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ミャンマーの首都ネピドーは「王の都」という…

2016-02-07 15:11:17 | 日記

 

ネピドーに2009年に完成したウッパタサンティ・パゴダ。高さ100m 

 ミャンマーの首都ネピドーは「王の都」という意味を持つ。毎年3月に国軍記念日の軍事パレードが行われる大広場を見下ろすように、かつて栄えた王朝時代の3人の高名な王の大銅像が建つ。

▲2005年11月、当時の軍事政権が突然、最大都市ヤンゴンから約320キロ北への首都移転計画を発表した。サトウキビとタケノコの産地に過ぎなかった丘陵地帯への首都移転は「軍が権力を維持するための治安対策だ」「占星術師(せんせいじゅつし)のお告げでは」などとさまざまな臆測を呼んだ・

▲約10年かけて一帯の開発が進み、大統領府や各省庁、公務員用マンション、ホテル、ショッピングセンターなどが整備されて首都の体裁を整えた。中でも際立って立派な建物が国会議事堂だ。約2キロ四方の広大な敷地を持ち、前面道路は片側9車線もの規模を誇る。内装には大理石をあしらい、豪華さを演出している。

▲その国会議事堂を舞台に、昨年11月の選挙で当選した新議員による議会が始まった。アウンサンスーチー党首が率いる旧野党「国民民主連盟」の大勝という選挙結果を受けて、軍主導の現政権に代わる新体制づくりを協議する。

▲スーチー氏は「外国籍の家族がいる人物は大統領になれない」という憲法規定に阻まれ、このままでは大統領職に就けないため、憲法条項の凍結も話し合われる見通しだ。その行方はまだ分からないが、スーチー氏を事実上の指導者とする政権が成立することは間違いない。

▲3月末に新政府が発足し、約半世紀に及んだ軍支配の体制から脱却する。自由で公平な社会が築かれ、「王の都」が「民主国家の都」として栄えることを願いたい。

毎日新聞2016年2月7日 東京朝刊  余録


ミヤンマーの国会議事堂

マンション

(画像はウイキペディアより)