あれからどうしても眠れないので、
明日の手術にいたる回想を、記しておこうと思う。
この記事が、同じ婦人科系の疾患をもつ人にとって、
なんらかの役にたってくれたら、うれしいのだけど…。
私が子宮筋腫という響きに、はじめて遭遇したのは、
17年前に娘を出産した時のことでした。
妊娠10カ月目に早産の兆候を患い、
宝塚市立病院の○熊先生による診断は
「グレープフルーツ大の子宮筋腫があります。
出来れば帝王切開で赤ちゃんと筋腫の両方を摘出しましょう」。
しかし、結果的にはその後、主治医が替わり、その方の方針で自然分娩にて出産することとなりました。
すぐ1カ月後に、子宮筋腫の経過をみてもらったのですが、
当時の診察結果では
「赤ちゃんが出たら筋腫が収縮したのか、どこに筋腫があるのか今のところよくわからない」とのこと。
私は、腑に落ちないながらもちょっと安心して、
それから、なんと15年以上の歳月が流れていきました。
なんの自覚症状もないままに時が過ぎて、一昨年秋。
子宮や婦人科系の検査のみ、後回しにしてきたのでそろそろ調べてみようと、
豊中のクリニックを訪れると、
なんと子宮筋腫が「8センチ大」
、
周囲に20コ以上の筋腫がとりまいている、という情況でした。
おまけに、貧血をしていて、ヘモグロビンの数値は8以下
すぐに子宮全摘出手術をするように、と女医の先生には勧められました。
私は、この頃、コピーライターの仕事も立て込んでおり、
体調もそれほど悪いと思わなかったので、
どうしても先生の言葉に素直に行動することができず、何ヶ月も随分と悩みました。
それで、「フェロミア」という鉄剤を飲みながら、
体質改善に向かうサプリ(ハッピーファミリーのエクセレントスーパーハーブ・
アスタを仕事先の人に教えてもらって)を併用。玄米食生活を中心に、
冷え摂り改善の食生活、5本指ソックス、レギンス
を年中はいて、ウォーキングやヨガも欠かさず、
子宮筋腫と付き合いながら共生・共存を誓い、
なんとか折り合いをつけて、数年、過ごしてきたのです。
やがて血液検査の結果も安定し、
体力も回復してきました。
それでも毎月の定期検診では、
子宮全摘出を決断できない私に対して、クリニックの先生たちは口を揃えて
「なぜ決断できない。できるだけ早く摘出するのが望ましいのに。
いつまでものばしていたら、更年期がきてもホルモン療法ができない」
というような言葉を毎回のように…。
話されました。
そして今年の年始早々、夜中に嘔吐し、
39度の高熱が出て、宝塚市立病院へ。
悪性貧血がまたもや、今度はかなり進行していて、ヘモグロビンは8…。
そういわれてみると、仕事をして、階段を上ったり、歩くのも息がきれるほどで。
「消化器から出血している可能性もある。ガンかもしれないし、
念のために検査したほうがいい」と内科の先生は指摘。
そこで、大阪中央病院へ予約の電話。
しかし、回答は「以前も一度受診していただきましたが
手術を希望されない方は私どもの病院では予約をおとりすることができません。
良性筋腫の方で手術をされない方は…」。要するに心を決めてこないと診てくれないということでした。
そして、以前からお世話になっていた先生はカルテから目を離さないまま言ったのでした。
「うちはもういいいわ。うん、もういい!女性ホルモンをストップする治療・注射も
あなたいやだといってたでしょう?もうじゃあ、することない!もううちは卒業して。
本当は日○病院でばっさり切るのが一番早いしスッキリするのにねえ。決心がつかないんだから。
○○病院というのもね、
腹腔鏡下出術の工場みたいなところよ…。
あなたがそれでもいいというのなら、紹介状は書きますよ。
どこを選ぶかはご本人の意志ですから。でも、もううちは卒業して」と
いきなり病院ジプシー状態に。
大阪中央病院、日○病院、○○クリニックと
そこかしこと、診察を拒否されるというのは、私にとってはたいそう不安で、ショックなことでした。
私が8センチ以上の筋腫をもちながら、
共生し、折り合いをつけて過ごしているというのは、
それほど自分勝手で、常識を逸脱している状況なのか、と心底悩み、自分自身の弱さを悔やみました。
そして、考えに考え、調べた末にたどりついたのが大阪中央病院だったのです。
京都の「伊藤病院」の院長先生のブログがヒントで、
その何年もの、患者の悩みと相談に対する記事を毎日のように読むにつれ、
できればその先生が信頼をおいていらっしゃる「大阪中央病院」か「伊藤病院」で
手術をしてほしい、という気持ちが募ってきたのでした。
大阪中央病院の川○先生は、初診の折にも、しっかりとした口調でこう答えてくれました。
「なんの自覚症状もないのに手術を決断できないのは、当たり前のことだと思いますよ。
そういう時は絶対に手術はしないほうがいい。
なぜかって、それはまだあなたが、その時ではないから。
もし、仮にそんな情況で手術をなさってもきっと後悔されるでしょう」
なぜ?と聞いた私に、
「辛いことが一つでもあれば、ほらやっぱりしなきゃあ良かったと
どうしても思ってしまうからなのです。
患者さんが、今貧血で悩みどうにか現状を打破したいと思っていらっしゃる。
その時こそがタイミングです。
手術は最適のタイミングに1発で決めることが一番肝心なのです」。
これまで、沢山のドクターにいわれたことがあたまに浮かびながらも、
川又先生のおっしゃる言葉に強く心引きつけられる自分がいました。
そして4月、婦人科のMRI
中津済生会にて、大腸内視鏡・胃ガン検査をして、貧血の原因を全て探り
「子宮全摘出」手術日(腹腔鏡下手術)を決め、
女性ホルモンを完全ストップする注射が3カ月進められ、
そして、いよいよ明日、に至るわけなのです。
今思えば、手術を決断できなかったのは何が原因だったのでしょうか。
自分の臓器を失うことへの不安。
そして失ったことを機に、自分の身体や心の中が変わってしまうことの不安。
現在の自分に置かれた状況、体調も含めてある程度満足していて、
今よりもし悪く合併症や、体の不具合、更年期症状などが現れたら、辛い。
現状維持なら十分耐えられる。女性の中枢である「子宮」を失うことで、
感受性が鈍くなってしまうのではないか、仕事はこれまでどおり続けていけるのか、
体力的にはどうか、施術後更年期症状が出て、老化が加速してしまうのではないか、
はてしもない不安の渦に苛まれどうにも抗うことができずにいました。
でも抗うばかりではなく、
今自分にきている流れのままに、自然にゆっくりと流されてみる、
これもいいのかもしれない。
そして、今回の手術を機に、何かを確実につかみとりたい!
子宮を失ってまで、私がやりたかったのはなんだろう、ということを
ちゃんと見極めたい、大切な入院生活がはじまったわけです。
さあ、明日はいよいよ!です。
支離滅裂な新規でのブログで
整理できない心中をお察しください。
お休みなさい。