Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

名物裂が好き

2024年11月30日 16時55分13秒 | 美術館・博物館etc.

特別展『古裂賞玩―舶来染色がつむぐ物語』 五島美術館 ※12月1日(日)まで サイト

ゴドビに行ったのは3年ぶり?みたい。

以前から「名物裂のゴトビ」という印象ある。
年末年始の茶道具展でも、仕覆や付属品の裂も丁寧に展示しているしね。
2008年秋の更紗展もとてもよかったしね。

最初は掛物。まぁ、一文字とか風袋とか中廻しとか、名物裂だもんねぇ。

でも、私の興味はその手前の裂鑑。
前田家伝来の名物裂帖。大きかったなぁ。肝心の裂の文様は見えづらかったけど。
こんなの、ゴトビにあったっけ?と思ったら、やはり違ってた。
九博所蔵のもの。

他にも、伊達家伝来や毛利家伝来、紀州徳川家のものが展示されていた。
目録がそこまで書いてないのでわからないけど、MIHO MUSEUM所蔵のも混じっているようだ。

伊達家の裂帖は渋いなぁと思ったけど、
紀州徳川家の裂帖は華やかでキレイだなと思った。

松平不昧公の裂手鑑はたぶん過去に見たことがあるので意外性はなかったけど、
松平定信の裂手鑑には驚いた。
寛政の改革で派手なことを禁じたのに、なんで?
と思ったら、コレクションもかなり地味だったし、保存状態もよくなくて。
「そんなに熱心に集めたわけじゃないし、大事にする意欲も薄かったのでは?」

近衛家の名物裂手鑑は公家らしい雅な趣き。

あと、家の名前は忘れたけど、装束関係の公家?の手鑑は「おぉ!」と思った。
大柄の模様の裂地が貼ってあるのだけど、「『光る君へ』の世界だぁ」。
いやいや、大河ドラマのスタッフがこういうものを参考にして衣装を再現したのだろう。
だから、本当に平安時代に雅な方々が来ていた十二単の柄なんだなぁと感動。

あと、茶入と茶碗の仕覆。

静嘉堂文庫の曜変天目茶碗の仕覆が2つ。(茶碗そのものは来てない)
あちらの美術館では天目茶碗のみの展示が多いから
逆に仕覆のみとはいえ、仕覆が拝見できたのはうれしかった。

茶入は展示ケースが低いので、屈むというよはしゃがんでみた。
宗悟茄子茶入に本能寺文琳、小さい吹上文琳。
いずれも複数の仕覆を伴っている。
この仕覆も仕立てられた時代はまちまちなんだろうなぁ。
中にはボロボロの使用に耐えられないものもあったなぁ。

伯庵茶碗と仕覆も久しぶり。

奥まで行って。「ん?」
違和感。肩衝茶入の「松屋」。
え? え? 唐物のおデブな「松屋」ちゃんって、松屋肩衝だよね。
あれ? 松屋肩衝って、ゴドビだっけ? なんか気持ち悪いんですけど。

と、展示説明に顔を近づける。
「根津美術館蔵」とあるのを確認して、ホッとした。
だよねぇ。へぇ。貸してもらったんだぁ。
さっき、静嘉堂の仕覆もあったから、借り物もかき集めてるよねぇ。

そういえば、ゴトビの展覧会は自前(所蔵品)で構成されるけど、
秋だけは特別展で他館から借りて豪華に並べ、チケットも高い設定だったなぁ。
と思い出す。

瀬戸肩衝茶入「月迫」に瀬戸瓢形茶入「春慶瓢箪」も懐かしい~
瀬戸丸壺茶入「相坂」も出ているのかぁなんて思っていたら、
「相坂」は根津美術館の所蔵品だったのを後から目録見て気がついた。
そうでしたワ。すっかり騙された。

裂地の種類がちゃんと判別できなかったのが残念。
ところどころ、富田金襴や望月間道の文様はわかったけど。
暗かったので見えづらかったのと、裂手鑑の貼ってあるのは小さくて。

江戸時代の大名や公家の方々はこういう手鑑を眺めて教養として覚え、
茶席で招かれた時にその価値や味わいを理解したんだろうなぁ。

茶道具を収蔵する箱を包む更紗も素敵だった。

佐竹本の三十六歌仙、清原元輔像の掛物との再会も感慨深い。

などなど思いつつ、第2展示室へ。

こちらは鴻池家伝来の名物裂収納箪笥が2つ(個人蔵)
保存状態が微妙だけど、商家のコレクションもすごいな。

黒綸子地の遠州模様小袖は豪華だなぁ。トーハク所蔵品。

ほか、個人蔵の更紗がすごかった。

訪問したのは会期終了間際の土曜日の午前中。
相変わらず、高齢者世代が多かった。

五島美術館のバックナンバーリストはコチラ

 

 

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久しぶりの畠山!

