小山宙哉さんの描かれている「宇宙兄弟」のことを2度ほど書かせていただきました。
あれから、18巻がでて、まだまだ新しい展開がありそう。ワクワクします。
マンガというくくりで書くと、こどもの遊びにとられてしまいそうですが、これは間違いなく、大人に向けての作品です。深いのです。
幼いころに夢見ていたことを、決して諦めず、現実に変えていくという、中心となる主題以外にも、大人が思わず、何度もうなずいてしまうテーマがてんこ盛り。
エピソードの一例を挙げますと、閉ざされた空間(宇宙飛行士選抜試験養成に使われる閉鎖環境適応訓練設備)の中で、ライバルの宇宙飛行士候補生たちと決められたカリキュラムをこなすなか、トラブルが起きて、互いに疑心暗鬼に陥る危険な状況に。自分だけのことを考えてしまう候補生がほとんどの中で、ただひとり、みんながニコヤカに試験を終えるためにどうすればよいかを、考えて行動をおこす主人公、難波六太の姿から、「実力以外の何か」が、大きなことを成すには必要だというような難しいテーマが染み込むように入ってきます。
サラリーマンから転身された作者の小山宙哉(本名だそうです)さんのインタビュー http://qz-vision.jaxa.jp/READ/interview02.html を読むと、スラムダンクに影響を受けて、「漫画にも、まだまだできることの可能性を感じた」と語られています。
とてもラッキーなデビューを飾られていますが、その裏には、絶対伝えたいテーマが先にあり、そのための努力を集中してやり抜いた結果として、デビュー二作目にして大ヒットを産み出されたのだとうかがいしれるのです。
柔和な小山さんの顔立ちからは、このようなテーマの選択がつながりにくい。でも、その人柄や生きる哲学は、巨体な硬い岩のような力強い意思を感じさせ、これからの作品に熱い期待をしてしまいます。ぜひ、大きな夢を持っている方には、読んでいただきたい作品です。
■小山宙哉
1978年京都生まれ。
初めて描きあげてモーニングに持込みをした作品『ジジジイ』 が、第14回マンガオープン審査委員賞(わたせせいぞう賞)を受賞。続いて第15回マンガオープンに投稿した『劇団JET'S』が大賞を受賞。現在単行本を絶賛発売中の『ハルジャン』をはじめ、 『ジジジイ-GGG-』は、持込みをした作品『ジジジイ』を同じ主人公で新しく描き直した作品である。『宇宙兄弟』は2007年12月、講談社モーニングで連載開始
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