富士山9合目に久須志神社がありました。
クスについては、「クスビ(クスヒ)」は「奇し霊」(神秘的な神霊)もしくは「奇し火」のことのようでクスを御神名に持つ神様に
『古事記』では熊野久須毘命
『日本書紀』では熊野櫲樟日命
(クマノクスヒ)がいらっしゃいます。
「クマノ」は、出雲の熊野大社のこととも、紀伊の熊野三山のことともされるようで、熊野大社の現在の祭神は「熊野大神櫛御気野命」ですが、元々の祭神はクマノクスビであったとする説があるようです。
熊野三山の一つの熊野那智大社(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)の祭神・熊野夫須美大神は伊弉冉尊のこととされるようですが、これもクマノクスビであるようです。
熊野は「ゆや🟰湯谷」とよばれ、太陽が湯浴みをする扶桑の木があるところでした。扶桑とは中国神話の「東海日出る国に生じる神木」を指し、日本の異称としても使われましたし、日月神事にも、日本は扶桑の国の表記がありました。
富士山の、8合目天拝宮で偶然「扶桑」を目にし、また、久須志神社を9合目にて参拝したことから、霊山である富士山は、熊野や古代出雲と繋がりがあるのかな、と思いしました。
また、蝦夷が住んだとされる東北のさらに奥、アラハバキ信仰や磐座信仰の痕跡が残る青森市内にも、久須志神社が三か所あることがわかりました。青森の石木山は津軽富士とよばれる神奈備山があります。

石木山の頂上や登山道周辺には多くの巨石が見られ、中でも岩木山の北東方向(艮の方向)の大石神社の大石は御神体として信仰されているようです。
久須志という住所も青森にあり、住所を名乗っているのは、富士山からはるか離れた青森市だけのようです。
クスの響きから、古代史好きな私は様々な連想をします。
クス(クズ)から想像💭するものを書いておきます。そして、それらを少しずつ繋いでみたいと思います。
①地名の久須志(富士山、青森)
②九頭竜信仰のクズ
③九重天や扶桑などの中国神話から、地名の久住連山(大分県)、熊野の九重
④太古の民族ら国栖(古代ツチグモ)、葛
⑤神仏習合信仰から薬師、くすり
⑥古代信仰から銅鐸(クスミ)
これらは、バラバラな点のようですが結びついている気がします。