日本共産党は、秘密保護法案成立を阻止しようと国会内外で戦っております。秘密保護法案成立阻止の一点で協力できる党派や議員と日本共産党は力を合わせています。
秘密保護法案は先日可決された国家安全保障会議設置法(日本版NSC)と一体のものです。安全保障、すなわち軍事や外交などのことでアメリカと情報を共有しながら日本国民には情報を隠蔽して政府の闇を暴き出そうとする国民を刑事罰で抑えこもうとする弾圧立法への策動です。
秘密保護法案では、安全保障(軍事)や外交、テロ対策などとして政府が秘密にしたい事柄を包括的に秘密にできるのです。民主主義国家において主権者は人民(国民)です。国家の主権者とは、ある国家における政権に正当性を持たせる根本的由来を指します。ですから主権在民の民主国家における政権の正当性は、人民を基板にして政権が成立していることにより示されるわけです。主権者人民(国民)が国家・社会の形成者として、政権の正当性を担保するためには、言論表現の自由が保証されているのみならず国家と社会の行く末を適切に考えられるように公権力に関する情報を知ることができ、公権力を監視できることが大切です。ところが、秘密保護法案にいおいては、主権者人民(国民)が公権力を監視するのではなく、政府が自らに都合の悪い情報を隠しながら主権者人民(国民)を監視する仕組みをつくることは、民主主義と真っ向から反します。
民主主義国家において法の支配は必須です。権力者であっても国民の代表者が議会で制定した法に従う、客観的なルールに服することが民主主義の基本です。このことを考えれば、刑事法関係において何をしたら処罰されるのかが明白でなければいけません。しかし、秘密保護法案では特定秘密なるものが安全保障(軍事)、外交、テロ情報などと包括的かつ抽象的であり、具体性が欠落しています。誰が何に対して何をすると特定秘密を漏洩したか、特定秘密を漏洩するための教唆、扇動をしたのかが分からないのです。秘密保護法案は罪刑法定主義を真っ向から否定しています。そのために、刑法学者からも秘密保護法案を法律としての体を成していない、罪刑法定主義の否定だと批判と懸念が出ているのです。
http://www.asyura2.com/13/senkyo155/msg/812.html
世界には、北朝鮮や中国など人民抑圧の国家がいくつもあります。これらに共通しているのは、徹底した秘密主義であり、(公権力に関する)秘密を明らかにしようとした人々に対して容赦無い弾圧を加えることです。秘密主義は、弾圧国家の始まりです。
東洋学園大学の朱建栄教授が中国の国家安全保障省に拘束されています。朱建栄教授は、日本での講演活動、執筆活動で知らずに国家機密を漏らしたかもしれない、故意はなかったと中国当局に供述しています。朱建栄教授が日本での講演や執筆活動で研究成果を発表したことが中国の国家機密だと知らなかったことには無理がありません。そもそも、朱建栄教授が自分の入手した資料に基づく研究成果の発表が国家機密かどうかがわかっているようであれば、これはもはや機密ではないのです。自公・安倍政権が制定しようとしている秘密保護法案の本質である「何が秘密かは秘密です」を中国が先取りしているかのような状況を私たちに教えています。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130927/chn13092711150002-n1.htm
秘密保護法案は、あれこれの条項を修正して良くなるものではないから廃案に限ります。日本国憲法の自由と民主主義の原則を政府に守らせるために秘密保護法案を廃案に追い込んでいきましょう。