ジョン・カーペンター監督作品、1981年制作の映画『ニューヨーク1997』が、12月よりアマゾン・プライムにて無料配信が開始されています。
1997年、ニューヨークは街が丸ごと巨大な監獄となっていた!マンハッタン島の周りには高い壁が築かれ、監視員が常に目を光らせている。かつてのニューヨークの市街地に放り込まれた凶悪犯たちは、そこで独自のコミュニティを形成していた。
その監獄ニューヨークに、アメリカ大統領専用機が墜落してしまう。大統領は世界の運命を変える「核融合理論」を吹き込んだカセットテープを携え、ソ連と中国の首脳とのサミットに参加に向かう途上だった。
大統領を救い出せ!救出者に選ばれたのは、元特殊部隊員で凶悪犯のスネーク・プリスケン。彼の頸動脈には超小型爆弾が仕込まれ、24時間以内に救出できないときは、爆弾が爆発し死に至る。
スネークは24時間以内に大統領を救いだせるのか!?
80年代当時、ニューヨークの治安の悪さは有名でした。だからこその、ニューヨークを丸ごと監獄にしてしまおうという発想が生まれたわけです。斬新な発想ではありますが、当時の空気感の中では必ずしも無茶苦茶な発想ではなかった、ともいえます。
公開当時はハラハラドキドキワクワクしながら観たものですが、今観返してみると、アクション演出などが少々ノンビリしているというか甘いというか、やはり80年代の映画だな、という感じはしていしまいますね。
でもストーリー展開は秀逸だし、本格的CGなどまだなかった時代、CGのように見えて全然CGじゃない映像、実は段ボールを切ったやつにガムテープかなにかを貼り付けてブラックライトをあてて、それっぽく撮った映像だったり、裏を聞くと凄い安い作りだったりして、そのアイデアがまた秀逸だったりしてね(笑)
ほぼ同じ時期に、『ブレードランナー』が公開されてますけど、あちらの作品の都市映像は、アルミの板かなにかをビルのかたちに切り抜いて、それを並べたやつに豆電球を取り付けてスモークを焚いて多重露光で作り上げた映像で、あれもCGではないんです。そういうアイデアがたくさんあった。
良い時代だったなと思います。
主役のスネーク・プリスケンにはカート・ラッセル。カーペンター作品では常連の役者さんですね。『遊星からの物体X』でも主役を務めています。
囚人たちのなかにはアーネスト・ボーグナインやハリー・ディーン・スタントンなど、渋~い名脇役さんたちが出てます。
大統領役にはこれまた名脇役のドナルド・プレザンス。もう、好き。
そのなかでも特筆すべき名脇役、それがリー・ヴァン・クリーフです。スネークの頸動脈に超小型爆弾を仕掛ける、憎々しい警察署長。
この役者さん、大好きなんですよね。ホント素晴らしいです。
80年代には割と未来に対して暗いイメージがあって、こうしたディストピア映画が結構作られていたように思う。
そんな80年代の空気感を知る上でも、良い教材となり得る映画ではないかな。なんてことよりも
エンタメ映画として、良く出来ていますのでね、是非一度、御覧になってみては
いかがで?
ちなみに上に貼った映像でキーボードを弾いている方が、監督のジョン・カーペンターです。この方、ご自分で音楽も書くし演奏もされるんです。時々息子さんと一緒にバンドを組んで、ライブも行うそうな。
芸達者な方です。
映画『ニューヨーク1997』予告編