陽だまりのねごと

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再婚生活   山本文緒

2007-07-10 23:50:08 | 
再婚生活

角川書店

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 3年ぶりの沈黙を破って
 鬱病
 
新聞の書評に気になる言葉がちりばめられていた。
何冊か著者の小説を読んでいるけれど
私生活まで知らなかった。
再婚ってことは結婚して離婚してまた結婚。
鬱病で作品が出てないってのも知らなかった。
よみたぁ~~い病が出て
さっそくAmazonしたら在庫なしだった。
そこんとこは田舎暮らしが結構利点な事もある。
もしかして、もしかして
ここらで一番の大型郊外型書店には1冊くらい残っているかもかも?
車飛ばして確認にすっ飛んでいったら
ちんまりと二冊残っていた。
白い透明のカバーを抱きしめて迷わずレジに突入した。



再婚生活は最初、ほとんど別居通い婚状態。
好きな人と居ることにもストレスを感じて
精神状態が悪くなってしまうらしい。

このあたりで
なんで再婚したの?
と、つっこみを入れつつ読み進む。

私、やまかしい妻から天国に逃れた夫に
おいてけぼり状態から7年。
結構、ひとり身はさびしさと隣り合わせの気楽さを感じている。

この話は退院直後から始まって、再入院、そして退院した頃は
普通の同居結婚状態に収まったあたりで終わっている。

当事者の鬱の大変さより
ついつい支える側の夫君、
ここでは王子の心情をあれこれ推測してしまった。

結構ハードな編集者で
私生活にガラス細工のような人をわざわざ結婚と言う形態で
背負い込んで
彼はそれで心の平安が得られたんだろうか?

文緒さんはとことん王子に甘えきって
時にそんな自分を責めて、
やっぱり頼りきって

結論、他所の夫婦は分からん。

同じくガラス細工の息子と暮らしているもんで
夫君の存在と自分をついつい重ねてしまったのかも。

薬で保つ元気は本当の元気でないと言うあたり
本当に抗精神薬を飲んだ感じが
分かる人には分かる感じなんだろう。
現に、息子が薬を嫌って飲まないことがあるのは
そう言うことなのかもしれないと思い至った。

何を読んでも自分の世界と重ね合わせてしまう
度量の狭い私を感じた次第。

文体も今まで読んだ小説とは違い
なにやらブログ文体っぽい感じもし
あんまり好みでなかった。

勢い込んで購入。
ふくらんでいた期待の風船が
読後はシューとしぼんだような気分だった。
文緒さん読み手が悪くてごめんなさい。