現在、派遣切りや期間社員切りといった非正規雇用労働者への不況を口実にした不当な首切りが横行してます。とくに、たちが悪いのはトヨタ、いすゞ、キャノン、など日本を代表する大企業によって行なわれているということ、依然として巨額の利益をあげているにもかかわらず減益を理由にし巨額の内部留保を持っているにもかかわらず派遣労働者など非正規雇用労働者を雇用の調整弁として切り捨てているということです。なお、契約期間中の解雇は基本的に違法であり、整理解雇に関しては雇用契約法第16条に社会通念上合理的、相当たる理由があると認められている場合以外認められない旨、書き込まれています。つまり、現在社会問題として浮かび上がっている大企業による非正規雇用への狙い撃ち解雇、雇い止めは単なる横暴ではなく企業犯罪です。
さて、人道上の問題にもなる派遣労働者など非正規雇用労働者狙い撃ち切りが横行するなか、真に労働者階級の立場を擁護する労働組合のナショナルセンターはいったいどこなのかということが浮き彫りになってきました。非正規雇用労働者は身分が不安定など労働者階級の中でも最も弱い立場にあるがゆえに労働組合が最も全力を出して守らなければならない階層です。ですから、この問題への取り組み方で真の労働者階級のナショナルセンターがどこなのかが分かってきます。これはナショナルセンターのホームページのあり方に如実に現れています。1989年12月に総評が解散してから労働組合のナショナルセンターは全労連、連合、全労協と3つに分かれています。ここでは、これら3つのナショナルセンターを比較して検証します。
日本労働組合総連合(連合)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/
一応、緊急の相談ダイヤルは設けていますね。しかし、文字が小さくて見難いです。ホームページの体裁のことを目をつぶって考えても、取り組みらしいものといえば、政府、政党、経営者団体といった各方面への要請止まりですね。こういう社会的情勢では決起集会の一つも行なってよさそうですがページを見る限りそれらしきものが見当たりませんね。労働組合組織率が20%をきったとはいえ最大のナショナルセンターが世に全力で訴えればそれなりの社会的インパクトがあります。非正規雇用労働者切りにたいする真剣さが足りないのではないですか。
全国労働組合総連合(全労連)
http://www.zenroren.gr.jp/jp/index.html
ホームページにアクセスしたら一番目に付くところに派遣切りなどの相談のホットラインの電話番号が目の前に飛び込んできました。また、今月の18日には派遣切りや期間工切りといった雇用破壊を許さないための決起集会をエデュカス東京で開いています。さらに23日には国民大運動実行委員会のなかで該当相談を行なっています。全労連は、雇用対策本部を設置しています。全労連が当面の活動として派遣労働者切りをはじめとする雇用破壊を許さない、ということを最重要課題として位置づけていることが、ホームページからも読み取れます。
全国労働組合連絡協議会(全労協)
http://www.zenrokyo.org/index.htm
派遣労働者や期間労働者など非正規雇用労働者に対する首切りが横行しているというのに、これに対する全労協の立場がどうなのか、そういうことを書いたものがホームページのどこにも見当たりません。派遣切りなどの問題に全労協はスルーなのですか。「総評解散後の「たたかう、まともな労働運動」の結集体をめざし」(ページより引用)と威勢のいいことを言っている割には人道上の問題としてさえ考えなければならない派遣切り等の問題へのコメントすらホームページにないとは、話になりませんね。
派遣や請負など非正規雇用労働者は、身分的に不安定で賃金一つとっても劣悪な状況に置かれています。彼らは労働者階級の中でも最も弱い立場に置かれています。ですから、真の戦闘的階級的労働組合は、最も立場の弱い労働者を真っ先にかつ全力で守らなければなりません。そういう基準で考えたとき、現在大きな社会問題になっている派遣切り、非正規雇用労働者切りといった企業犯罪への立場をみると、本当に労働者階級(誰かに雇われて生計を立てている人はみんな労働者階級です)の立場に立って戦う労働組合、労働組合のナショナルセンターがどこなのかが明確になります。このように考えたとき全国労働組合総連合(全労連)がもっとも労働者階級の利益を擁護する戦闘的階級的労働組合のナショナルセンターである、ということが分かります。
現在、連合あるいは全労協傘下の労働組合でも本当に労働者階級のために戦う真の階級的労働組合をめざしているならば、連合や全労協を抜けて全労連に加盟しなおすことを考えたほうが良いですよ。
追記
この記事は、私が管理している「愛と情熱の革命戦記 Yahoo出張所」で書いた記事をここに再掲載した内容です。
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最近、労働委員会の委員に選ばれるケースが出てくるなど、少しずつ運動の成果が出ているようです。