2024年11月17日 22時29分06秒 | 美術館・博物館etc.
2024秋季展『―與衆愛玩―供に楽しむ』 荏原畠山美術館 ※12月8日(日)まで
やっと来ることができた。
5年ぶりの畠山記念館。
いや、リニューアルして「荏原 畠山美術館」。
 やっと門が開いた!
懐かしいアプローチ。
やや、見たことがない池が。
お庭も微妙にリニューアル。
くいっと曲がって建物に向かう石橋は以前の通り。懐かしい。
一見、「どこがリニューアル?」と思ったけど、入口が根本的に違っていた。
下駄箱がなく、靴のまま中へ。
入館料は1,500円也。以前は800円だったような。(←2000年代、休館直前は1,000円くらいだったやも~)
年月を経て、かつ昨今の物価高の影響とはいえ“ほぼ”倍増かよ~と思いつつ、スマホ決済で支払い説明を受け展示室へ。
あの階段、履いていたスリッパが脱げそうになって(特に足袋の時とか)難儀したなぁ。
靴で昇れるのはウレシイ。
掛物を展示も畳に上がるため、以前はスリッパを脱がねばならなかったが、それもなし。
もっとも、畳に正座して見上げることからくるリアルな感覚が味わえなくなったのは残念。
少しでも再現できるよう、屈んで拝見した。
仁清の富士山の3香炉も懐かしかった。
そして茶室はもう入室できないだろうなぁと思ったら、4人までならOKとのこと。
さすがに靴は脱がねばならなかったが、喜んで脱いで中へ。
と、暗い。プレートさえよく見えないと顔を近づけようとして床の間に頭が入ったところ#ピコリ~ン
警戒ブザーを鳴らしてしまった。(結局、掛物がよく見えなかった)
奥の独立ケース3つ、伊賀の花入「からたち」、懐石道具、割高台の茶碗、茶入「吸江」、風炉釜ほかの順番で拝見。
まるで茶事をなぞっているみたい。
利休ゆかりの長次郎の赤楽「早船」が他の道具の合間に何気なく展示されているのが、ちょいビックリ。
奥の掛物は印象薄かったのか、あんまし覚えてない。後で目録を見直して「あぁ。」と思う程度。
約5年半旧館していたとはいえ、何十回レベルで来て、じっくり見て鑑賞記を書いたから、道具の記憶はしっかりある。
10月から11月初旬にかけて、なんとなーく用事が入って訪れそびえていたら前期が終わってしまった。
見逃したものもあるんだろうなぁと目録を見たら、惜しい!と感じたのは国宝の煙寺晩鐘図(伝・牧谿)くらい。
茶道具に関してはむしろ後期に訪れたのが正解だったかもしれない。
さて、いよいよリニューアルされたエリアへ。
 渡り廊下を通って新館へ。
真新しい、木目のドア。
贅沢な吹き抜けで休憩エリアもあるらしい。
展示室2は畠山即翁さんが愛した能楽の世界。
でも、嫌いじゃないけどお能は若い頃に数回観に行った程度なんだよねぇ。
昭和36年に80歳くらいだった即翁さんが演じた鞍馬の天狗(白狐?)の舞台映像はつい最初から最後まで視てしまったけど。
さらに地階に折りて展示室3に入ったら、洋画の展示。全く知らない作家さん。
興味なしでさーっと見て出てしまった。
展示室は映像が興味深し。
昭和39年に畠山記念館が開館した時の模様。
皇族の、あれは高松宮様?ご夫妻もご列席になられたようで。
講演会を聴きに何度か入室したことがある多目的の大部屋で即翁さんが挨拶されていた。
続いてパーティーの映像。
「あ、般若苑だ」と思わず声に出してしまった。
一度だけお茶会で訪れた般若苑の懐かしい風景と世界が広がっていた。
たしか、江戸時代は薩摩藩の島津重豪公の隠居所だった場所。
即翁さん(畠山一清氏)の居所となり、いろんなものを移築してきて、戦後は石橋湛山蔵相の公邸になった後、売りに出されて
料亭「般若苑」になった。
三島由紀夫の小説のモデルにもなったとか。
料亭は2005年に閉店し、建物は跡形もなく解体され、現在は謎の豪邸が建っている。
映像には即翁さんと松永耳庵の2ショット。
昭和39年かぁ。お二人ともまだ矍鑠している。その後、どちらも昭和46年に故人となったわけだけど。
佐藤栄作氏もいたっけなぁ。
私ってば貴重な場所を訪れることが出来たのねぇ、と改めて感心した。
※懐かしすぎて当時の写真データを発掘した。
 
 
 訪れたのは2004年5月。
どういう経緯で茶券を入手したのかは全く覚えてない。
学生時代の2つ下の後輩が表千家の茶道をやっているので、「これなら流派違っても一緒に行けるよ」と声かけたら、
本人は用事があって来られないけど、代わりに双子の妹とその友人を~とお願いされて、なぜか3人で回ることに。
会場では同じ青年部の方たちとも遭遇して、その為か青年部フォルダーに入っていて見つけるのに戸惑った。
いやはや、「お金で買えない価値がある」とはいうけれど、本当に貴重な経験だった。
そんな思い出にひたりつつ、休憩。
 そうそう新館2階から茶室群が見下ろせた。
休館に戻ってくるドアが開いたら、左側にババーンとミュージアムショップがあってまたびっくり。
あの講堂(講演会を聴いた部屋)の辺りはこうなったのか。
多目的ホールは新館に新設された由。
売られている商品は総じてお高めで、「からたち」クリアファイル550円也を購入。
「旧版ですけど」と絵葉書10枚セットがもれなくついてきた。
もしやと帰宅後に確認したら、やはり酒井抱一の十二か月花鳥図だった。
10枚。惜しい!ここは12枚にすべきでしょう。そしたら、「粋な計らいね」と感心したのに。
(ちなみに落とされた3月と8月だった)
 
