有馬温泉まで夕涼みにでかけた。
有馬温泉は毎日、お祭りさわぎの賑わい。
旅館の紋を入れた浴衣姿の男が腰をくねらせて
隣の女に声をかけていたりしても、
いっこうに皆、ハッピー!
寛容な街である。
気持ちを解放し、だらしなく、幸せに今の時間を
生きる。それが「温泉場」の魅力なのかもしれない。
小さい頃から城崎、湯村など温泉場のなかで育ったせいか、
こういった光景は気持ちいい。
山々の緑や川や河原も街のすぐ近くにあって、
のんきに、大らか。
「有馬涼風川座敷」。
水しぶきが跳ね上げる人口の滝、
そこに、堂々とせせりたつ舞台まであって。
老けた芸者たちが
浴衣をきて、
「長崎ぶらぶら」や「有馬小唄」などを
踊って、歌う。
耳が痛くなるほどの、大音量のマイクの音で。
お客達は川座敷で、神戸牛のすき焼きを囲みながら
愉しそうに、それらをみて、笑う。
温泉独特の涼、のとりかた。
今がどの時代なのか、ここがどこなのか、一瞬疑うほどに
ひなびていて、面白かった。
御所坊の前で、大きなひょうたんを発見。
有馬小学校の児童が育てているらしい。
金の湯につかったあと、再び、
「有馬涼風川座敷」をのぞいて、ニュータウンに帰った。
近くに文化的背景をもったいい温泉場があって
本当に幸せだ。