第2次改造安倍内閣が発足後1ヶ月半程度で現職閣僚2名が金権スキャンダルで辞任するに至った。これは、安倍政権の金権体質の表れである。そして、この金権体質は安倍政権だけのことではなくて自由民主党という政党の本質である。
この度の小渕優子氏及び松島みどり氏のような事態を日本の政治から根絶すためには何が必要であるのか。やはり、企業団体献金及び政党助成金を廃止することが必要不可欠だ。何故ならば、現職閣僚2名の辞任という事態が生じる背景には企業団体献金と政党助成金という政党や政治家を腐敗させる制度的問題があるからだ。
企業団体献金には必ず賄賂性がある。もし、営利企業が政党へ無償の愛でもって献金すれば、当該企業の経営者は業務上の背任行為の故に株主訴訟の対象になる。営利企業が政党へ献金するのは、自らの利潤追求行為をやりやすくするための制度の改廃(例えば労働者派遣法改悪等)を期待して要求してのことだ。だからこそ企業団体による政党や政治家への献金は、賄賂として扱って法律で禁止するべきだ。 政党助成金は、国民一人ひとりの思想信条に関わらず法律でもって国会に議席を持つ政党に対して強制献金させる制度である。これは、国民の思想信条を踏みにじり、日本国憲法第19条に反する違憲立法である。日本国内には国会に議席を持つに至ってない小さな政党がいくつもあるし、ローカル政党も存在している。このような実態を考えれば、政党助成金の制度は国会に議席を持つ政党に対して自らを特権的存在と思い込ませるし、政党としての実態と活動があっても国会に議席を持っているかいないかで助成金を受け取れるか受け取れないかが左右されることは、法のもとの平等原則にも反する(日本国憲法14条)。
企業団体献金が容認されていたり政党助成金という政党を腐敗させる制度が存在している限り、小渕優子氏や松島みどり氏のような事態は様々な形をとって繰り返される。日本の政治から金権腐敗をなくしていくためには、企業団体献金を禁止して政党助成金を廃止することが必要である。
政党は自らの活動資金を党員からの党費、自らを支持する個人からの献金、事業活動を通じて得るべきである。企業団体献金の如く賄賂性に満ちた金銭や政党助成金の如く自らに対する国民の支持という裏付けのない金銭を受け取って活動資金を得ることは、政党そのもののあり方として根本的に間違っている。
以上の述べた理由で日本共産党は企業団体献金及び政党助成金の受け取りを拒否している。それでも日本共産党は、党費、個人献金、事業収入で活動資金を得て運営を成り立たせている。国民との結びつきを深めることを通じて活動資金を獲得しようとせずに企業団体献金や政党助成金を受け取ることでしか活動資金を得られないような政党は、国民の声を聞いて国政へ反映させる意図と能力に欠けている。そんな政党は潰れてしまうほうが国民の利益になる。
国民の声を聞いて国政及び地方政治に反映させる意図と能力のない政党を淘汰する観点からも企業団体献金を禁止して政党助成金を廃止するのが道理である。