月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

春爛漫を前に、フラワーアーティストの生きざまを記事にする

2018-03-30 20:24:21 | writer希望を胸に執筆日記


「希望を胸に執筆日記」


3月24(土)〜25日(日)


この週末は、連載のインタビュー記事(宣伝会議・私の広告論)を仕上げることにしていた。
昨晩、テープおこしをしてから目が冴えてしまい、なかなか寝付けず、それで2時半を過ぎてからお風呂。
お風呂でANAの機内誌を読み、おそらく寝入ったのは4時頃だったのでは…。

それで、朝はゆっくりと目覚めて、朝食をとり執筆の仕事を開始した。
5月1日から掲載予定のフラワーアーティストW氏の仕事人生を振り返るインタビュー記事4ページ。
夜までに4300文字を仕上げられず、翌日の昼過ぎまで掛かり、そこからこの日に2度書き直した。


久しぶりに感情移入するのが難しい案件。
取材対象者は、ブログやウエブなで取材される機会が多く、そういった記事を読み過ぎたのか。記事をつくるうえで、資料を読むことは大事だが頭でっかちになってはよくない。
言葉が言葉として、まるで美術品のように美しいまま固定されたものが自分の中に入って、
人物の内側からわき上がる人間像というか、真実の言葉(その人の匂いみたいなもの)が浮かび上がってこないのだった。

意図する意味や内容は確かにわかるのに、自分に取材対象者から響きかけてこないのである。
変に固まっているイメージ、既製品のような語り口調。これはいかん。
こうなるとつまらないものになる。
結局、日曜日の夕方、まぁまぁのレベルの状態でまとまってきたのでパソコンを切った。


この仕事は、数年前から携わっているもので、昨年は3度ほど抜けたがそれ以外は連載で書く機会を与えていただいている。
毎号、とても学びが多くて、取材対象者の生き方や人生を辿りながら、記事をつくることで自分のなかに置きかえて(自分の中におとして)考えられ、そういう意味では本当に多くの人々と出会ってきた、意義の深い仕事なのだった。

今回の取材対象者でテーマとしたのは、仕事への向き合い方や喜び、発信力みたいなもの。
文字を通して花と植物の生命力みたいなものを、読んだ人に感じとってもらえたらいいなと思いながら書いた。特に蕾から開花し、枯れるまでのいきとしいける、移り変わる姿よ、うまく伝われ!と思いながら書く。

夕暮れ。近所を散歩したら、桜の固いつぼみが、だいぶ膨らみ、ピンクが色濃くなっている。

春爛漫までもうすぐ。



執筆のお仕事は日進月歩。1日たりとも休むことなかれ

2018-03-26 13:02:48 | writer希望を胸に執筆日記

「希望を胸に執筆日記」
3月21日・22日(両日とも雨)


最近、家内でのノマドを時々行います。
この日記もお風呂に持ち込んで書いています。
土日は夫が1日中テレビをつけているので、
コーヒーとポメラをもって、エスケープ。


この日は、午前中に昨晩の原稿を手直しして、そのままお彼岸の墓参りに八鹿へ出かけました。

普段、私たちの夫婦はあまり会話らしい会話が少ないのですが、
なぜか車中で横並びになると、仕事での報告や互いの友人のことなど
あれやこれやと話します。

この日も昨晩の安藤忠雄氏主催の船上(日本丸)パーティの模様やその中での
スピーチの中味の話を事細かに語ってくれていました。
すでに中堅から上のセクションで働いているようで
「安藤氏と仕事をしたのは私くらいになってしまった」
「文化庁の仕事が入ると、すぐ名指しで呼ばれるし、こんな僕がやで」
などと。しかし安藤氏が部下にお怒りになると……という話は本当なのかしらね。

普段口数の少ない人なのでそこは、にっこりと笑顔とともに相づちを。


大雨の降りしきる中でのお彼岸のお参り。
お寺に立ち寄り、檀家のお布施を手渡して、ご住職と奥様と顔をあわせて近況などを報告し、そのまま実家の母の元へ。
日本海の魚を握るお寿司を食べに行きました。
この日は、深夜11時に帰宅。それから一行も書かずに就寝のこと。






翌日は、6時に起床。
朝からヨガスクールへ。
道中、ふと見上げると桜の蕾がまんまるの桃色に。
空気のように花びらを内に秘め、いまかいまかの準備中。小さな高揚感がわき上がりました。

昨日。一行も書かなかったせいか、この後の仕事はいっこうにはかどらず。
「日進月歩」毎日書くことでスピードやスキルは養われるというのは本当。書かないと原稿の始まりすらどうやって始めるか不確か、迷子状態に陥ってしまいます(これだけ長く仕事をしていても、実にそうなのです)

夕刻近くなってようやく大阪自治体の広報誌に掲載する記事を1本仕上げ、提出の準備を。
それから翌日から仕上げる予定の原稿の準備として東京の編集部から送られてきた音声テープを4時間かけて起こしてそのまま就寝。






