日本共産党の小池晃参議院議員がツイッターで野党共同宣言だという旨の投稿をした。
https://twitter.com/koike_akira/status/723736448352944128
確かに「事件」である。民進党の前原誠司氏は、民主党時代に野党共同に最も消極的な人物の一人であり、様々な人々から批判されていた。その前原誠司氏が日本共産党の小池晃参議院議員と一緒の街宣車に乗って野党統一候補の池田まき氏(無所属)の勝利のために共同しているのである。これは、様々な思想・信条の人々の市民の運動と世論が政党と政治家を動かしていることを如実に現している。同時に、衆院北海道5区補選の行く末が日本の形の根本に関わる重大な局面であることが見て取れる。
2014年7月1日の閣議決定で安倍内閣は、集団的自衛権行使容認閣議決定を下した。日本が攻められてもいないのに軍事同盟をテコにして自衛隊が米軍とともに海外で武力行使をすることは、戦争をしないことを前提としている日本国憲法に反している。これは私が勝手に言っているのではなくて歴代政府が防衛白書で集団的自衛権行使について憲法第9条に違反しているから不可能であると政府の公式見解を発表していたのである。あくまでも自衛隊は、日本が急迫不正の主権侵害を受けた場合に日本国民の生命と財産を守るための実力部隊であることを建前としていた。また、自衛隊が海外に派遣される場合でも、武力行使をしないこと及び戦場には行かないことを建前とすることを前提としていた。これを安倍内閣は、閣議決定でもって覆した。2015年9月19日未明に安倍自公政権は、広範な国民の反対を押し切り、議席の数にものを言わせて安保関連法(戦争法)を参議院本会議にて強行採決した。これは、たんに憲法第9条だけの問題ではなくて、安倍自公政権が立憲主義を根本から破壊していることを意味している。だから、日本共産党は市民の運動の要求に応えながら第4回中央委員会総会の決定に基づいて国民連合政府実現への提案を各方面へしてきた。
日本共産党が提案した国民連合政府について積極的に応じた政党や政治家が少なくなかった一方で「共産党アレルギー」を口実にして野党共闘に消極的な傾向が一部にあり、立憲主義回復のための野党共闘を一筋縄ではいかないものにしていった。野党共闘に消極的な政治家は、「この期に及んでこの政党嫌い云々と言っている場合ではない」と批判された。また、市民運動の側からは野党共闘を実現することに誠実な対応をしない政党を見放すと取れる声が強まっていった。
日本など近代憲法を掲げている国家においては、どのような勢力が政権を握っていても憲法に基づいた政治が行われてしかるべきである。近代憲法は、権力者の横暴を抑えて独裁政治の出現を防ぎ、以って人民の基本的人権を擁護するための存在している。また、近代憲法は、様々な思想・理念を持った政党・勢力が政策論戦を行うための前提である。この前提を安倍自公政権は、破壊した。この度の衆議院北海道5区における補欠選挙は、立憲主義回復のための展望をきりひらく重要な選挙である。だからこそ、市民の運動と世論を受けながら「敵の敵は味方」のリアリズムが札幌における野党共同にあらわれている。
立憲主義を回復して主権者国民に政治を取り戻す第一歩として衆院北海道5区にお住まいの方には、ぜひとも野党統一候補の池田まき氏へ一票をお寄せいただきたい。