陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

どんぐりの木の下に

2012-12-30 19:44:17 | Weblog
雨が降っていたけれど、朝一番に墓参りがしたくなった。
夫の墓は里山にある。
ぐい~~んと上がれるところまで車で上がって、後は徒歩で墓地へ入ってゆく。
山肌に作られた墓地のてっぺんの端っこに墓は位置する。
いつものウォーキングシューズでぬかるみを登って行った。
墓にどんぐりの木が迫っている。
平成13年に建てから10余年。
どんぐりの枝が墓を覆いそうな勢いで成長している。
私の技量では枝打ちはむつかしい。
誰か頼もうと思いながら時が過ぎる。

どんぐりは私の好きな木。
人はやがて自然に還る。
このままどんぐりに埋もれるのが自然なのかもしれないとも思う。
今回はお供えしても減らない缶ビールは止めにした。

線香は雨の中でもちゃんと着火。煙ってくれる。
仕事納めな事、相変わらず歩いている事、子供たちの事、これから面会に行く姑の事等々
語っているうちに毎度恨み節になる。

なんで置いて逝ったの?
先に逝っちゃってもう!

何を言っても返事はない。
ビールの代わりにつやつやした綺麗などんぐりを拾って供える。
子供たちがちっちゃい頃、お弁当を持っては目的なしのドライブ。
亡夫は迷子になりそうな山奥の辿道を走るのが好きだった。
どこかでどんぐりを拾った日なたの匂いがする記憶がある。

    

亡くなった夫を詠み続けると句集に書いておられる人がある。
だれもおんなじなんだと思える句。

   殿方のどなたを見ても亡夫が勝ち   徳江
                    (きみ)
  

良い事だけしか思い出さないから、どんどん美化されていく。
先に逝ったもん勝ちだ。
忘れて好きに生きよと言い残してくれたけど、
ひとりじゃ何にも本当は前に進んではいない気がする年末。
来年は本当に忘れてやるんだから。





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くまちゃん   角田光代著

2012-12-30 00:58:26 | 
くまちゃん
クリエーター情報なし
新潮社


タイトルはかわいいけれど、童話でない。
大人の恋愛小説。
大学を卒業したての年齢からだんだん年齢があがって40代までの、
主人公がシンクロしながら、いくつかの恋の顛末が描かれている。
角田さんらしい、
終わらない夏休み、学生気質を引きずったままの大人、物に囚われない生き方の人物が登場してくる。
自分の価値観や夢を追って、成功してゆいく者、芽がでないまま違う人生を歩み出す人。
打算もなにもないどうしようもない恋心。
時間の経過とともに変質して行く気持ち。
心の機微を描くの、うまいなぁ~と関心しつつ
こういうの川柳にどう料理する?
なんて、どうも最近、私の目線はいやらしい。

人の気持ちは一筋縄ではいかない。
自分で自分の気持ちを持て余す。

読み終わってTVを付けたら黒木瞳の黒い女シリーズをやっていて、ついつい惹き込まれた。
小説より年齢が上がったしたたかな女がここにも描かれていた。

先に読んだ3Gさんの中にも
「めったにおらんが、ばぁさんはかわいい方がいい」
なんてことも書いてあったっけ。

簡単に枯れてはいかない複雑怪奇な心模様。
どんどん角田さんも年齢が上がったキャストでも、書き続けて欲しい。

   二十人いれば二十通りの恋があり、二十通りの失恋がある。
   みなそれぞれ、そのときの自分に必要な恋をしたのだ。

そして

   人を思う気持ちというものは、私たちのどんな器官よりも現金で頑丈なのだ。

大けが、火傷は繰り返すまいとするが恋は性懲りもなく繰り返すんだそうな。
確かに。
恋だけじゃない。人との関係はなかなかですわ。
一人ではまた生きて行けない柔に人は出来ているみたいだし。







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