どこまで原稿にこだわるのか、どこでケリをつけるか

2018-03-24 01:38:06 | writer希望を胸に執筆日記



「希望を胸に執筆日記」

3月19日(月)

翌日も雨だった。毎朝一〇分のヨガを五分で切り上げて原稿を送る。
二本送信したらすでに昼過ぎだった。
本来なら昨晩書いていた原稿をもう少し時間をかけて再考したかったのだが、取材対象者が意図していた内容はおそらくこういうことだと自問自答した上に、結論づけてそのまま提出していたことが気になっていた。
これ以上時間はかけられない。


朝に何度かキャッチフレーズを再考してはみたが、この言葉ほか大事なポイントはないように思えた。ただ、私なりの考察(フィルター)が色濃すぎるのではないかとも気になる。
本誌が書かせたかったタイトルとは少しだけ違うのではないかと、そこが少し気になった。

誌面でのキャッチは一五文字くらいで言い切る言葉が圧倒的である。
こう短ければ曖昧な言い回しなどしてすることはできない。
私の提案したものは切り口は新しいはずだが、やや断言しすぎないかとじりじりと自問自答。
本当にそうだろうか、いや他の結論はないか、もっと別の切り口はないか。

結局三案くらい考えた末に、一番はじめのものに戻して送信したわけだが、なんだかつじつまだけ合わせて、時間を優先したのではないかと胸に手をあて軽く落ち込んでいたのだ(こういった場合、数分してから再送する場合も私の場合には時折りある)

続けての依頼原稿にかかればいいものを、そんな気にもなれず久しぶりにSNSをだらだらとみて、お昼ごはんづくり。昨年のものだが小笠原のしらすがあったので、解凍もせずにパスタを作って食べた。

メールの返信をして、デザイナー女子と電話。気がつくと四時だ。

大慌てで、紅茶をいれてもう一本コラムを書き出したが全く筆がのらなかった。何度もトイレへ行ったりお香を焚いたり。
気持ちを入れ替えるため一〇分ソファーで仮眠をしようと思い、結局四〇分以上も寝ていた。
こりゃ完全にふて寝だ。いつまで切り替えられないのだ、全くとほほである。

日が沈もうとしていた。
薄いブルーのシチュエーションに包まれる夕方の時間がやってきた。
この時間だけはなぜか、自分もブルーの時に染まり自然の一部へならないといけない気がする。


再び気分を入れ直すため、乾燥させたショウガを入れた紅茶をつくって飲んでいたその時だ。
担当編集者(副編集長)から一本のメール。

「〜〜〜などポイントが良くまとまっていると思います。
 テープ起こしも十分丁寧ですので、助かります」
というような軽いねぎらいの文面であった。
原稿作成前には必ずテープは起こすものの、それまで送信してほしいというオーダーも実は少し気重だったのだ。
ともかく、
ホッと肩の荷が1つ下り、Nに一本、脳天気なメールを送る。

そして次の依頼原稿に、今度は真剣に取り組み始めた。

途中で日々の恒例となっている母に安否とご機嫌伺いの電話をし、
夕飯には手羽先入りのじゃがいも煮をメーンに、サラダを作る。

今日こそ早寝をしようと思っていたのに結局二時まで仕事をして就寝。


雨の音を聴きながらロスの空を思う

2018-03-21 02:24:17 | writer希望を胸に執筆日記







3月19日(日曜日)

最近は寒の戻りで、部屋の空気も心なしか寒い。背中がスースーする。寒さは苦手なはずなのに、こうひんやりとした空気だと安堵を覚える。春までにやろうと思うことを、じっくりじんわり考えても良いのだぞと執行猶予を与えられたようなそんな気して心なしか
ホッとする。雨の音は素敵。こんな日は読書がしたい。

それでも、今日も依頼案件の原稿を2本上げなければならないので、そわそわ。
提出は翌日正午だ。
パソコンに向かっていたら、NからのLINEを知らせるぴよぴよと泣く鳥の声の着信音(メールの着信音は鳥の鳴き声にしている)。
約10時間のフライトを終えて今はロサンゼルスの空港そばの店で先輩と一緒にハンバーガーを食べているのだという。












いかにもアメリカっぽい青い空。日本の2倍ほどに広い道路と低い建物のレストランや家々と。
やや年配のアメリカ人夫婦が大きなハンバーガーを食べている姿を瞼の中に想像する。
たちまち、さっきまでの鬱蒼とした気持ちは消えて、心はカリフォルニアへと飛んだ。

それでお風呂に湯をためて、
JALの機内誌スカイワード3月号を持ち込む。
「We Love Camping!」の特集だった。
ロサンゼルスの空港でレンタカーを借りて、海岸線にのびる通を北上にオーハイからブエルトン、そしてジョシュア・ツリー国立公園へのキャンプの旅を記したものだった。
アメリカの大地に抱かれて眠る、それを想像しただけでワクワクした。
キャンプ地で飲むアメリカンコーヒーとはそれは格別なんだろうな。

