、好きだったのになぁ。
いつの間にか店じまいしてしまったようで、建物の看板はデイケアサービスになっていた。

この日、上大岡から旧鎌倉街道下ツ道(かなざわ道)を歩いた。
東海道よりも500年前から通っていただけあって、「道の顔」がしっかりしていて歩きやすかった。
(能見堂跡の周辺のハイキングコースは大変だったけど)

歩きながら、「鎌倉幕府が滅んだあと、鎌倉や称名寺ってどうだったのかなぁ。」ということが気になった。

少なくとも鎌倉五山の寺院は(全部じゃないかもしれないけど)現在も立派な建造物が遺っている。
金沢文庫は「金沢八景」の景勝地として、人気はあったようだ。

だけど、称名寺は廃れた感が否めない。

もともと北条実時の屋敷内の持仏堂だったし、幕府滅亡で主を失った後は苦難の道だったようで。
実時から三代にわたって収集した文書も中世の権力者に奪われ、大きな寺院に貸し出しては戻されず、
といった具合に次々と散逸。

さらに江戸時代に入ったら、前田家や水戸家?の歴史書編纂のために古文書を提出させられ、
さらに散逸が進み~

なんか気の毒な気がした。

でも、そういった貸し出しをめぐるやり取りもまた「古文書」となり遺っていくわけで。

遺ったのか、県立の施設となってから改めて収集されたものなのか、
その辺の区別がわからなかったのが残念。

本物か複製なのかはわからなかったけど、足利尊氏の文書もあったなぁ。

ちょっと難しかったけど、鎌倉時代と江戸時代を考えるいい機会になった。

史料は理解できなくても場所に遺された歴史の重みはなんとなーくわかる、ような。

 

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日本名画の名品 あなたの推す絵師きっといる!

2021年05月06日 11時27分37秒 | 茶道具以外の展覧会

★サントリー美術館 サイト 
『ミネアポリス美術館 日本名画の名品 あなたの推す絵師きっといる!』 ※6月27日(日)まで ※緊急事態宣言で5月11日(火)まで休館

4月24日(土)に行ってきた。
翌日から緊急事態宣言で5月11日(火)まで臨時休館すると聞いたので。

米国ミネソタ州のミネアポリス美術館が所蔵している日本画コレクションの中から
主に江戸絵画を中心にして、変遷を紹介する里帰りの展覧会。

若冲とか応挙、北斎の浮世絵は好きでピンポイントの展覧会は観に行ったことはあるけど、
変遷を辿りつつ、網羅的に日本画を展観できる機会は少ないので、うれしい。

まずは室町時代。
牧谿など南宋画の影響を受けたと思われる藝愛(←初めて知った)や雪村周継。
桃山時代は海北友松。

あ、龍虎図屏風。これも友松!? と思ったら、山田道安と聞いたことがあるような、ないような作家。(戦国武士だったようで)

続いて狩野派。山楽、山雪に探幽、そして女流の清原雪信。
続いて、土佐派のやまと絵。

さらに琳派。
伝・俵屋宗達。法橋のサインあり。
伝だから本物かどうかはわからないけど、武蔵野図屏風はすてきだった。

酒井抱一は絹地に高い絵の具つかって描いしてあるから、やはり気高い美しさがある。
鈴木其一のも。日本国内では今一つメジャーになれなかったけど、同じにアメリカに渡った朝顔の屏風は本当にすてきで里帰り展あったもんねぇ。

そして、浮世絵。
外国人も好きで明治初期はたぶんお値段もお手頃だったと思われ、おみゃげ代わりに随分と買われたんだろうなぁ。
写楽の役者絵、北斎の富岳三十六景「凱風快晴」があったのはうれしかった。

若冲に暁斎。
館内の作品は撮影OKだったので、暁斎の作品を撮って暁斎つきの友人にLINEで送った。

柴田是真の漆絵に鈴木松年。

本当に幅広く、というか網羅的なラインナップ。
急遽、寄り道したし、疲れていたので、集中力が足らなくて、ふわふわ~とした感じで鑑賞してしまった。
(疲れていたのか、美術館前で写真撮るの忘れてしまったし。
 仕方ないので、Wタイプのクリアファイルの写真)

思えば、明治初期の廃仏毀釈って、本当に惨いこと。
それまでの自分たちが培ってきた文化を否定し、手放すなんて、ひどい。
そりゃー、すごいカルチャーショックがあって、世の中の価値観がひっきり返った歴史的背景もわからなくはないけど。
でも~。

