のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

ジュリ

2006-09-28 | 仲間
 ジュリに「元気?」と訊くと「終わってしまったことだし、空に投げ捨てないといけないことかもしれないけど、よく考えたら強く言えなかった自分に腹が立って・・・自分が舞台に立ってロベールにみせることはわたしのキャリアには大切なことだった・・・それにこれが最後のチャンスだったことは間違いないし。今日は時間があるから彼にメールをしようと思うの。念のためあれは自分でないことを書き、あなたにみせたかったと。」

 昨日、バトンを二本同時に投げたとき「これはできない。」と思った直後「やってみよう。」と思い直し、無事できました。一瞬の迷いは禁物ではじめに思ったことをすべきなのですが、なぜか挑戦してしまいました。これは、観客席にいらしたディレクターのロベール・ラパージュさん、劇場デザイナーのマーク・フィッシャーさん、パペットデザイナーのマイケル・カーリーさんのお蔭と感謝したものです。
 そのことを更衣室に戻ったときにいたジュリに話すと「そうね、そうね。」と喜んで聞いてくれたあと、淋しい顔をしました。「私はね、今日はがっかりしているの。ロベールが来ているのに自分がメインでできなかった。ロベールが言わばお忍びのようなかたちで来るのはこれが三回目なのだけど、一回目はテウダの友達が来ていて、二回目はガブリエラの友達が来ていて、そして今日・・・二人のことは許せたとしても今日の代役はね・・・彼女のことはいい人だし好きよ。でも、あれが自分だと思われたら・・・彼女には優しく言ったのだけど断られて、私もそれ以上言えなかった。」(始まる直前で声をかけられなかったけど、そういえばジュリ泣いていた・・・)
 彼女の気持ちは痛いほどわかりました。同じような経験が同じようにある私なのに何もしてあげられなかった自分が悲しくなりました。そしてこの日はジュリの誕生日だったのに。
 ロベールさんは同じケベック出身の彼女にとって特別な存在。神様のような人。クリエーション時からいた彼女ですが次の契約更新をしなかったのでロベールさんの前でこの舞台に立てるのは確かにこれが最後のチャンスかもしれません。でも、それは確実ではありません。またチャンスがあることを願いつつ思ったのでした。
 あなたが強く言わなかったのは自分に対して腹を立てることではなく、褒めるべきことでしょう。あなたのその心の大きさや優しさは演技に出ているから、大丈夫、緊急時の代役と自分を間違えられるかもなんて小さなことは考えないで、心配しないで今まで通り素敵なジュリでいてください。

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