外に出て、奥の茶室群を外から眺めて庭園の飛び石を歩いて、手前の茶室群も外から眺めた。
 新館がどーん。茶室はすっかり秋の風情。あ、もう初冬か。
館内、予想に反して人が少なかった。拍子抜けするくらい。
訪問したのは昨日=11月16日(土)。
少なくとも、今日=11月17日は即翁さんの御命日で茶室「明月軒」と厨子も特別公開もあったから混雑していたかも。
そういえば、2019年2月に訪れた際に「なんでこう、次から次へと人が来ているんだろう。イベントがあるわけでもないのに」と感想を書いていた。
私自身は休館に入ってからサイトでそれを知ったので、その時は気づいていなかったのだけど、あれは休館を知った人たちだったのねぇ。
と今さらながら気がついた。
それにしても、コロナの時代をまるっとリニューアルに充てた荏原製作所?はラッキーだった?
外に出て坂を下りてみた。
 雰囲気はのこっているけど、その先の建物はない。
茶室へ至る出入口のところにあった木造家屋の2階の縁台前でお弁当食べたっけ。(←大寄せ茶会の際に)
あれも懐かしい思い出。さすがにあの家屋はもうない。
 2022年12月に訪れた際、建設中の建物に絶句したっけ。→こちら
記念館から美術館になったけど、新しくなったところは見ないから800円で茶道具だけ鑑賞させておくれ~と言いたい気分。
★荏原畠山美術館(旧畠山記念館)のバックナンバーリストはこちら
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金沢文庫

2024年09月20日 06時21分06秒 | 美術館・博物館etc.

9月半ばなのに猛暑日って。

先週、2週続く三連休の最初の方の初日、汗かきかき横浜の神奈川県立金沢文庫へ。

 

特別展『茶の湯以前―中世鎌倉の「茶」―』
何年かに1度、ここでは中世の茶を紹介する展覧会がかかる。

私が知る限りでも、2005年の『金沢貞顕』展、2010年の『武家の都 鎌倉の茶』がかかった。

他にも神奈川県立博物館や京都の茶道資料館でも同じテーマの展覧会がかかったことがあって鑑賞した。

まぁ、過去に見たことあるんだろうと思いつつ、改めて鑑賞。

やはり、金沢貞顕の文書が多い。
ご本人の趣向という面もあっただろうけど、儀式や上司である将軍のために調達するといった理由もあったようで。

天目茶碗の破片。
ふだん鑑賞するのは圧倒的に完全な形なので、破片をみることによって陶器の厚みを確認できたのもよかった。
昔、流派の研究会で「釜から注ぐお湯は熱いので、茶碗を温める際は手が熱いだろうけど、本来の天目茶碗は厚いから熱くて回しにくいことはない」と聞いた。
稽古に使う天目茶碗(=稽古用)はどう見ても薄いので、熱伝導率が高くて両手で持って温める際に手が暑くてヤケドしそうになったけど、
確かに、これくらい厚みがあればそういうことはなさそうだ。
とか、考えた。

で、また勉強し直したくなって、図録を購入。
過去に買った2冊、それに2008年に茶道資料館の展覧会で買った図録と合わせて復習したいなぁ。
(帰宅してから図録の山から“発掘”した)

そんなことを思いながら、称名寺側に出てさらに東へ歩く。

 以前も訪れたことがあるカフェ金澤園へ。

 季節のタルトセットをいただく。

 お部屋の造りがすばらしい。

 

まだ人もいなくて、まったり堪能~ 休日気分を満喫した。

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久しぶりに東洋陶磁美術館

2024年08月07日 06時01分47秒 | 美術館・博物館etc.

長らく休館していた大阪市立東洋陶磁美術館がリニューアルオープンしたということで
久しぶりに訪れた。

現在開催中なのはリニューアルオープン記念特別展『シン・東洋陶磁―MOCOコレクション』。
9月29日(日)まで。

正直なところ、入口の位置が少し変わったのと、入場料が1,600円に値上がりした!
ということくらいしか印象に残らない。

内部は確かにビミョーに新しくなったけど。

あと、国宝の油滴天目茶碗の展示が非常に気合入ってったな。

 ん?なんだこりゃ。

手をかざすと→

別室に実物が。

そういえば、これが天目台に載った姿を見たことない。
てか、天目台を見たことすらないかも~と思ったら、写真パネルがあった。

 へぇ。3つもあるのか。

天目台も拝見したいなぁ。

と思いつつ次のお部屋へ。
そこから先は朝鮮陶磁がひたすらに。
あぁ、そうかココは朝鮮青磁のコレクションが強いところだったワ。

と改めて思い出す。
もちろん中国陶磁も充実している。

昨年、東京の泉屋博古館で鑑賞した唐のヴィーナス」こと「加彩 婦女俑」が回転台に載って
360度の姿をじっくり鑑賞できたのがよかった。
これ、内側は空洞なのよねぇ。と写真パネルを見て思う。博多人形と同じ構造だな。

猛暑の中、堂島川が眺められる休憩スポットで「外に出るの、いやだなぁ」と思いながら
しばらくボーっとできたのが一番よかった。

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神仏と茶の湯

2024年08月05日 06時15分11秒 | 美術館・博物館etc.

