古代ギリシャの医師、薬理学者、植物学者、ペダニウス・ディオスコリデス( 古代ギリシャ語: Πεδάνιος Διοσκορίδη、Pedanius Dioscorides, 40年頃 - 90年 )は、ギリシャ・ローマ世界の至るところで産する薬物を求めて、本草書;De Materia Medica『薬物誌』(『ギリシャ本草』とも)をまとめました。ディオスコリデス自身が「理論より事実を、書物より自分の観察を重視して編集した」と記している通り、非常に明快で実用的な本草書であり、ガレノス医学と並んで、1,600年頃まで西洋の薬学・医学の基本文献でした。
512年~520年にコンスタンティノープルで作成されたウィーン写本(現在ウィーンのオーストリア国立図書館に収蔵されているのでこう呼ばれている。)の原本546枚の内481枚が残っています。上はその内の一枚、「ヨモギ」の図です。元々『薬物誌』に絵はなく、当時、西ローマ帝国内で微細な彩色植物図葉に関心が高まっていた結果、写本した段階で付け加えられました。植物の説明はディオスコリデスのものです。https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Vienna_Dioscurides?uselang=de
Ein Pflanzenbild (Beifuß) aus dem Wiener Dioskurides (fol. 20 verso) から
ディオスコリデスは、
- 第1巻:香料、香油、軟膏、樹脂、樹皮、果実を産する草や木
- 第2巻:動物、その乳、蜜、脂肪、穀物、食用野菜
- 第3巻・第4巻:根・液汁などいわゆる薬草、種子類
- 第5巻:酒精類、鉱物類
の全5巻からなる『薬物誌』Περὶ ὕλης ἰατρικήςを、母語であるギリシャ語で著しました。ガレノスが著書の中で、最も完全な本草書と称賛しており、1世紀後半に書かれ、2世紀の終わりには、ローマ世界に広く浸透していました。
第5巻の酒精類、鉱物類の項目の中にオキシメルがあります。
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