また開館したら、再訪して見直そう。

サントリー美術館のバックナンバーリストはこちら

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田中一村展

2021年02月20日 08時37分30秒 | 茶道具以外の展覧会

『田中一村展 ―千葉市美術館収蔵全作品』 サイト ※2月28日(日)まで

千葉県には2017年の春以来、ずっと足を踏み入れていなかった。直近はこちら

神戸の友人が「田中一村展に行きたいけど、コロナだから行けない」と何度も嘆いていた。

誰?それ?
私は移動自粛も気にせず、関西と往復してるけどね~。
千葉かぁ。遠いしなぁ。

と、最初は聞き流していたのだけど、先週ふと新聞のテレビ欄を眺めていて見つけちゃった。
BSテレ東の「ぶらぶら美術館」で田中一村展が紹介されることを。→こちら

すぐ友人にSNSで報せた。(ちょうど帰り道で「視る!」と返信)
私自身は番組開始には間に合わなかったけど、途中から半分ほど視た。

で、「へぇ~。こんな画家さんがいたんだぁ」と興味を持って、
調べたら、サントリー美術館のメンバーズカードで割引が効くとか(←そもそも高くないし)
入館予約が不要とか、ハードルが下がったので思い切って行ってきた。

都心を散歩がてら2キロほど歩いたら、片道550円。往復で1,100円だったしねぇ。

千葉市美術館。2度目かと思っていたら、3度目だったワ。
(初めて行った時はblog読んで思い出したけど、どうやって行ったかは覚えていない~)

開館20分前に到着。
既に数人いたので、なんとなく列を作って待った。
私が並び始めた頃から人がパラパラと増え始めた。

展示室は7階でエレベーターに乗るまでが制限かかったけど、
後は余裕。
開館時点の待ち行列も大した人数ではなかったようで、会場が混雑~ということはなかった。

テレビで見たのは、戦後になって院展に出品したけど落選で~というあたりから。
(審査員が同級生だった東山魁夷ですし~とか、五郎さんのコメントに時代がわかった、というか)

なんせ、番組の前半部分は視ていないので、そこは解説文を読んで理解。

10代の頃の骨太な日本画。なぜか、柴田是真のタッチと似ていると思った。
作品こそ展示されていなかったけど、イタリアでその頃の作品が見つかったそうな。
(ローマ東京間の長距離飛行に成功したイタリア人飛行士に贈られた書画集に貼られていたとのこと)
そういうエピソードが面白いナと思った。

東山魁夷との関係は展覧会のパネルには書かれていなかったけど、
帰宅後に一村の年譜と東山魁夷の年譜を見比べてビックリ。
同じ明治41年(1908年)7月生まれ、同じ年に東京美術学校に入学した同期だったのだ。

田中一村は経済的な事情で学費が払えなくなって、入学して間なしに退学。
(学校の指導方針と合わなかったということもあるらしい)

以後、独自路線を歩むことになる。

椿図屏風。
左半分は何もなく、右側にバッと斑入りの椿が描かれていて、すごい大胆な構図だなぁ。

お父さんが彫刻家だったということもあり、絵の手ほどきを受けたのはもちろんのこと、
彫刻もできた。
木魚とか根付、お盆とかも展示されていて、これも興味深かった。

住まいも親戚を頼って千葉に移住。(現在の千葉市内、この美術館から比較的近い場所とのこと)
十六羅漢図はよかった。
写真撮影も始めたようで、これはたぶん後年の作品に生かされたと思う。

そして、戦後。
若冲みたいに、でも若冲のとは違う軍鶏図の数々。妙にリアル。
作風にも自信が出てきたような。
40歳を過ぎて院展に応募するも落選。

その後、旅に出て、それから奄美大島に移住。
大島紬の染色工をしてお金を稼いでは絵を描く暮らし。

その中で画風がさらに発展して、その集大成が「アダンの海」。

 これはすごかった。本当に集大成!って感じ。

書簡も展示されていて、晩年の「本日、(工場を)退職して参りました。もう働くことはありません」
この一文が妙に印象に残ったわ~

だけど、昭和52年(1977年)、古希間近の69歳で急死。(突然死? 孤独死?)

生前はほとんど無名のままで終わったしまったのだけど。

最後のコーナーには没後に開催された展覧会のポスターが壁一面に貼られていて、これが圧巻だった。
ただ、ほとんどの会場が百貨店の催事場(なぜか高島屋多し)と奄美大島なんだけど。

奄美大島には記念美術館もある。
そういえば、この展覧会に行きたいと言った友人は一昨年に奄美大島へ旅行していたっけ。
だからかぁ。。。と、ナットク。

友人へのプレゼントで図録と「アダンの島」のクリアファイルを購入して帰って来た。

千葉市美術館のバックナンバーリストはこちら

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