民主党・野田内閣による大飯原発再稼働への策動に対する首相官邸前での抗議集会は、日を追うごとに拡大している。集会参加者の声は、首相官邸の中にまで聞こえていたという。
福島第1原発事故は、いまだに収束していない。事故原因の究明さえなされていない。なぜならば、放射線量が高すぎて誰も近寄ることができず、炉心の状況を直に確かめることができない。このような状況で原発を再稼働しようというのは、きわめて無謀という他ない。あえて言えば、火力、天然ガスなどをきちんと活用すれば日本において電力は足りている。
火力発電だと温暖化ガス排出を懸念する声が出てくる。もちろん、火力発電に依存度が高いのは、環境へのことを配慮すれば必ずしも好ましいとは言えないから火力発電は概ね、自然エネルギーの活用を高めていく間の過渡的な性質を有するだろう。太陽光、風力、地熱、潮力など再生可能な自然エネルギーの活用を進めていく技術は日本にはある。問題なのは、政治が再生可能な自然エネルギーの活用を進めていく政治決断をしないで原発に固執していることにある。
原発そのものが未完成技術であり、ひとたび事故が発生すれば時間的、空間的に限定できない被害が拡がっていく。このことは、チェルノブイリ原発事故、福島第1原発事故が事実をもって私達に示している。日本のように狭い島国で複数ヶ所の原発が過酷事故を起こせば、最悪、日本列島は人間の住めない場所になりかねない。どう考えても原発に固執するのは、破滅的であり、脱原発への国民要求は極めて正当である。首相官邸前における原発再稼働反対・撤回の集会参加者が集会の回を重ねるごとに増えるのは、当然のことである。
民主党・野田政権がするべきことは、原発に固執することや原発再稼働を強行することではなく、国民の声を正面から受け止めて脱原発へ政治の舵取りをすることである。
追記
民主党・野田内閣に国民の声を正面から受け止めることなど期待すべくもないとは、記事を書きながら私は思っていたが、やはりあの首相はどうしようもない。首相官邸前における原発再稼働決定に対する抗議集会に対して野田首相は他人事としか受け止めていない。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw299124?marquee
主権者国民の声を正面から受け止めない政権は、私達には不必要であり、有害無益だ。もちろん、国民の声を踏みにじる政党、政治家が有害無益なのは言うまでもない。民主党・野田内閣は、政権担当資格を欠いている。これが、日々事実をもって明らかになっている。