のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

Sand Hollow State Park

2009-03-17 | 旅日記
 6時に起床。ご飯を炊きながら支度をし、おにぎりを持って7時15分に出掛けました。私は、ラスベガスの町中の高速道路を怖くて走ることが出来ないので、町の外れまで普通の道を走り、そこから高速道路に乗りました。
 しばらくすると、真っ直ぐで何もない道になったので、兄が来た時に教えてもらった、クルーズコントロールで走行してみました。使い方が分かると確かに楽です。快適でした。でもそのうちに、道は単調ですし、アクセルも踏まないでいると、ボーっとしてしまい、「まだまだだね。あと1時間もあるよ。」などと声に出しながら走りました。飽きている場合ではありません。
 すると、思わず「わあ。」と声を上げるような山々の景色が見られたかと思うと、突然、断崖絶壁が迫って来るような間を走ることになり、目が覚めました。その峠を越え、またしばらく走ると、出発をしてから丁度120マイルでユタ州に入りました。アリゾナ州に入ったのが90マイル丁度の時、おもしろいです。
 そしてすぐにセントジョージという街に入り、この先のことが分からないのでガソリンを入れました。どうやらこの街の方がラスベガスより値段が安いようです。時計を見るともう10時半。行き方を調べた時は2時間で着くと書いてあったのに、もう、3時間以上経っています。「そんなにゆっくり走っていないはずだけどな…。」
 そこからもう一度高速15号線に乗り、5分ほど走ると16番の出口から9号線に出ました。その先曲がるところは新しい道ができたのか、私が得ていた情報とは違いましたが、無事にSand Hollow State Parkに到着しました。
 「あれ、4時間近くも掛かっている!」。2時間では着かずに、3時間は掛かるだろうとは予想していました。でも4時間とは…。
 湖で遊ぶことはまだ早いのか、または平日だからでしょうか、空いていました。遠くに居る人の話し声が聞こえるくらいです。そのため、湖はその美しさを静かに見せてくれました。ここは人工湖ということですが、こういう湖は日本では見らないでしょう。赤岩ときれいな水との風景は本当に不思議な感じでした。
 赤岩のほうに歩いて行くと、ラスベガスのレッドロックキャニオンを思い出させます。レッドロックが半分水に浸かってしまったような感じと言ったら分かりやすいのかしら、と思いました。所々に小さな花も咲いていました。岩にほんの少しのっている砂、そこには私の指先の中に、花も茎も葉も全てが納まってしまうくらい小さな小さな花を見つけることも出来ました。他にも数種類の花が砂の中に咲いていました。植物が生きる力はすごいです。
 公園内を反対の方に行ってみました。するとこちらには赤い砂浜。これもまた見たことのない景色でした。
 夏場は水遊びをする子供たちや、ボートやジェットスキーをする人々で賑やかになることと思います。今日は2台しか見られなかったサンドバギーも、もっとたくさん走ることでしょう。私はまだ静かなこの湖を見ることができて本当に良かったです。
 まだ時間があるので、近くのザイオン国立公園へ行こうと思いました。本当は、こちらの方にこの休暇の間に来たかったのですが、良くザイオン来る友人に尋ねると「お母さんが来るので、この休暇は行けないけれど、次回に私と一緒に行きましょうよ。」と言われていたので、その通り待つことにしました。でも、近くまで来ていますし、調べるとザイオンの3か所に分かれた内の一つのセクション、コロブキャニオンは、ザイオンキャニオンとはつながっていないとガイドブックに書いてあり、ここならば彼女と来た時にも訪れないだろうと思い、行ってみることにしました。
 もう一度高速道路に出て北上し、40番の出口を出れば、コロブキャニオンはすぐそこでした。ビジターセンターで入場料を払うと、車で山を登って行きました。すぐに、先日デスバレーで見たような金色の岩壁を過ぎました。そしてその後に赤い山が現れ、息を呑みました。それから続く赤い山々。山というより岩と言った方がいいのでしょうか。壮大で見事でした。「ここに来て良かったね。」
 一番上まで行くとトレイルがあり、1マイルほどでしたので、歩くことにしました。雪が所々にまだ残っている尾根を歩きます。大変な道のりではありません。右手は緑におおわれたなだらかな山。左手は通って来る時に見られた聳える赤の岩。全く違う表情が左右に見られました。トレイルの一番先まで行くと、景色が広がりました。遠く先に見えるのはグランドキャニオンかもしれません。広がる景色と、すぐ横の山々をしばらく眺めました。空を悠々と飛ぶ大きな鳥はワシでしょうか。こういう景色に良く似合います。「本当にここへ来て良かったね。」
 さて、これからどうしましょう。ザイオンの残る二つのセクションにも行ってみたいところですが、日帰りをするのなら時間がありません。ブライスキャニオンにも行ってみたかったのですが、それには一泊した方がよさそうです。明日も休みなので可能なことですが、私はとても満足していたのか、あまりその気になりませんでした。4時間掛けてまた帰らなくてはならないのなら、4時にはここを出ようと思っていました。来た道は灯りがなく、真っ暗になる前に帰りたかったからです。考えながら下り、下方にある大きめな駐車場で一度車を停めました。そこに聳える山を見、地層の良く見える山を見、それで本当に満足したようで、帰ることを決めました。
 落ち着くとお腹が空いてきて、残りのおにぎりを食べました。さあ、出発、と思って車の中の時計を見るとまだ2時半、車の時計は夏時間に直していないから3時半ということ。ん?でも携帯電話の時計は4時半。ここでようやく州が違うので時差があることに気付きました。携帯電話の時間は、居る場所に合わせてひとりでに時間を変更してくれるのです。だから行き、湖までも4時間も掛かっていなかったのです。「そうか、まだ居ても平気じゃない。」一瞬心は揺れましたが、やはり帰ることにしました。
 ゆっくりと帰っても大丈夫なことが分かり、途中セントジョージに寄り、“普通”の町を見学。また高速に乗ると今度は茶色い標識を見付け、この旅で茶色い標識は観光ポイントであることが分かった私は、ここにも寄ってみることにしました。ヴァージン川を見ながらピックニックなどが出来るようになっている所でした。崖を川まで下りてみました。細い川を流れる水はきれいで、ほど良い冷たさ。川岸に座り、しばらく水の流れを眺めました。
 この先、絶壁を抜けると長い長い道になり、帰りは疲れもあったのでしょう、もうじっとしていられず、歌を大きな声で歌いながら単調な道のりを乗り切りました。
 ようやくラスベガスの街に近づくと、行きとは違うところで高速道路を出てみました。その辺りは来たことがなく、違う街を走っているようでした。そして、やはり街中を横切るのに1時間ほど掛かり、部屋に入って時計を見ると、丁度出発した時と同じ数字が並んでいました。12時間、362マイル、今日も良く走りました。

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1 コメント

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ガソリン (ゆかまる)
2009-03-26 15:34:08
とてもきれいな場所ですね。行ってみたいです。ユタ州のソルトレイクに親友が住んでいるので、セントジョージを通過して時々遊びに行きます。いつも途中に見える国立・州立公園などの看板にひかれていたんです・・・。

ガソリン、ユタ州とネバダ州では精製度が違うのはご存知ですか?ネバダ州は87,89,91と数字が書いてありますが、ユタ州では確か85からのはずです。車のことを考えたら、85は控えたほうがいいと聞いたことがあります。でも、いずれにしても、ユタ州の方がガソリン安いですよね。

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