カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

ホテルでの日々

2011-05-20 07:15:46 | 日記

沖縄のホテルに着任して9ヶ月が経ち、多くの沖縄の人々と出会い、沖縄の風土・文化に触れるに従って沖縄の魅力や可能性を感じるようになりました。沖縄は、明らかに本土とは違う歴史を持ち、国際的な地理的環境に恵まれています。日本は、これからこの沖縄と言う素晴らしい資産をどのように活かそうとしているのか・・・政治的な世界からは見えてきません。

観光立県としての沖縄は、まだまだ豊かな独自の資源を持ち合わせています。この豊かな資源は、海ややんばるの森だけではないのでは・・・と思います。この土地で根付いた文化や芸能なども大きな資源だと思います。最初は、「うちなんちゅう」「ないちゃー」と言う言葉は、差別的な言葉かと思っていましたが、今では、沖縄の人々がこの小さな島で生きてきた証のように思えてきました。

ホテルでの仕事は、観光事業の一翼を担っています。本土や外国からのお客様こそが「お客様」と言う感覚がありました。しかし、この土地に暮らすうちに、「お客様」の多くは、沖縄の人々ではないか・・・。もちろん本土や外国からのお客様が大勢沖縄に来てリゾートを楽しんで頂くことは、県経済に大きな豊かさを与えてくれます。しかし、沖縄のホテルが先ず、大切にしなければならないのは、沖縄の人々なのではないか?と考えています。今、カンナリゾートヴィラで、始めたコンサートは、沖縄の人々に改めて、沖縄のホテルの良さを知って頂き、楽しんで頂きたいとの想いからでした。このような仕事をしていると集客と言う言葉が大きな響きと共に重さを感じさせられます。前年対比で今年はどのような事業を行い売り上げをあげるのか・・。集客が減少傾向になるとホテルは、安売り合戦を始めます。これには、どうしてもついて行けない。

本来、ホテルの価値とは、なんだろう?食べ物、家具や生活用品は溢れ、デフレから安値に向う傾向はまだまだ続いています。ホテルは、ぜいたく品?私は、日常から少し離れたところにある別荘のようなものでありたいと思います。友達と一緒に連れ立って出かけて行き、美しい庭園を眺め笑顔のサービスを受けながら一杯のコーヒーを飲む、食事を楽しむ。ちょっとオシャレを楽しむ。会話を楽しむ。なじみのスタッフの顔が見え始めると余計に気軽に楽しめるようになる。

ないちゃーの自分から見える沖縄の魅力や大切な資源を活かした観光事業と言うものを改めて考えてみたいと思います。これから、沖縄のホテル品質の向上には、スタッフのあり方、食事のあり方様など様々の事柄があります。一つひとつ丁寧に創り上げることができたらと願っています。