前作の「れんげ荘」は以前にも読んだけれど、
とんと記憶が曖昧な今日この頃。
図書館で二冊借りて来た。
当ブログ機能も進化してきたので、
自分の過去録を検索。
前作の自分の感想も読んでみた。
45歳ですっぱり仕事を辞め、持ち金だけでひとりで生きて行こうと決意。
自宅を出て月10万円生活を開始する。
まずは住まい。
月三万の家賃のシャワーとトイレが共有と言うオンボロアパートに決定。
雨露がしのげるだけの六畳一間。
自然がそのまま室内で感じられる。
蚊の猛攻撃やら梅雨のカビ湿気、雪まで部屋に入ってくる。
次作はそこに暮らして3年後。
なかなか無職のゆったり気分にまだ慣れず、
手慰みに始めたはずの刺繍に根を詰めたり、思うように出来ない自分を責めたり。
前に読んだ時は有職者。
そして今は主人公とおなじく
命とお金の尽きる日を両天秤にかけて
チビチビとお金を使い
大量な無為な時間を過ごしている。
無職ライフが半年経過した。
念願の家の片付け最小限度の改築も済ませ、
猫の額庭の夏草との格闘も終わり...
ちょっこし働こうかな?
などと雑念が胸を過ぎり始めた。
60歳リタイアでもなんとなくこそばい昨今、主人公は48歳。
世間の風当たりについても話は及んでいた。
前回は月10万の使い方内訳が現実的でないと盛んに書いていたが、
実際の先に無職になってらの先行き不安がそこへ思いを集中させたと思われる。
今回はまことに身につまされて読んだ。
淡々と飄々と生きるってむつかしいね。
主人公を取り巻くみんなみんな親切で優しい。
恵まれていることに感謝して物語は終盤。
そして、まだまだ悟り切らない先を見せて終わっている。
親切に頼りきらない。
価値観の押し売りやベタベタ過剰親切をする人物も出ないのが幸い。
程好い距離感の人間関係にも触れてある。
この辺り、大事。
ひとり身のチェックポイント。
ひとり例外として、自分の価値観どおりに繰りたがる困ったちゃんの母親が出てくる。
母の慈愛ばっか出てくる川柳が良く選に挙がるのに、少々ゲップ。
麗しき母性真っ黒な群さんの自己愛母親像に拍手。
今朝は寒いね。モコたん。
家族なし職なしオールフリーな今日も
散歩からはじめますか?