仁淀川 (新潮文庫) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
「櫂」→「春燈」→「朱夏」→「仁淀川」と続く自伝小説らしい。
前半の満州引き上げからの田舎の農家での姑との確執。
リアル。実体験だからか。
農家の嫁は農家で育った者でないと簡単には務まらない気がした。
働いて働いての一生で、
どんなに体が動かなくなっても田畑に出ることが
喜びの高齢者を何人も知っている。
隣近所の動きをみて、出過ぎず、外れた事をしないように
横一列を常に気にして、普通であることを生活基盤とする
これも農家の習い性か?
姑の嫁と実の娘への接し方の違いなど、
あるあるとほくそ笑んで読んでしまった。
主人公綾子の思ったら深く考える前に
パッと行動に出てしまう性格は私に良く似ていて、小気味良かった。
ちょっと最後の離婚あたりからがさらっと流れ過ぎてて、
続きもちゃんと小説家になるまでちゃんと書いてと言いたくなるような終わり方が残念。
でも、充分「湿地帯」のお口直しにはなった。
そうそう、こういう宮尾登美子さんが読みたかったのよ
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