気の向くままに

終着はいつ、どこでもいい 気の向くままに書き記す

「年相応の姿」と・・・

2016-02-12 13:59:30 | 日記

 平らな場所でつまずくとか、膝が痛むとか、わが身の年を思い知らされることはたくさんある。ずいぶん前、頭のてっぺんが寂しくなっていることに気付いた時は「来るべきものが来た」と苦笑いした

▼韓国ドラマ「冬のソナタ」がブームになったころ、毛髪川柳コンテストでこんな句があった。〈頭見て『冬のアナタ』と笑う妻〉。ちなみに最優秀賞の句は〈頭見て敬語使うな年下だ〉である。現実をカラッと笑い飛ばす才能に、あらためて拍手したい

▼個人差はあるが、年を取るにつれて髪が薄くなるのは男女に共通する悩みである。「年相応の姿」と受け入れる人もいる一方、「何とか長持ちさせたい」と願う人もいる。どちらの気持ちもよく分かる

▼先日の本紙に、薄毛になるのは毛をつくる細胞を生み出す「幹細胞」がダメージを受けて、脱落していくためだとする研究結果が載っていた。東京医科歯科大などのチームがマウスを使った実験で解明した。「脱毛症の治療法開発に役立つ可能性がある」とのコメントに希望を抱いた方もおられよう

▼いつか"新薬"が開発され、毎朝1錠を服用すると黒々とした髪がふさふさと春風になびき...という時代が来るかもしれない。人は欲張り。「髪だけでなく老眼もシワも」となりかねない

▼夢の実現は未来に託すとして、気分だけは若さを保ちたい。読者文芸欄にあった一首を思い出す。〈背広より作業着のほうが似合いきて定年後の夫若返りたり〉田中とみ子。われも、かくありたし。


2016/02/12 08:30 新潟日報 【日報抄】