夏季展『神仏と茶の湯 -茶席に見られる墨蹟・仏画と茶道具-』 ※8月4日(日)まで 湯木美術館

筆記用具を持参しなかったので、ほんとに“なんとな~く”鑑賞。

思えば、茶道は仏教(禅宗)との繋がりが強いし、信仰と関わりのある道具は多くなるなぁ。
と改めて思った。

幕末のお公家さん(有栖川宮熾仁親王の一行もの『今宮太神宮』)や住吉蒔絵平棗、
黒楽茶碗の銘が「大黒」、茶杓の銘が「神わざ」。

金輪寺茶器、確かにお寺由来だぁ。
仁清の刷毛目天目茶碗。あ、大徳寺の三玄院に納めたんだっけ。
暦文茶碗も信仰といえば、そうか。

青銅の経筒花入。ま、見立てですが。
根来茶器。たしかに根来寺の僧侶たちが使っていたものですね。

掛物のケースはすべて仏教や神道系。

蓮形水指、野々宮釜~後半も宗教関係でちょっとしんどさも感じつつ、鑑賞。

夏場は会期も短いし、お盆の時期でもあるしね。
まぁ、こういう展示もいいかな。

今年の秋季はたぶん行けないなぁ。

ま、今年は仕方ない。

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道長さんに会いに~藤田美術館

2024年07月31日 06時07分17秒 | 美術館・博物館etc.

半年ぶりに藤田美術館へ。

ちょうど天神祭メインイベント、船渡御と花火の25日。その午後3時ごろに訪れた。
大阪城北詰駅で気が付いた。「花火見物の最寄り駅だ!」

時間待ちで美術館が混んでいたら嫌だなぁ~と思ったけど、着いてみるとさほどの混雑はない。
早朝から電車を乗り継いでの旅だったから、やはり一息つきたい。

と、あみじま茶屋へ。

 

旧館の蔵の柱なのかなぁ。ベンチに生まれ変わってよかったね。
と思いながら一服。

それから展示室へ。

今回のお目当ては紫式部絵詞。
ちょうど藤原道長が描かれた場面が展示されている。
教科書にも掲載されている「藤原道長」。何度か拝見したが、久しぶりにまた鑑賞したかったから。

他にも三十六歌仙図屏風も展示されていた。小ぶりの屏風で描かれている人物像が見えづらい。
5年前に京都で鑑賞した佐竹本の三十六歌仙展で買った図録を今こそじっくり読みた~いっ!!と思った。

他では思いがけず国宝の曜変天目が展示されてあった。
こちらももう何度も拝見している。東京、奈良へ出張された際も追っかけ(?)で観に行った。

リニューアルされてからは初めてだっけ?
暗い室内で放つ静かな光がやはり素敵。

他、茶道具も出ていたけど、今回は特に印象に残らず。
かつては睨みつけるように鑑賞していたけど、今は形とかサラッと見る。

気分によってはこの茶道具たちが茶席で使われている様(さま)を想像してみたり。
今はそんな鑑賞でいっかな。

以前は1年のうち春と秋に各3カ月間の会期で開いていたので、年2度訪れるペースだった。
今は通年開館している代わりに3カ月で展示が一巡するペースになっている。

だけど年4回訪れるのはキツイな。ペース的にもお財布的にも。

 またそのうちに。

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尾張徳川家の至宝

2024年07月14日 07時54分52秒 | 美術館・博物館etc.

『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』 サントリー美術館
※9月1日(日)まで

サントリー美術館の前回の展覧会(コレクション展 名品ときたま銘品)ちょもGWの前半に鑑賞していたんだけど、
感想記を書きそびれてしまった~

春先に美術館から通知が届かなくて「期限に間に合わないなら会員やめます!」となりそうだったメンバーズ。
速達で届けてもらってギリギリで6,000円で継続手続きができた。
(現在は年会費7,000円。最初は5,000円だったのにぃ)

なので、開催される展覧会は全部行くぞ!という気持ちが強い。
強すぎて、何の出し物かを確認もせずに(つまり、予習もせずに)行っちゃう。
だから、頭の整理ができなくて、結果として感想が書けない~という感じ。

実は今回もほぼそんな感じ。
事前に届いた案内メールで「連休中に行こう」と思った。
が、東京ミッドタウンの前まで来て「はて。今回は何の展覧会だっけ」

入口まで来て、並んでいたら係員の方が「今回は展示品も空間も撮影不可です」と案内している。
へぇ。珍しいなぁ。

入場の際に看板?見て、ようやく「そうだ。尾張徳川家だったワ」と。

こんなんで、真面目に鑑賞できるのか!
はなはだ心もとないところだが、名古屋の徳川美術館へは3度訪れているし、
11年前に江戸博で開催された(なぜか)同名の展覧会も訪れているからね。→こちら

とはいうものの、主に茶道具ばかり鑑賞してきたので、
最初の肖像画や刀剣の展示に「ん? 見慣れた感がないなぁ」(当たり前)

それを引きずって、茶道具のコーナーに入っても「茶壺『金花』? 知らん~」
花入「杵のをれ」や香炉「千鳥」が出てきて、ホッとした。

でも、茶道具類であっても結構忘れちゃってるな~。反省。

さすが格式の高い御三家だけあって、香道具が充実。
歴代の奥方様が嫁入り道具として持参したものだと思われるが、
意外と奥方様の実家の説明書きがないんだよねぇ。

打ち掛けや能装束など衣装の質と技術の高さもすごくて、
こういうものも今まで鑑賞してこなかったから新鮮な印象。

系図をみても江戸後期に入ると初代の義直の血筋は途絶えちゃって、
将軍家(吉宗以降だから紀伊徳川家)や御三卿から養子を迎えて存続していた。
ってのも、意外だなーと思っちゃった。

