今年も締めくくりは、やはりおいしいもの総まとめで〆ましょう!
まずは、北野の「シェローズ」から。
昨日の続きだが、「神戸北野異人館キャサリンハウス」を出て、トアロードをまっすぐ海側へ降りていくと、北野ホテルが見えてくる。
ちょうど斜め向かいあたりに位置する小さなフレンチレストランが、「chez rose(シェ・ローズ)」だ。
扉をあけると、マダムが笑顔で出迎えてくれた。
クリスマス時期ということもあって、はじまりはシャンパンで乾杯!
昼のコースは、3,200円と4,500円の2種。今回は気軽な前者をオーダーした。
ここは、神戸の名店「ジャンムーラン」出身のシェフが厨房に控えているだけあって、一時は予約のとれないフレンチの代表格ともいわれた店だ。
それから賛否両論が噴出し、話題の的にはなったが今は思いのほか、落ち着いているという話である。
周囲を見渡せば、週末なのに観光客は少なく、普段着スタイルの夫婦連れやファミリー層が多い。ホッとした。
一皿めの前菜は、「ホタテのソテーのサラダ仕立て魚介添え」。
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絶妙な火入れで調理する、北海道産ホタテ特有のぷりぷり感と香ばしさ。
葉野菜も新鮮そのもの。地場野菜と、同じく近郊の海からとれた魚介類とのコラボレーションは
さすがにバランスがとれており、久々においしいサラダを頂けて、うれしい。
続いて、「ポルチーニ茸のスープ」。
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口元にスプーンを運ぶだけで、キノコ独特の香りが鼻孔に届く。
ふんわりとしてクリーミー、
なによりも舌が火傷しそうなほど熱いのが素晴らしかった。
これはテンションも上がっていくゾ!
メインは、私は「青森産子羊のローストと焼き野菜」。
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臭みが微塵もない子羊は、噛むほどに甘く、肉質がよいのだなと思わず頷く。
ジューシーだ。スープと同様、熱い皿に、アツアツのロースト!
粒マスタードをちょんと付けて、モリモリとほおばり、アッという間の完食であった。
ズッキーニやパプリカの火入れ加減も、ちょうどよかった。
友人は、うずらのローストをオーダーしていた。
野生味あふれる冬のジビエ料理だ。
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デザートのチョコレートケーキは、これまたとろりと熱く、
クーベルチュールのほろ苦さが効いている。
これは久々に★★★★のランチだね。
熱いものは熱く、そして上質の素材を提供してくれているところが、一番好感がもてる。
時季を替えて、また訪ねたい一軒である。
●「シェローズ」
兵庫県神戸市中央区本通3-7-25メゾントーア1F
078-242-1014
11.30~14/17.30~21
月休
もうひとつおまけに、芦屋の「あめ婦」もメモしておこう。
JR芦屋駅から徒歩5分くらいのところにあるカフェ空間のような外観であった。
この日はご近所の友達と3人で来店。
坪庭に面した場所に席をとれば、季節の緑を目にしながらゆっくり会食できる。
しかし、席の配置が悪いのか、店自体の構造の問題なのか
日本料理店であるのに、おしゃべりの声や笑い声が部屋の中に反響して、少し騒々しいのが難である。
オススメは坪庭に面した位置の、カウンター席を予約するといいだろう。
ここなら背後にパーティションがあって、多少の雑音は緩和される。
さて、この日いただいたのは「あめ婦御膳」(3,675円)だ。
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素材の味を生かした王道の調理。
特筆すべき点は少ないが、まあまあ普通。味付けは悪くなかった。
縦に積み上げた箱膳から器を出していく演出で、女性受けをねらったアイデアである。
先付け、椀物、造り、揚げ物、酢の物、焼き物、炊き合わせ、ごはん、香物の構成。
一番、おいしかったのは「海老芋のかわり揚げ」で
サクッと揚がった衣からこぼれる、京都産の海老芋のねばりが、すごい。
ピリッと唐辛子の効いた和風のだしと相性抜群。
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大根なますも、酢の味に負けない
冬野菜のイキイキした旬が味わえた。
お刺身は、少し水っぽかったので冷凍ものの魚なのかな、と…。
欲をいえば、淡路か明石から水揚げされたばかりの
新鮮な魚介ものを頂きたかったね。
私は基本的に、しずる感たっぷりの
素材本位のお料理を新鮮なうちに頂くのが好き。
あめ婦は、クリスマス前で忙しかったのだろうか、大型ホテルの懐石料理を連想させる感がある。
小さなテーブルの上に、店の都合で仕上がった料理を置けないほどに、どんどん広げていかれるのがどうも苦手であった。
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最後の香物は「抹茶もなか」。
ミシュランの2つ星という同店、だからというわけでもないが、もう一度だけ、来店してみようかな。うん。
次に期待しましょう!
「あめ婦」
芦屋市大原町7-9
0797-23-3600
11:30~14、
17:00~21:30
水曜休
さてさて、
今年の、わが家のクリスマスディナーは、
子雛のロースト、ホット野菜サラダ、パンプキンスープ、じゃがいもとほうれん草のチーズ焼き、十勝ワイン…。
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今年は、年末年始、ゆっくり出来なかったのでまあこれくらいで上等なのかな。
昨年は4時間煮込んだビーフシチューと鶏のローストがメインで奮闘したが、
どうやら今年は、新作に挑戦する、という心意気がたりなかったね。
反省である。
しかしながら、今年もおいしいものいっぱい食べて、
それらが皆の笑顔と囲めて、
いい一年でした。
来年も、食欲旺盛なわたしに、ぜひお付き合いください。
どうぞよろしくお願いいたします。
ゴーンゴーンと除夜の鐘、そろそろ行く年、来る年をみる時間です…。