のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

鐘一つ

2009-03-21 | KA
 今日も、もう一人の生徒は遅れてきました。連絡なしに30分。こういうことはアメリカでは普通のことなのでしょうか。そして昼食後、珍しく彼女は早く到着をしていたのに、今度は先生がいらっしゃらず、開始が遅れました。
 最終試験で本部へ行った時、開始時刻の30分前に行くことが求められているそうで、明朝はそのようにしましょうと先生。明日はショーがなくて良かったです。

 フルートを回し始めてすぐのことだったと思います。また右のふくらはぎが攣りそうになりました。気を付けようとするとすぐに、今度は踊っている舞台、リフト5が下がっていきました。私はすぐに昨日のことを思い出し、また何かが起きて、救出しなければならないアーティストがいるのかと思いました。そしてそれから、のど自慢で歌っている途中に鐘が一つ鳴って、強制退場させられている気分になりました。
 舞台の一番前に立ったら私はすっぽりと隠れてしまうであろうところまで舞台が下がると、しばらく止まりました。踊っているところが大多数のお客様に見えなくなってしまっている状態に思えたので、それならフルートを空中に上げることを多くしたらいいかしら、と思いながら踊っていました。考えているうちに、また舞台は上がっていきました。リフト5は一番速い速度で上下することが出来る舞台です。少し感覚が違うので気を付けながらフルートを回し、二本目を持った後だったと思います、舞台は完全に元の位置に戻りました。お客様は「なぜ?」と思っていたことでしょう。
 踊り終えて、リフト5を下りるとすぐにステージマネージメントが謝りに来ました。次のシーンのための舞台転換をしようとしたところ、操作を間違えてリフト5を動かしてしまったそうです。
 昨日、あいちゃんがおびえている時に、「大丈夫、リフト5は動かないから。」などと言った矢先に、こんなことが起こり、タイミングが良すぎて笑いました。
 身なりを整えて、トレーニングルームへ向かうと、ステーシィに呼び止められました。操作を間違えたバックステージテクニシャンの方からステージマネージメントのトップに連絡が入っていたようです。「ノリコに良く謝っておいて下さい。」と言っていたことを伝えられました。間違えたり、失敗してしまうことは残念ながら私にもあります。そのことを責めることはできませんし、ビックリすることではありましたが、私には危険なことでもなく、大丈夫なことでした。でも客席からご覧頂いていたお客様には、申し訳ないことだったと思います。そのお気持ちを私ではなくお客様に向けて欲しいと思いました。
 ショーが終わると、ステージマネージメントにまた呼び出されました。舞台が下がってしまったことを詳しく説明するのかと思うと、舞台が下がろうが上がろうが何事もなかったかのようにいつものように踊り続けていたことに感心されたようで、今日の舞台報告に書いたから、と言われました。
 それからも、そのことについて何人からか声を掛けられました。さして感心されるようなこととは思いませんが、観ている方がそのように思って下さったのなら、踊り続けて良かったと思えます。鐘一つではなかったようです。

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1 コメント

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心配しています。 (ねね)
2009-03-28 04:03:29
いつも楽しみに読ませて頂いております。
この日以降のブログが、突然アップされなくなったので、勝手にひとり心配しています。舞台で怪我をしていなければ良いのですが…
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