この不況の影響と大資本の横暴とがあいまって学生の就職状況には厳しいものがあります。大学卒業でも安定した就職先を見つけるのは、困難です。高校生の就職状況にはいっそう深刻なものがあります。
衆議院予算委員会において、日本共産党の笠井亮さんは、大学生活のうちの約半分が就職活動に充てられる、これでは何のために大学へ進学したのか分からない、就職活動するために大学へ進学したのではないという切実な要求を国会へ届けて政府に事態を正すことを要求しています。
大学における学業を保障するという意味で、法的拘束力のない紳士協定であったとはいえ、昔は就職協定というのがありました。就職協定があった時期には、大学4年の半ば過ぎまでは企業の採用活動を自粛されていました。私が大学在学中に就職協定が廃止されました。確か私が大学2年か3年のころの話です。記憶があいまいですみません。就職協定の廃止による害悪は直ちに現れました。どういう形でかというと、まず4年生になってからゼミが成立しない、何しろ4年になったとたんに公務員受験生などの人以外は就職活動のために大学へ行かなくなってしまうわけですから。私が大学4年生のときも、就職先がなかなか決まらなくて記憶の限りでは一度もゼミへ出席できなかった人がいました。あの時はあの時で事態はきわめて深刻だと考えていました。私が大学を卒業してから10年を超える年月が経過しています。
私はそれだけ年老いていったということか

大学生活の半分以上が就職活動に費やされて学業がまともにできない状況というのは、本人が悲惨であるばかりではなく、社会の健全な発展を妨げるだけです。
政府は、とくに大企業・財界に対して長期にわたって学生を引き回すようなやり方での採用活動をしないように実効性のある施策をするべきです。学校を卒業して社会へ出る第一歩が失業という、若い人奪う事態は一刻も早く終わらせることは政治の責任です。

