事の発端は、2010年12月31日付けで日本航空(JAL)が165名を整理解雇したことです。146名(パイロット74名 客室乗務員72名)は、翌年の1月19日に原告団を結成してJALの整理解雇が不当であることを東京地裁に提訴しました。JALの整理解雇は、1.高度な必要性、2.(解雇の)回避努力、3.人選基準の合理性、4.(労資協議の)手続きの妥当性のを欠いています。
http://www.labornetjp.org/news/2014/0603shasin
2012年3月に東京地裁で出された不当判決にかかる裁判では、稲盛会長(当時)が整理解雇をしなくても事業立て直し可能である旨を述べていたのです。従って、整理解雇の必要ないことは明白だったのです。
2014年6月3日、東京高裁は、資本の論理を追求するだけの不当判決を下しました。JALでは、違法・不当な整理解雇でベテランのパイロットや客室乗務員を切り捨ててしまったために新人のパイロットや客室乗務員への指導が十分に行き渡らなくなっていると私は聞き及んでいます。昔は、ベテランが新人1人を3人から4人で指導していたのに対して今ではベテラン1人が新人3人から4人を指導しなければならなくなり、とても指導が細かいところまで行き渡らせられないわけです。これは、安全かつ快適に空の旅をすることを考えれば、実に由々しきことではないでしょうか。
争議団で戦っているパイロットは不当判決を受けて「企業が世界で1番働きやすい国づくりのアベノミクスの実行部隊に東京高裁が成り下がった」と怒りを露わにしています。JALの不当解雇問題は、全ての労働者の問題です。不当解雇が横行し、司法が利潤追求第1主義の資本の論理を追認する機関に成り下がっているようでは、労働者は希望を持てません。
争議団は、不当判決を受けても屈せずに更に戦い続ける決意を高めて、争議団を支援に来ている人々とともにシュプレヒコールをあげました。