陽だまりのねごと

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死ねと吐く生きるを知らず育つ子ら

2006-06-14 06:41:20 | Weblog

聞いた話。

おばぁちゃんに向かって孫が『死ね!』と吐いた。
大学受験のイラ付きの時。
おばぁちゃんの情けなさは孫の言葉より他にもあった。

 『まわりに居たふた親が何も言わないで、笑っていた。』

常日頃、祖母が邪険にされているのをこの子は見て育ったのだろうか?
何も言ってくれないひとりは我が子なのだ。

情けなさは二乗される。

大学3年の今、この子は就職戦線の入り口で怯えている。
同級生が活動を始める時期、世の中に出る事、
就職試験で自分が選別を受ける事を
おそれて固まってしまった。

家を離れて暮らす彼から母親に泣きじゃくって電話があったそうだ。
大事に大事に、
他の人への思いやりを教えられず、
我が身の可愛さを撫でられて育った子。
成績偏重で育った子。
人に勝った時にだけほめられた子。

この母親は
ケンカして泣いて帰った時には

『泣いて帰るな。殴り返して来い。』

スポーツクラブで怪我をした時には

『監督の責任だ。ただじゃおかない!』

彼は大学受験の時もプレッシャーに押しつぶされて荒れていた。
結局、センター試験当日は下痢嘔吐に悩まされたが、
本来の成績より偏差値が下がった学校に入学を決めた。

その時、吐いたのが、

  『おばぁちゃんは死ね!』

私はその話を聞いた時に、今のこの状況が浮かんでしまった。

今、母親がその子のところにすっ飛んでいったから、
家事に忙しいと語りながら、
母親に託された伝言の話はちゃんと入っていた。

 『死ねと言ったこと、おばぁちゃんにごめんなさいと言って。』

良い大学に入ってくれさえすれば、
我が子のピリピリだけしか見えない親の方は、
そんな出来事が有った事すら記憶していないそうだ。

その子は自分で吐いた言葉を3年も覚えていて、
自分でキズ付いていたのだ。

『ごめんなさい』の心境に救いの光が見える。
これから本当に生きることを学習できそうだ。

おばぁちゃんの孫はいい子だよ。