一番好きな魚

紺ちゃんが死んでしまった

ヒーターの電源が切れてしまっていて凍えて死んだ


全く色が変わらない

静かなだけの紺ちゃんは

死んだようには見えなくて

往生際の悪い私は何度も見る

お湯を入れて
温かくしたら起きるんじゃないか




考えてみたら

紺ちゃんは私が初めて飼った生き物で、養おうとしたその魚で

どんな生き物よりも特別で、一番大好きな
大切な
魚で


暖かい時期は日向ぼっこして
寒い時はヒーターで堪えて

小さな瓶の中
一生懸命生きてくれてた


そんなことは分かっていた
つもりでいた
こうやって音も無くさらわれて

まるで初めてのようにきづかされる

大切に思っている
ようにはしてた

まだ死ななくてよかった



もう少しで温かくなる予定で
寒いからってマフラーしたりぐるぐるまきで挙げ句人のティーコゼをかぶして保温して
おかげで日光は入らなくて
でもちゃんと生きててくれた

温かくなったら
さんざん日向ぼっこしようと思ってた
日向で鮮やかに発色する濃い青の揺らめくのは
すごくきれいだった




今更無駄なヒーターをつけ
今日は自分の部屋で一緒にと

でもいないから一緒もくそも


硬直して動かない
真直ぐになってしまってもまだ



大事な私の紺ちゃん

こんなに大事だと思ってなかった

一年と七ヶ月
一緒に居てくれてありがとう



どうしたらいいかわからない