![]() | 安楽病棟 |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
1999年発行。
図書館で借りてきた。
一度読んでいたら怖いなぁという曖昧な記憶を片隅に、
題名からして安楽死を扱ったものだろうと推測して読み始めた。
いかにしてこの人が生きて、自宅での生活が困難になって入院という経緯になったか
前半は個々別個の小説としても成り立っている。
中盤は病棟での様子が、大学の看護科が出来た当初卒業の看護師の目から描かれている。
人が人として丁寧に扱われている様子が好ましいが、
若干、医療スタッフの上から目線が気になる。
書かれた時期からして、認知症という言葉もなく介護保険以前の問題提起となる。
医師が人の生死権を握っていいのか、どの辺りからは過剰医療の延命になるのか
未だ議論はし尽くされておらず、結論も出てはない。
今はまだ深刻であるかもしれない。
結論だけ書いておこう。
この時点で死はないだろうと私は思った。
小説に出てくるいろんな認知症の症状を抱えている人を実際に目の当たりにする職業に就いている訳で
自分が当事者になったらどうかと常にリアルに思考する。
この時点で死はないと思うのは、私の担当ケース利用者としてみている上で
実際にその時が私に来たら、生きたいと思うだろう?
悩ましい。
この本を借りて読んだかどうかの定かでない昨今。
探し物、落し物が日常になって、
昔ほどテキパキと事が処理できなくなってきている今、
確実に実家の母と同じ道を転がっている。
他人事でない、先で実際に起こり得る話だ。
小説の中の医師の話に
老化は40歳から始まっている
と言うのが頭に残っている。
本日の歩数 8,148歩
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