平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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青春の登竜門

2013年10月04日 | Weblog
小説   青年の登竜門                    
          
                          中道 進
             第8話   少年A
         
             9 論編 

 少年法の第1条は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に性格の矯正、現境の改善とうし、少年の刑事事件には特別の措置を目的とするとある。すなわり、非行の少年の健全なる育成を目的にとしてあるのが少年法なのである。 少年犯罪は現在は以前より凶悪化しているのは世界的傾向である。これは、映画、漫画、パソコンなどの影響がある。米国では高等学校の二人の学生が銃を乱射し、12名の生徒、1名の教師を射殺し、24名が重軽傷した。2名は自殺した。(1999年4月)乱射は図書館で45分間続いたとある。これは、いじめ問題もあるが、映画の影響があるのではないだろうか。
 少年法というと各国は、未来のある少年であるから慎重に対応しているのは、日本と同じである。さて、本題に入る。

                10 なみだ 
 A少年は、友人15歳少年が強盗殺人で拘置され、裁判では死刑にされると思った。その友人は、会社でいじめにされ、こき使われ、侮られ、安い賃金で時間も長い不遇の状態であったことを知っていた。故に、悲しかった。裁判では、この不遇の状態は問題にもされないだろうと。
 思えば、A少年もいじめに会い、また、今建設現場では、お酒好きの親方にあなどられ不遇の故に、友人のつらさを知っていた。(どうして。奴は、盗みだけで止めておけばよかったのに、殺人まで犯して、よほど何かあったんだろう。しかし、子供も被害者ではいいわ明けは通らない。奴は、死刑か、かわいそうに。悪い星の下に生まれたものだ。)休暇の日、川に遊びに行き考えるなどため息つくなどしていた。
         
                11 辛い 
 おい、何してるんだ、しつかりとかたずけろ。建設現場では親方がどなること、仕事が遅れているのだろう。大粒の雨の日も、A少年はこき使われたのだった。合羽も着ないで重労働に励む少年。歯をくいしばり懸命に働くのだった。小さな会社、雇用保険もない、もちろん退職金もないのである。給料も月によっては安くなっている。 親方は、最初は優しかったが、いまでは、こき使い、いいわけしたら、面を変えて怒るのである。この日も、仕事がおわり、雨で服はびしょぬれだったが酒を買い付けに行かされた。それも酒屋で付けであった。おかみさんは、いやな顔をしていたが機嫌をとって付けで買った。  
                 

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