最後に源氏物語絵巻。
説明書きをみて、平安時代~紫式部の時代から1世紀下った院政期の作と知る。
たしか、名古屋でも1度は鑑賞したし、五島美術館では何度も鑑賞してきたが、
絵巻そのもの成立時期なんて考えたことがなかった。
改めて貴重さを思い知る。

って、1枚だけ? たしか他にもあるでしょーと思って展示リストをみたら
4回に分けて展示替え~
全部見たけりゃ、あと3回来いってことかぁ。

メンバーズに入ってよかったぁ。(って、行けるかな?)

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炭道具

2024年03月27日 06時42分40秒 | 美術館・博物館etc.

『炭道具』 茶道資料館 ※3月31日(日)まで

久しぶりに茶道資料館を訪れた。
だって、炭道具の展覧会だったから。

私にとって炭手前は憧れ。
自宅を稽古場に茶道を習い始めた私。
電熱器(電熱炭)を使っていたので、炭を用いることからして「本格的」。

その後、上京して改めて習う時になって稽古場を決めるポイントは「炭」。
その願いが叶えられた時は嬉しかったなぁ。(大炉はなかったけれど)

今日庵で長年使われてきたもの、保存してきたと思われる炭道具の数々はとても見応えがあった。

羽箒は鳥類の資料としても貴重なのだろうなぁ。
珍しく美しい羽箒の中には鑑賞としての用途のものもあったみたい。
(そりゃ、使えないよねぇ)

そして、一番興味を引いたのは炉中の炭が燃える映像。

お茶事の初炭→懐石→中入→後入→濃茶に至る過程で炭に火がどうついていくかを
炉の真上から撮影したものを5倍速で流している5分間の映像。

面白かった~。
懐石の時は煮えがつかなくて、ハラハラしたけれど、濃茶の時は枝炭が燃え尽きるくらいに轟轟。

なるほど~

という感想をその夜宿泊したゲストハウスの御主人(お茶人さん)に話したところ、
「実際には上に茶釜がのっているわけで、そうするともっと空気の対流があるから、炭が燃える速度も速くなるのでは」

あ、なるほど~

炭って、本当に面白い。

私はお点前よりお手前の方が好きかもなぁ、と自覚した。

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織田有楽斎展

2024年03月26日 06時40分40秒 | 美術館・博物館etc.

『大名茶人 織田有楽斎』 サントリー美術館 ※3/24会期終了

京都で観た展覧会だけど、サントリー美術館の会員になっているから、
結局2回(前後期)観た。

ラインナップは同じだと思うけど、印象として有楽斎像と茶友との消息が印象に残ったかな。

最初が「逃げた男」。
京都でも観たけど、改めて本能寺の変で(当時の)二条城から脱出した経緯に思いが至った。

客層が若い男性が多かったような。
『へうげもの』ファンかなぁ。

前期で明月椀がなかったので物足りなさを感じていたのだけど、後期で回収できてよかった。
マスプロ美術館所蔵の青磁の鎹茶碗が前後期ともに鑑賞できたのは嬉しかった。

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朝鮮陶磁と奥高麗茶碗

2024年03月24日 17時15分32秒 | 美術館・博物館etc.

『魅惑の朝鮮陶磁/謎解き奥高麗茶碗』 根津美術館 ※3月26日(火)まで

先週、久しぶりに根津美術館を訪れた。

最近は茶道具展にこまめに足を運ぶ情熱もなくって。
でも、朝鮮陶磁はともかく井戸茶碗や伊羅保といった高麗ものは観たいなと思った。

正直なところ、大陸の「朝鮮」ものはあまり興味がない。
だけど、和館窯はなんとなく好き。

御本立鶴、茂三、玄悦は趣きがあってよいなぁ。
紅葉半使や呉器もね。

根津美術館といったら、青井戸茶碗「柴田」。久しぶりに再見できて嬉しかった。
(私の中の「井戸の茶碗」(落語)に出てくるのは柴田井戸のイメージなんだよねぇ)

珍しいところで、遺跡から出土した陶片展示があったのがよかった。

奥高麗高麗茶碗は唐津だ~と思って、ざざっと見たので、これ!という印象は残らず。

あと、第六展示室の茶の湯。
「春の茶の湯」と題して釣り釜とその取り合わせ。

1階の企画展示とリンクして、こちらでも三島、高取、玄悦写といったお道具が出ていた。

「送別偈」の掛物がいかにも3月の時期にぴったりだなぁと思った。

渋い日本文化ということか、外国人観光客が少なくてホッとした。

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和食展

2024年02月25日 21時54分45秒 | 美術館・博物館etc.

特別展『和食』 ※国立科学博物館 サイト

もともとは2020年に開催されるはずだった。
当時、すごーく楽しみにしていたんだけど、コロナ禍の影響で中止になってしまい、とても残念だった。
3年半の時を経て開催されるとは!

