昔、伊豆の大室山に家族で行きました。新海誠監督の君の名はを観たときに、あれ、もしかしてこれは大室山?と思いました。似ているけれど、調べると、そうかもしれないし、いくつか候補地があるようで、諏訪湖、阿蘇のカルデラ、色々です。
隕石が落ちて一回破壊された糸守地区(架空の地)の場所の風景に似ていました。
大室山画像検索より
大室山ですが、リフトにのって頂上にあっという間に行けるんですが、窪んだ山の周りを散歩できます。お地蔵さんが並んでいたりします。御祭神は磐長姫。大山祇神の娘のお一人です。
大ヒット作、君の名は。主人公の立花 瀧(たちばな たき)と宮水 三葉(みやみず みつは)。
ミツハは、罔象女神(みつはのめのかみ)つまり、水の神様と同じ響きです。隕石が落ちた街に住む住民を、時空を超えて、瀧くんが救い出すのです。記憶のかけらの赤い糸を手繰り寄せるストーリー。三葉の髪を縛る紐も朱でした。
観てない方はわかりにくい説明ですみません。
三葉は、糸守という飛騨にある町の宮水神社の神主の家に生まれ、巫女姿で舞をまったりする女の子。都会に憧れる少女として描かれます。
また、神社を守る、三葉の祖母、一葉の言葉は深いです。
「土地の氏神様をな、古い言葉で産霊(むすび)って呼ぶんやさ。この言葉には、ふかーい意味がある。糸をつなげることもムスビ、人をつなげることもムスビ、時間が流れることもムスビ。全部、神様の力や。わしらの作る組紐もせやから神様の技。時間の流れそのものを表しとる。より集まって形を作り、ねじれて、からまって、時には戻って、途切れ、またつながり、それがムスビ、それが時間」
糸守の地で、神社を守りながら組紐をつくる一葉。神社を大切にしない息子とは仲が悪く、神社を守る信念をもつおばあちゃんとして描かれます。
君の名はの宮水神社は倭文神建葉槌命を祀っている設定です。
糸に関係ある神様、倭文神(シトリノカミ、シズノカミ)ですが、以前一度ブログで書きました。機織りの神様です。天羽槌雄神と表記されるほか、建葉槌命(たけはずちのみこと)とも呼ばれています。
この神様、天照大神を天の岩戸から誘い出すために文布(あや)を織ったとされていて、機織りの祖です。少彦名神と同一神かもと書かれていました。
機織りで思い出すのは、2つあります。
ひとつは七夕伝説、そしてもうひとつは、なかなか服従しなかった星の神様、星神香香背男(ほしのかがせお)、別名、天津甕星(あまつみかぼし)を服従させた話です。
天津甕星は、長髄彦とも考えられているようですね。長髄彦は物部氏(もののべし)の祖の饒速日命(にぎはやひのみこと)を敬い、神武天皇に最後まで闘った方のようです。
倭文神が機織りの神であり、機織りには、糸を繋げて織り込むわけだから、氏神様=古い言葉で産霊(むすび)、つまり、ムスビの神様であり、色んなものを結んでいく神様なんだと妙に納得しました。
君の名は、糸守の地名や、組紐、結び、これらと、隕石で破壊された街を、時空を超えて愛する人を守るために、切れた糸を結び直すような壮大なファンタジーでしたが、凄いなぁと思いました。愛、破壊、そして最後は結びがテーマなんですから。神様みたいです。
一寸法師のモデルの少彦名神。住吉大社が発祥の地。
天からおりてきて、大国主命の国造りを助ける結びの神。この神様と、機織りの祖、倭文神がその性格から同一神かもというのもなんとなく納得です。
出会いには、時空を超えてでも出会うべく人は出会い、真っ直ぐに進む時間軸の流れの中では縁を結んだり、縁をほどいたりしながら生きているんだなと思います。
出会いには神様の働きがあるということで、まるで織物を織るかのように人と人もお互いの人生をお互いが色んな糸で彩っているのかもです。
どっかで見かけた誰かの言葉
つづく
【画像は君の名は検索画像より】
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