快晴。空も緑もほんのり白く、きらきらと輝いているように見える。
大阪の天保山サントリーミュージアムでは、マリーの生誕125周年を記念しての
「マリー・ローランサン展」が開催されていて、1883年―1956年までの全90点の作品が展示。
晩年にいたるまでの生涯を、絵画を通してたどることができる。
無論、彼女はこれほど知名度がある人なのだから才能あふれる画家なんだろう。
でも、もっと別の何か…。
なぜマリーは、生涯を通して女性ばかりを描いてきたのだろう。
どの女性も美しく、静かな面持ち。そして哀しさにみちている。
自己主張とは、ことさら関係ない表情で存在し、
空気のように溶けて、存在しない。
きっと私はこの人の描く、女性、色、輪郭、洗練、目線、表情、ハーモニー、
そのどれひとつをとっても、単に好きなんだろう。
20才の頃にマリーの原画をはじめてみた。
彼女の描く女性が見つめている先が、どこかなのか、
それが、知りたくて伝記的な本も読んだ。
20年たっても好きなものは、あと20年たっても好きなのだろうか。
この後、観覧車から夜の海と大阪の灯を眺めた。
落ちたら、ひとたまりもないなぁ。
そんな恐怖感が風景をよけいに美しくみせてくれた。
この日の夕食は、福島のトラットリア・ピノ「PINO」へ
フランスワイン、カベルネと共に。
明石タコのカルパッチョ、
うにと白子、ホタテ貝のアンティパスト、
サツマイモとクルミのニョッキはゴルゴンゾーラ・パルミジャーノ・マスカルポーネ・タレッジオ4種のチーズソースで、
ニュージーランド産の仔羊ロースト、紫芋とバニラのアイスクリーム。
素材と鮮度をとことん丁寧に生かす、ソースのあわせ方が素敵だった。