陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

大切な人の遺品はどうする?

2012-12-04 21:31:52 | Weblog
居酒屋さんがランチを始めたとの情報あり。
さっそく昼休みに馳せ参じた。

テーブル2つにカウンターの狭いお店。
厨房を目隠しする飾り棚には、
我が家に昔あったでっかいオールドの空瓶と同じ物が置いてあった。
酒好きが昂じて、
徳利やら空っぽになった酒樽やら夫のコレクション?が山と家を飾っていた。

夫亡き後、私はこれらの夫の匂いのするものに囲まれて暮らす事に耐えられなかった。
彼が必要とする物はそこにあって、不在がより鮮明な事実として迫って息苦しかった。
いっそ共に棲んだ家ごと捨てて、まったく違う空間で暮らしはじめたかった。

そうも出来ない事情があって、とにかく夫の物は全部処分した。
考えることなく目の前から消し去ろうと必死だった。
このオールドもスタンドごとゴミに出したような気がする。

ランチが出て来るまで懐かしいボトルを眺めながら
夫の酔って帰って来た深夜の事を思い出していた。

友だちの会社の新社屋オープン祝賀会に出かけて、
鏡開きに使われた蓋が割れて木屑が浮いている酒樽ごと、タクシーに乗せて持って帰った事があった。
深夜にものすごい酒の匂いが玄関に充満する。
酒を覆う蓋がないのだ。
運んだタクシーもいい迷惑だったに違いない。
持ち帰った本人は上機嫌でコロっと寝てしまって、ひとり思案にくれた。
コーヒーフィルターで木屑を漉して空き容器にとにかく移して、匂いの基を空っぽにした。
翌朝、友だちの家へ事情を話して配ってあるいた覚えがある。
酒樽に巻いてある菰は猫たちが好んで横抱きガリガリして遊んだ。
菰がボロボロになって捨てた後
最終的に観葉植物の鉢カバーになって長く家にあったような記憶がある。

もっと困ったものに、寿司屋でもらったまぐろの頭というのもあったっけ。
誰とどういう話をしてこういうことになるのか?
可笑しな奴だった。
酔って帰って来る夜はほんとうにご機嫌さんで、
歳が8つも離れているのに、最終的に私がお守しているような所もあった。

人によっては、思い出の品の一切に手が付けられないで
メモの切れ端から、脱ぎすてられた服からその人が居たそのままで置いていると言う。

捨てる型も保存型も、根っこにあるのは同じだと思われる。
消えない消せない重い重い塊が胸いっぱいを占めているのだ。
時が溶解させる以外にはない塊が。

ひとりになっても何とか生きている。

 ねぇ~
   褒めてもらってもいいんじゃない?

懐かしい品に、思わず10数年タイムスリップして酔っている夫と対話した昼休み。






      本日の歩数 18,730歩






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