すごく嬉しくて、前売り券まで買ったのに、なぜかなかなか訪れる機会がなくて。

書きそびれていたけど、2月前半の3連休の折りにトーハクの光悦展とセットで行ってきた。
「光悦の方が混むだろう」と先にトーハクに行ってしまったのは判断ミスだったかも。

肩透かしのように空いていた光悦展をゆっくり鑑賞した後、科博に行ってビックリ。
というか、改めて「和食」というのは老若男女と問わず、日本人に如何に馴染み深い存在だったということに改めて気づかされた。

会場内、子供連れのファミリー、おばあちゃんと一緒の中年以上の家族連れ、
女性同士のお友だち2人連れ、それとお見合い中?というか付き合い初めて間もないと思われる敬語で会話するカップル。

そっか、お見合いデートに和食展って、いっかも。
会話の中から相手の育った環境や嗜好などが伺えて、いろいろと考察できそ~。

なんて、目の前の展示物も興味深かったけれど、周囲から聞こえてくる会話の内容も興味深かった。

展覧会は「やっぱ、ここは科学博物館だぁ。和食は科学だぁ」と第1章、第2章では思った。

日本国内価値の水の成分表に始まり、様々な茸の種類、野菜の原産地、山菜の種類、
大根の種類のサンプルにはおったまげた。

そして、原寸大の魚類模型が天井からぶら下がっていたり、海藻に発酵物に~。

人が多いし、暗い会場内に解説文を読みながら鑑賞するのはもう無理っ!
これは図録を買わなくちゃと早々に決意。

出汁まで進んで、次は食の歴史。
ようやく「和食は文化でもある」と安心した。

各時代ごとの食卓のサンプル展示もよかった。

奈良時代の長屋王の食滞を再現したもの。
たぶん、あれは30年前に当時の奈良そごう(=長屋王の邸宅跡)で観た「長屋王展」に展示されていたものだ。
当時すごく感動した。そして「このサンプル、展覧会が終わった後はどうなるのだろうか」と思った。

奈文研がちゃんと保管してたんだね。(そりゃそーだ)
長屋王展の図録、たしか神戸から持ち出してきているはずだから捜索しなくちゃ。

江戸時代の屋台を再現したものも面白かった。

 

現代の和食、未来の和食? そしてこれからの和食。
そうそう全国のお雑煮紹介も楽しかった。
そして、最後に鰻の稚魚、つまりシラスウナギの展示があった。

 テレビで視たことがあるけど、実物は初めて見た!

混雑していたので、じっくり鑑賞できなかったけど図録も買ったし、
今年から来年秋にかけて日本各地を巡回するので、地方に観に行こうと思う。

最後にちょっと意外に思ったけど、よくよく考えればそうかなぁと思ったこと。

光悦展も和食展も日本人ばっかりだった!
外国人観光客は見当たらなかった。
(逆にトーハクの本館←常設展エリア~は外国人観光客がかなり多かった)

光悦もメジャーといっても日本国内で世界的に~ってほどじゃないし、
文書類は日本人にだって読めないのに、外国人には理解しがたいものだしね。

和食だって、世界遺産になったけど、やはり外国人はまず食べることの方が興味の対象であって
科学的、歴史的に理解しようとなんて、よほどのリピーターじゃない限り思わないだろう。

でも、日本人ばかりの展覧会ってのは「良かった~」って感じた。

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本阿弥光悦の大宇宙

2024年02月18日 20時49分49秒 | 美術館・博物館etc.

特別展『本阿弥光悦の大宇宙』
★東京国立博物館 ※3月10日(日)まで サイト

先週の3連休初日に行ってきた。
9:20に入り口に着いたら、そこそこの行列で。
「押し合いへし合いの中で光悦を鑑賞するのかぁ」とゲンナリしていたら、
行列の多くは本館の中尊寺金色堂展の方だったようで、
平成館の方はさほどではなく、ゆっくり鑑賞できた。

トップバッターの国宝の舟橋蒔絵硯箱。
トーハク所蔵だし、蓋が盛り上がった硯箱は他でも観たことあるので、物珍しいというより懐かしい。

続いては、本阿弥家の本業である刀や刀にまつわる文書。
続いて、光悦の書。謡曲の台本。
重文の鶴下絵三十六歌仙和歌巻。
俵屋宗達が描いた鶴の動きがステキな蒔絵が全巻長~く展示されているのは圧巻。
見応えあった。

歌そのものはほとんど読めないんだけど、
「柿本人丸」とか「紀貫之」「紀友則」「伊勢」「壬生忠峯」といった歌人名は読めたのが嬉しかった。
光悦の筆跡って、「きれい」というよりは抑揚がある感じがいい。
晩年は卒中を患って手が震えていたらしく、そんな中で書いたものもあった。
確かに、そういわれて見ると震えた感じに見える。でも、美しい。

そして、茶碗。
森川如春庵が所持した黒楽「時雨」と赤楽「乙御前」がそろい踏みしたのは久しぶりじゃないかなぁ。これも懐かしい。
加賀光悦まで展示されていて、感動。

参考?で長次郎の「無一物」や道入の「鵺」まであった。

やっぱり、光悦そのものを理解するのって、難しい。
以前、五島美術館で鑑賞した光悦展を思い出した。

今回は図録を買わなかったけど、五島の光悦展図録は買ったので、今度捜して読みたいな。

迷ったのは光悦グッズ。

鶴絵巻物のマスキングテープがよかったんだけど、
実際に買って貼るのは無理なので、諦めた。
代わりにチケットフォルダー買って、会場を後にした。

トーハクのバックナンバーリストはこちら

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春の茶道具取合せ

2024年01月28日 20時26分43秒 | 美術館・博物館etc.

