かぐや姫は、竹取物語をもとにして作られています。では、竹取物語はいつ書かれて作者は誰なのかは不明です。
実在の人物が、かぐや姫に求婚する5人の貴族のモデルであるようで、一番タチの悪い車持皇子のモデルは藤原不比等のようです。全てのモデルが飛鳥時代末期~奈良時代初期くらいの人物みたいです。
以前、蓬莱島について書いた時、車持皇子について、権力を笠に威張り散らす嫌な上司みたい、と悪口言ってしまいましたが、藤原不比等がモデルだなんて知りませんでした。
藤原不比等といえば、大化の改新を成し遂げた中臣鎌足(藤原鎌足)の息子で、藤原全盛期への基盤を作った方です。
藤原氏全盛期に宮仕えした紫式部の書いた源氏物語に、竹取物語の話しが出てきますから、竹取物語は源氏物語より前に書かれたということです。
源氏物語を読んだことない人でも、かぐや姫は読んだことあると思うと、これは、1000年以上読み継がれる物語だと思います。こんなに読まれ続けるのは、物語に神様の息吹がかかっているからだと思います。
では、この話を書いたのは誰なのか?都に詳しく、藤原氏などの権力者を知る人物であり、しかもかぐや姫というかなり霊的なお話、古代にSF短編小説を書ける文化人だと思います。
かぐや姫のどこが凄いか、色々あるんですが、やはり、竹や月というかなり神秘な自然を題材にしている点です。
まずは、竹について。
『かぐや姫』の昔話は、『竹取物語』が由来で、『今は昔、竹取の翁といふ者ありけり』という冒頭は知っている方も多いと思います。
実は、かぐや姫のモデルになったと思われる女性は、日本神話(古事記)に登場します。
その輝く美しさからいうと、富士山の御祭神、木花咲耶姫がモデルかもとも言われています。
また、第十二代 垂仁天皇(紀元前69年生まれ)に嫁いだ女性の中に『迦具夜比売命』という人物がいます。『迦具夜比売命』は『かぐやひめのみこと』と読みます。
『迦具夜比売命』の父親は、『大筒木垂根王(おおつつきたりねのみこ)』と言います。かぐや姫のお婆さんは、『竹野比売(たかのひめ)』です。
このお2人、お婆さんはそのまま『竹』の字が使われていますし、お父さんの『大筒木垂根王』の『大筒木』と『垂根』いう部分も竹に関係あるようです。
竹は筒状の木で、竹の中には枝が垂れて地面に接地することで、根に変化する品種が存在し、この品種を『垂根』と言うそうです。
以前、福井を旅行した時、竹細工の店に(頼んでもないのに)連れていかれました。運転ガイドさんのオモテナシ。なかなか良かったですよ。感謝。
そこで、竹について色々教えてもらいました。竹藪って御神域といわれるところには結構あり、眞名井神社なんかは素敵でした。
竹の枝が垂れて根に変化する品種があるとは知りませんでしたが、竹は根で繋がるんです。だから、竹藪ができる。そして、60年とか、120年に一度一斉に花咲かせると、その後、竹藪は枯れるとききました。お役目を終了するかのように。
偶然その話を聞くまえ、ある方から貴重だから大切にと稲のような竹の花を乾燥したものをいただきました。ガイドさんの話と繋がり驚きました。
根っこで繋がる筒状の竹。笹には霊が宿りやすいとも言われており、竹を題材にした竹取物語の凄さがわかります。
津野山神界にも竹が沢山あります。竹は神聖な場所をお護りする木と思います。光る竹の筒に月の姫がいたことから、神聖な力を宿したり、通したりすのかもと思います。また、枝さえも垂根となり根っことなったり、根で繋がるのも、神話の「根の国」を感じさせます。
つづく
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