Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 141

2020年11月08日 | ダマスクローズをさがして ― Ⅲ

薔薇の病気を3つ取り上げましたが、如何だったでしょうか。少しでも薔薇の栽培のお役に立てればいいのですが。寄り道から ”ドイツ文献 “ に戻り、10/28~11/2 ” の先を続けます。

 

エッセンシャルオイルは、薔薇の花びらから得られるアルコール抽出物や水性蒸留物(ローズウォーター、薔薇油を蒸留する際の副産物として得られる)を使用します。

花びらのエッセンシャルオイルの含有量は少なく、1% をはるかに下回っています。薔薇油は揮発性であるため、開花した最初の朝に最も含有量が高くなります。したがって、蒸留に使用される薔薇の花は、日の出前または日の出時に、毎日手で摘み取ります。

薔薇油の特徴的な成分は、非環式モノテルペンアルコール(acyclic monoterpene alcohols)、ゲラニオール(geraniol、最大75%)、シトロネロール(citronellol 、20%)、ネロール(20%)、およびノナデカン(nona­decane)やヘンイコサン(hen­eicosane)などの長鎖炭化水素(long-chain hydro­carbons、最大10%)です。

薔薇油の重要な微量成分は β-ダマセノンです。低濃度(0.01%)にもかかわらず、その C13-ノルイソプレノイド(C13-nor­isoprenoid)は油の品質に顕著な影響を及ぼします。構造的に関連する化合物である β-ダマスコン(β-damascone)および β-イオノン(β-ionone)とともに、カロテノイドから酵素的に生成されます。同様に、サフランの葉とパンダナス(pandanus leaves)の葉からも、カロテノイドを酵素分解して芳香分子を得ることが出来ます。

生花の匂いの特徴は 2-フェニルエタノールですが、これは水蒸気蒸留中に失われ、ローズウォーターに蓄積します。したがって、ローズオイルとローズウォーターは正確いえば同じものではありません。最良の場合でも、100 kgもの新鮮な薔薇の花から10g(0.01%)のエッセンシャルオイルが蒸留されます。副産物のローズウォーターを再蒸留すると収量が3倍になるため、1kgの薔薇油には約 3000〜5000kg の新鮮な薔薇の花が必要です。あるいは、溶媒、通常はヘキサンによる抽出を使用して、半固体の緑がかった塊を得ることができます。収率は蒸留の約10倍であり、さらに、2-フェニルエタノール(2-phenyl ethanol、総揮発性物質の約60%)の天然含有量が得られます。

薔薇属のいくつかは西ヨーロッパから東アジアに自生し、中央アジアに多様性の中心があります。何世紀にもわたる交雑のため、野生の薔薇の種間の元々の植物学的関係は不明瞭です。ほとんどのヨーロッパの薔薇は、コーカサス山脈で自生するローザガリカに一部分由来しています。

古代から18世紀にかけて、ヨーロッパ、西アジア、中央アジア、北アフリカで栽培されたほとんどすべての薔薇は、ローザガリカに属するか、ガリカ由来の品種であるようです。その例外は、ムスクローズ(Rosa moschata、インド)またはアベシニアのホーリィローズ(Rosa richardii)です。

ダマスクローズは、ロサガリカとロサフェニシアまたはロサモスカタの受精による交配種であり、このことは古くから知られています。交雑は数千年前にアナトリアで最初に発生したと思われます。ダマスクローズ(または、いずれにせよ、今日のダマスクローズに非常によく似た薔薇)は、青銅器時代から西アジアで知られており、その栽培は後にギリシャとローマに広がりました。

ダマスクローズはローズオイル(ローズオットー, rose otto)としても知られています)の主要な供給源ですが、ヨーロッパの中世では、ローズオイルは R.ガリカの花から得ていました。フランスと北アフリカでは、ローズオイルは今も R.centifoliaとcentifolia-gallica の雑種から得ています。シャルルマーニュの Capitularede villis で言及されている薔薇は、おそらくR. caninaです。中国では、自生の薔薇(R. rugosaなど)が、香料のフローラルの香りの原料として、また薔薇風味の紅茶の製造に古くから使用されてきました。

エッセンシャルオイル事業では、香りの高い薔薇の品種(オイルローズ)を大規模に栽培しています。 主な生産国はヨーロッパのフランスとブルガリアですが、トルコとイランでははるかに多くのローズオイルが生産されています。宗教儀式でローズオイルとローズウォーターが必要とされているのです。 有名な生産地は、ブルガリアのシラーズ(Shiraz)とメッシュ(Meshed、イラン)、イスパルタ(Isparta、トルコ)、カザンラク渓谷(Kazanluk valley、ブルガリア)です。

多くの薔薇の品種が知られていますが、 たとえば、R. albaは、おそらくロサ ダマスケナと中央ヨーロッパの野生種であるロサ カニーナの雑種です。

さらに、プロヴァンスで最も人気のある百葉の薔薇(Rosa centifolia)があります。これは、おそらくR. albaとの交配によって Rosa gallica から派生したものです。 密集した花びらにちなんで名付けられました。

グロワール ドゥ ギラン Damask rose Gloire de Guilan

    

            http://roses.shoutwiki.com/wiki/Datei:IMGP3331-3-w.jpg 

   

https://huonperennials.com/plant-descriptions/roses/damask-roses/gloire-de-guilan/ 

      

非常に古い品種と思われます。 ナンシーリンゼイ(Nancy Lindsay)が紹介。イランでアターを作るために使用しているところを見つけました。鮮かな緑の葉、澄んだピンクの絹のような質感の花は、四分されて折りたたまれています。 貧しい土壌に育ち、 夏に開花します。

 

 


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