★湯木美術館 サイト 
 早春展『春の茶道具取合せ』 *3月24日(日)まで

実は展覧会2日目に訪れたのだが、ほったらかしにしてしまった。

久しぶりに与次郎作の「公用」文字入り茶釜を拝見。今回は回転していないのが残念。
古染付山水図はその直前に藤田美術館の展示解説で「山水図をどう鑑賞するか」について教えてもらったので、さっそく実践?

原羊遊斎策の菊蒔絵大棗。これも嬉しい。30個あるけど、私は幾つ拝見しただろう。今度、数えてみよう。
一入作の黒楽茶碗「曙」。赤黒い黒。これが一入だよなぁ。

重文の唐物茶入「紹鴎(みほつくし)茄子」。有名なんだよなぁ。これ。

ちょっと飛ばして掛物。
不昧公の書状「しるこの文」。狩野惟信に宛てたもの。「雪が積もったので、例にしるこを用意しましたから、おいでませ」。
こういう身分にこだわらないフレンドリーな手紙を書くところがいいなぁ。

表千家の啐啄斎宗左の「万歳々々万々歳」。
備前焼の耳付水指「キカ猿」。了入作の蓋添っている。ぴったり。さすが。

長次郎作の赤楽茶碗「再来」。
茶杓「ツリ夷」。 碌々斎宗左作。今宮戎の福笹で作ったもの、らしい。

あと、吉田屋窯の九谷焼花文盃。小さかったけどね、「吉田屋だぁ」ととても懐かしく思った。

湯木美術館は大抵が空いている時に行くんだけどね、今回は日曜日の午後だったしね。
60代~70代のご婦人3人が大きな声で感想を言い合いながらいつまでもケースの前で立ち続けていて
なんか、落ち着かなくて。

やっぱ、平日とか休日だったら開館直後など穴場の時間帯をねらわないとなぁ。

※湯木美術館のバンクナンバーリストはこちら

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久しぶりに藤田美術館

2024年01月22日 22時45分10秒 | 美術館・博物館etc.

今月前半、「成人の日」に伴う3連休に大阪へ行った。

ところが予定した所用がものの見事に空振り。
ポコッと空いた時間をどうするか。
あ、京阪沿線にいる。じゃ、京橋へ行こう。

京阪京橋駅からの道のりはかなり久しぶり。
でも、なんとなく足がルートを覚えていた。

一昨年にリニューアルオープンしてから藤田美術館を訪れるのは2度目。
前回は再開直後ということもあり、ただただ人が多くて。落ち着かなくて。
展示室が暗くで鑑賞しづらくて。
「しばらくココはいっかな~」と足が遠のいていた。

が、2年経って落ち着いたのか、はたまた真冬の連休中日(なかび)の午前中で
人の出足が遅かったのか。

要するに空いていた。

ラッキー。
ちょうど小腹も空いていたので、美術館に入るより茶屋で一服を優先。

目の前で釜からお湯を淹れて点ててくれるのがウレシイ。

薄茶とお団子で一休み。

ちょっと前だったら「500円! 高っ!」と感じるところだけど、
物価高となった今となれば「ワンコイン(スマホ決済だけど)でいただけるなんて、良心的だわ」
と思ってしまう。

そうしてゆったりした気分でキャッシュレス決済で美術館へ。
以前は800円だった入館料が1,000円上がってしまったことも財布から現金を出すやりとりがないせいか、サラッと値上げ感をスルーされてしまうことがちと悔しい。

入館して展示解説ツアーが始まった。

以前と同じで、学芸員おすすめの展示物に絞っての解説。
館内は3つのコーナーに分かれているので各コーナーから1つずつ選んでとても詳しく、そして楽しく説明してくだった。

「妖」(1/31まで)からは『綱島船遊画巻』。
綱島、つまり現在の藤田美術館が建っているあたり。
引いては藤田家の邸宅があった場所。

岡田半江という江戸時代後期を生きた人(趣味人?)で
お友だち数人と大川で楽しく舟遊びをした様子を描いている。
(それが綱島あたりだった~ということかしら)

寄せ書きのように名前が書き連ね合ったり。いいねぇ。

「竹」(3/31まで)からは尾形乾山作の銹絵絵替角皿枚のうちの竹を描いた2点。
10枚中、なぜか竹だけが3点も描かれているのだとか。

「山」(2/29まで)からは竹鶴蒔絵茶箱。
なぜ「山」なのかというと、茶杓の銘が「富士の根雪」だからだそうで。
銘名の由来は不明とのこと。
こういった「茶箱」は実際に使用するという用途本位ではなくて
あくまで取り合わせを工夫する愉しみ!なのだそうな。
自らの膨大のコレクションの中から選び抜いて、うまくハマった時の嬉しさといったら。
夜な夜な、箱から道具を出して悦に浸って、時々はお友だちと見せ合いこして。
なんか、オタクっぽい感じで数寄人たちは楽しんでいたみたい。

なるほど、実際にあれを用いて屋外でお茶を点てたりしないんだぁ。
そんな大事なお道具、なまじお点前なんかして壊したりしたら、えらいことだもんね。

なんか妙に得心したというか、胸のつかえがストンと落ちた気分。

帰ったら、三井記念美術館で購入した茶箱展の図録を見直したい!
実用ではなく、取り合わせの妙の観点から眺め直したら全く違った印象を持ちそう~
と思った。
(まだ、図録見直してないけど。忘れないためにそう思ったことを記録しておく)

