日本の伝統芸能である「能」には土蜘蛛の演目があります。土蜘蛛の化け物にてこずりながらも結局退治して、万歳!といった内容です。
土蜘蛛という一族が古事記の神武天皇以降でてきます。私は最初これを読んだ時どきっとしました。卑しめた呼び方が酷いとも思いました。
漢字が中国から入ってきて、日本語の響きに漢字を充てる作業がおこなわれます。その際、土蜘蛛と漢字を充てられた大和朝廷にはむかった一族がいたのがわかります。差別的なイメージを感じさせる漢字を当てられたと思いました。
蜘蛛は雲と同音です。
強者を主体にして描かれると、全て弱者、敗者はこうなりますが、土蜘蛛と呼ばれた人々も、征服や差別される前は穏やかに、それなりに家族と仲良く生活していたのじゃないかなぁ、と思ったり。
記紀で国津神が天津神に国譲りをする場面があります。ここでは、天に届くほど高い社殿を出雲の地に建てれば、問題なく譲るとされていました。
かなり前ですが、家族で出雲大社に御参りにいきました。出雲の土地には、神様を想起させる地名が多くて、まさに神話の国だと思いました。
夫の視点は興味深く、出雲で銅鐸や銅剣などが沢山所蔵されていたのを見て、祭祀の道具とはいえ、沢山の銅剣に、記紀ではスムーズな国譲りとあったものの、実は凄まじい攻防があったのかもね、と言っていました。
出雲の地名には雲があります。また、安曇という一族もいたようです。そして、土蜘蛛(ツチグモ=雲)。もしかしたら、この雲(=クモ、ヅモ)の響きをもつ一族はルーツが同じ?で、土着の民?なのではと思いました。
調べると、出雲族と安曇族は海を渡る一族(海人族?)だと指摘している方がいました。土着の龍蛇信仰と結びつきます。土蜘蛛については、繋がりがあるかはわかりませんが。
蜘蛛の子を散らすとはよく言ったもので、四方八方に、征服を逃れ散った一族なのではないかと空想します。征服された一族の中でも、土蜘蛛はかなり刃向かったので、能の演目でも、執拗に独武者を苦しめる妖怪やら、悪の権化、鬼にされてしまったかもかしれません。
古事記でも、カムヤマトイワレビコ(のちの神武天皇)に土蜘蛛一族がバサバサ成敗される場面があります。
こんなふうに書くと神武天皇に尊敬の念が無いようにきこえますね。いやいや、初代天皇ですし、日本国は、世界一長い祭祀の国です。今生天皇に至るまで天皇陛下は国民を思い祈ってくださるので私は心から尊敬しています。
ただ変かもですが、ついつい弱者を考える癖があり、いじめなんかも許せないし、差別的な言葉に敏感なところがあるだけです。
土には、土着の意味もあり、土蜘蛛は調べると岩窟に住み生活して支配されることに抵抗したとか、、。岩窟かぁ、、。
祝詞には、天津神が天孫降臨する場面に、「天の八重雲を伊頭の千別に千別て 天降し依さし奉りき」とあります。
伊頭は厳の意、千別は道別。厳かに勢よく押し分けての意とすると、
「幾重にも重なってたなびく雲を厳かに勢いよく押し分けて」天津神、瓊瓊杵命が降臨したわけです。
天津の神様が天孫降臨した後、国を護り続けた土着のクモのつく一族(民)との間には幾重にもわたって攻防があったのかもしれません。古事記の神武記以降は、闘いの話が続きますから。
出雲の地には、素戔嗚尊が詠んだ和歌が残ります。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
八岐大蛇退治を終えられた素戔嗚尊は櫛名田比売と結婚して住むべきところを、出雲国に探し求めました。クシナダヒメをコシノダ?=「越の蛇」と指摘している方がおられ、妙に納得しました。越は越の国、今でいう福井を含みます。白山の黒龍大明神がいらっしゃる地です。
「ここに来ると、とてもすがすがしい気持ちがする、妻を籠もらせるための八重垣をつくろう」と言って、素戔嗚尊は宮殿をお造りになりました。
そして、宮を造られたとき、この地から雲が立ちのぼっているのをご覧になって詠まれたのがこの歌です。大切な家族が安全に暮らせますように、と八重垣を作られたのです。
雲(曇)のつく地名には、隠された何かがある気がしました。雲だけに、私の空を想う気持ちが強く出ます。ナンチャッテ。
ここまで、ワケワカメな空想話を読んでいただきありがとうございます。
お礼に龍雲のような雲?をご覧ください!
白蛇信仰のある江ノ島神社帰り道に見た雲
伊雑宮で見た雲
白山ヒメ神社で見た雲
つづく
蜘蛛。私の母から、夜、家にいる蜘蛛は先祖様だから殺してはいけないと教えられていました。何でも、母が大好きな祖母が亡くなった時、大きな蜘蛛を見かけたらしく、幼き日より洗脳されておりました。
蜘蛛。金井南龍氏の著「神々の黙示録」で南龍氏が白山にて白山神界の封印を解いた時に、天から白山の眷族なる金蜘蛛が降臨されたとか云々。
私は蜘蛛は割と好きな虫でございます。
朝早くからありがとうございます!
夜の蜘蛛はご先祖様なんですね。
私は、虫を殺すことはないですが、
蜘蛛に勝手に嫌なイメージをつけるのは
悪いとこですね。
蛇もそうですが、見ると可愛い!とはならなくて、
やはりどきっとしてしまいます。
そのような生き物の中に神や仏をみて、愛しく
思える心に精進しなければです。笑
金井南龍さんという方、はじめて知りました。
なんだか、本を読みたくなりました。色々教えて
いただきありがとうございます。
良い週末をお過ごしください^_^
け
拝見しました。とても面白いと思いました。
ご紹介ありがとうございます。