薄闇シルエット角田 光代角川書店このアイテムの詳細を見る |
負け組とか勝ち組とか言う。
結婚している、していない。
仕事で成功している、していない。
20代では漠然と夢を追っていたものが、ぼちぼち形となる40前。
結婚している人をバカにしたり、
自分がこうだと思った主義を曲げて生きる道を選んだ人を蔑んだり
特に専業主婦で手作り教の母を軽蔑しきって、生き方を嫌悪してきた結果、
じゃあ、いったい自分はどうなのか?
周り全員が勝ち組にみえて、
自分の手にはないもないと茫々とした寂しさを覚えるが、
それは最終的には、自分と違うみんなの生き方を肯定したことであり
自分は自分として、自分の得たいものをこれから見つけようと言うところで小説は終わっている。
最初バカにされていた母世代の私もうんうん分かる、分かると言う感じ。
ところで
50歳も半ばを過ぎると、『えっ!こんな予定では?』という自分でいる。
この原因は自分の努力とかと違う運命とか不可抗力。
しかも、
その『えっ!』の部分は大きく重くなることはあっても、小さく軽くなる可能性が少ないことにも気がつく。
これも大人になるというか?人として成長過程というか?
こういうのも60、70から見ると鼻たれなんだろう?きっと。
角田さんは私よりひと回り以上若いよね?
と、奥付きを確かめた。
年齢が上がって、またどういう小説が出るか楽しみ。