展示目録はない。
でも、スマホのサイトをQRコードからアクセスしたら、展示一覧と各展示の解説は読める。
(私はさらにブックマークして、後日読み返している)

30分の予定だった展示解説は学芸員さんがノリノリでいろんなことをお話し下さり、大幅にオーバー。
でも、楽しかったし、勉強になった。

展示解説の後、残りの展示物も鑑賞した。

藤田美術館へは20回訪れたし、休館中に余所へ出張した展覧会も観に行った。

だから、たぶん最低でも1度は拝見したものだと思う。
なので、一つ一つの展示品にはこだわらない。
とりあえず拝見して、気に入ったものだけどじっくりと鑑賞する。

今回は二重切竹花入『よなが』を観て「懐かしいなぁ」と思った。

昔、よく買った冊子はもうないのかしらと思ったら、こちらは健在。

やっぱり値上げしている! 買わなかった。
代わりにブックマークしたサイトの展示解説を暇なときにチビチビ閲覧している。

展示室を出たらそろそろ正午前。
館内も人が混み始めた~。ような。

ここまでは外国人観光客は来ないかなぁ。
と思いつつ、ふと顔を上げて「あれ?」

太閤園が影も形もない。
藤田観光が3年前に売却したそうな。

そして、今は更地~

時代の流れを感じるわ~

★藤田美術館のバックナンバーリストはこちら

 

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タノシイチャノユ

2023年12月29日 11時33分58秒 | 美術館・博物館etc.

★逸翁美術館 サイト
 『楽しい茶の湯 タノシイチャノユ』 ※会期終了

12月17日(日)まで開催していた展覧会。
その最終日に駆け込みで行ってきた。
(最終日だというのに、館内結構な賑わいで。逸翁美術館が池田市内もしくは大阪府、近畿全域に存在が浸透している表れかなぁと思った)

この秋の(特定の)美術館相互割引キャンペーンがあるということで
10月に訪れた中之島香雪美術館の半券を持参、200円引きの500円で鑑賞。

訪れてよかった。

第一章「珍奇な姿が楽しい」では瀬戸塁座茶入『紅葉』をはじめてとする“ちょっと変わった形”の道具を鑑賞。
不昧公作の竹筒花入なんてS字カーブ。
光悦好の竹垣文釜。感想メモに「おもしろい」としか書いてない。
清水六兵衛(六和)作の雪達磨手焙も。実際に茶席にあったら、おもわず笑ってしまいそう。

第二章「見立ての趣向が楽しい」では改めて小林一三さんのセンスに感服。
フランスのワインクーラーを水指に見立てるくらいはもう当たり前。

もとは何だったろうを思うくらいのアメリカ製の瑠璃色光沢の容器は「尻張茶入」と言われれば、もうそれにしか見えない。

アルミ素材で自在に整形する技術がまだ珍しかった頃に作られたアルミ製水指「日の出」
ビーズ繋のナプキンリング蓋置。
一三氏お見立てのナプキンリング蓋置は以前も観た記憶があるけど、ビーズ製は初めてかも。
(以前は南鐐みたいな金属製だったので納得できたけど、ビーズで釜蓋の熱に耐えられるの?)

インドネシアで見つけたらしい(←時代背景が見えそう)水汲み籠花入。
バナナの葉っぱのような幅広の葉を複数重ねて作った買い物バックのような籠。
たぶん、水は漏らないから「水汲み籠」なのだろう。
巨大な籠に竹の落としを入れて茶花を生ければ、それはもう素敵な茶室になるでしょう~
と、想像力を掻き立てられる。

第三章「賑やかがたのしい」
茶道具ではなくて、昭和11年の北野大茶会之図が面白かった。
芦葉会メンバーによる逸翁宛の寄せ書きもよかった。
道具では不昧好の鮟鱇茶器写(4代・小島漆壺斎)や御本金海茶碗。
酒井抱一の椿黒楽茶碗図扇子。大きくてきれいだった。

楽惺入(せいにゅう)作の色替割山椒向付に感動。
楽美術館で慶入作の割山椒向付は観たことある。
黒釉だったか緑釉だったか忘れたけど、とにかく渋い造りだった。
形は同じで、カラフルな明るい割山椒向付。惺入さんらしいなぁ。
以前の逸翁美術館(現・小林一三記念館)の呈茶席で惺入さんの茶碗を拝見したことを思い出す。

たぶん、パトロン的に惺入さんというか楽家を支援し、交流もあったんだろうなぁ。
だから、こういう逸翁テイストなカラフル割山椒向付がココにあるのねぇ。

なんて思った。

時間ないので、かなり端折った感想記。

逸翁美術館はラインからちょっと外れた場所にあるので、なかなか訪れることができないけど、
訪れる時は「ハズレなし!」と期待して、それが裏切られたことがない。

来年も訪問できるといいな。

さて、今年の茶道もこの逸翁美術館が納めとなった。

稽古が11回、茶道具鑑賞が16回。
コロナ明けたのに、相変わらず低迷しているのは、私自身が「そういう気分になれない」から。

先のことはわからないけれど、とりあえず細々とお付き合いしていこうと考えている。

★逸翁美術館のバックナンバーリストはこちら

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