陽だまりのねごと

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82歳の日記  メイ・サートン

2008-10-30 06:50:05 | 
82歳の日記
メイ・サートン
みすず書房

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↓読んでいるというコメントを頂いて
総決算のとき
メイ サートン
みすず書房

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興味を覚えてさっそく図書館に探しに行ってこっちに出会った。
『総決算…』は県立図書館にあるということで取り寄せを頼んでおいた。
(だって買うには高すぎるんだもん)
彼女はこの本が最後となり1年後に生涯を終えたと言うから実質、コレが総決算かもしれない。

  孤独は自己の豊かさを意味し
  淋しさは自己の貧しさを表す

こう言っていた意志的な彼女がどんどん体に不自由と痛み感じてきて
昨日までなんでもなく出来ていたことができなくなり憂鬱になったり孤独におちいったり。これは私も行く道である。

  あの水仙が咲いているところまで行って近くで見たいが歩けないからあきらめる。

  食事の準備はだんだん簡便になりとうとう缶詰ですまそうと思うが、その缶切りさえ簡単にはいかない。

毎日のベッドメーキング着替えと言う当たり前ことがひと苦労一大イベントとなる。
それでも気まま猫や動物、花々愛でることで慰められておりこのあたり、私が好きなものばかりでウンウン共感。

特に勝手気ままな猫のピエロが
自分の傍に来てくれる事を渇望し
のびやかな毛つくろいを目を細めてながめたり
自分のためでな猫のためだけに鰈を調理し、あったかいうちに食べて欲しいとずっと待ったり、猫好きにはたまらな情景だ。

独居の寂しさはピエロが埋めてくれている。

最後には3階まである家の階段に電動リフトが付く。
医療費やこういった介護用品へ支払に売れてる作家である彼女がビクついている。
お金が出るばかりのいつまで続くか分からない生活はいくらあっても不安なのだ。
まして、最初からない私はどうなるんだ?

最後まで自宅でひとり生活を望んで望みきれず、やむなく施設へ入所する。
友人に会いに行ってその施設のこきおろしが、映画なんどでみるとうらやましい感じを受けていたアメリカよあなたもか!と目からウロコ。

  ひどく低級な人たちが運営する
  不健康でむごい環境であることを知った。

ふっふっふ~『低級な人』と言う小気味良さ。私の雇い人は皆この部類だったわ。

日記は人々の親愛に包まれ幸せなのだと読んだ人も気付くにちがいないと
気持ちがわずか上向きと結んである。
回りの親愛あたりが老いのキーワードか?

ちょっと家を片付けを終えたら、散歩がてら
俳句同人誌への投稿郵便を出しにポストまで行けなくなった人の足になってこよう。
ハガキ出しひとつ「ヘルパー仕事でない」って断るヘルパーサービス担当責任者が堅物すぎなんじゃなかろうか?
投稿はこの方の生きがいひとつだろう?
一日老児園みたいなデイサービスを利用させておけばいいと言う風潮に流されないプランを作ったケアマネへの賛同意志表示でもある。
散歩の途中で用事があるって私も良いわ。
誰かに助けられて今を過ごしている部分は介護状態ではないけど私にも大きい。相身互い。

実母の年齢が82歳。
リウマチと変形性膝関節症で始終痛みを感じている。特に朝がいけない。「早くお迎えが来て欲しい」が口癖。
一人暮らし強行中の姑は88歳。
意地張ってついに助けは買い物だけになってしまったが、別れ際に淋しそうな顔を見せる。

母と姑とまたオーバーラップしてもこの本を読みすすんだ。