10年前にアメリカを旅して美味しかったのは、分厚い赤身のステーキと
朝HOTELで飲んだ無料のコーヒーだった。軽くて飲みやすく、朝が待ちきれないくらいだった。

キャンプの魅力って?とたずねたら
「日常から離れてリラックスすること」 「家族だけでもしくは友人と過ごす特別な時間」
「自然を深く感じること」という答えが返ってきたという。

すごく得てしてわかる回答だった。どの答えもいきるために必要なものばかり。

桜の開花を待つ、薄曇りの日本にいながら、湯気のたつお風呂のなかでしばしアメリカ気分を味わえるとは。
お風呂から上がってから気持ちを現実へと戻すために10分だけ家の周囲を散歩して、再び、原稿に戻った。

東京から京都の北伊根町に移住した建築設計デザイナーのビジョンを伝える講壇からの記事作成。約2500ワード。伊根浦湾の見事な舟屋風景や人と人が交わることで生まれる熱いコミュニティーを思いながら記事にまとめた。
もうひとつは、パーソナルトレーニングジム&加圧トレーニングルームを主宰する
女性パーソナルインストラクター春からの筋トレを教わるインタビュー記事だった。

結局、仕上がったのは翌日の1時10分…。それからもう一度お風呂に入って就寝。
明日、もう一度朝から推敲して提出しよう。





希望の朝のレモネード

2018-03-16 20:06:38 | あぁ美味礼讃





最近は週2〜4本くらい宣伝会議系列(月刊「事業構想」を含む)の原稿を書き、
今週は季刊誌の企業PR誌(全ページ)編集・ライティングなどにエネルギーを燃やして生きております。
先方の要望に応えられているのは重要ですが、
自分が納得のいくものをつくりたいと思います。書いたらすぐその案件は忘れますが。

気分転換といえば、それでも車で映画館に乗り付けてシネマを1本観て
さっと帰って何事もなかったように通常業務に戻るのですが
映画というのは、その時その時でひたすら釘付けになるのに。
すぐ忘れて、またしばらく経ってからまたじんわりと思い返したりして。

あの時あの人はこういう気持ちだったのではあるまいか、などと考えあぐねたり。
あの景色の場所にいきたいなと思ってみたり。
事実、本や映画は架空の話ではありながら、もうひとつの人生を生きたような
(見たような)絶対に私が観たことはそこに存在していた!と確信的で、鮮明な想いがあり。

日常の業務のなかで煮詰まってくると、シネマを観たくなります。
ヨーロッパやアジア映画。
バグダッドカフェのような乾いたアメリカ映画も。
先日はアンコールアワードで、「パターソン」「彼女がその名前を知らない鳥たち」を観ました。
最近、仕事をする前に「詩集」もよく開きます。



そうだ、奈良のお水取りが終わって、いかにも早春らしい希望の朝に
松浦弥太郎氏が薦めていらした「レモネード」を真似してつくってみました。
瀬戸内産レモン1個、半量づつギューッと絞りきって
そこへ、わかしたてのお湯をそそいで
スプーン1杯のハチミツを入れるだけ。

松浦さんはゆっくりと2杯飲まれるとのことです。
私は一杯ずつで十分。

これは、力を込めて飲まないといけない飲み物です。
ビタミンCのもつ黄色い酸っぱさが、ものすごくパワーをほとばしりながら
私をめがけて入ってくるので

こちらもパワーを全開にして飲まないと、おいそれとは飲めません。
鉄瓶仕立ての熱いレモネードはなおさらのこと。
そうするうちに体がぽかぽか温まる、
(若い、いかした男の子みたいな爽やかで情熱的な飲み物です)
体がシャキッと目覚めてゆきます。

希望の朝のレモネード。
寒い冬にふぅーふぅーいいながら。
それとも早春にぴったりの飲み物なのでしょう。






出張後の博多ラーメン「一双博多駅東本店」

2018-03-04 00:16:21 | あぁ美味礼讃





昨日は朝早くにおきて、ディレクターのおじさんとふたりで
長崎・諫早までの取材出張となりました。

新大阪より新幹線で博多まで行き、
そこから在来線特急の「かもめ」を乗り継いで諫早まで。

車窓からみた有明海が春のどけき海苔色にのったりして。



またあるところでは青い空の色を鏡のように群青色に映し、
ゴトンゴトンと車窓の横、
広く果てしなく続いていたのがとても印象に残りました。


5人分のインタビューを終えたあと、長崎へ立ち寄りたかったのですが、
涙をのんで博多まで。

せっかくなので、博多駅を東側へ出て築紫通りを歩き約7分。
博多一双・博多駅東本店へ。







店の外まであふれてくる、屋台風のとんこつスープの匂いよ。
濃厚なだし汁はすするごとに深味があって一度飲むと、
あぁ違う!とほっと安堵。3種の寸胴で丁寧にとっただけあり、濃いのに後味はスッキリ。
平打ちの細麺とよく絡み合い、さすがの博多ラーメンでありました。

この味、なかなか関西では味わえません。
仕事後の生ビールととんこつ博多ラーメン、
実に旨し!と思ったので記述して残しておきます。