本と映画とわたしと

感想です。

本『ハリネズミのねがい』/考えないで。

2017-05-15 | 

私は悩む人間だ。
「考えないで」と言われる。

考えすぎて不安で動けなくなる。

同じことをぐるぐる考えて
苦しんでいると自分でもわかっている。
考えてはいけないのか。
考えているだけになるからだめなのか。
私がいけないのか。でも
考えるのが私だとも感じるのだ。


『ハリネズミのねがい』の主人公のハリネズミは
家に誰かを招待したいと願う。
けれども「もしも○○が訪ねてきたら、
こうなるかもああなるかも何を話せばいいか。
どうもてなしたらいいか」と、考えはじめて
不安にかられて、招待状を出せない。

私とよく似ている。

ハリネズミは、
自分の「ハリ」のことで悩み、嫌いになる。
でも「ハリ」なしでは自分ではないのもよくわかっている。
「ハリ」を含めて自分を受け入れてもらいたい。
自分を好きになりたい。

人と関わるには、
傷ついたり傷つけたり、
疲れたり疲れさせたりする。
「ひとり」いいやと思いたくなるけれど、
さみしい。
いつか自然に「友人」が訪ねてきてくれたら、
いつか自然に「友人」を訪ねていけたら、
そんな思いにさせてくれる大人の童話。

この本がよく売れているということは、
世の中にはこんなに考えすぎて、
悩んでしまう人が多いということか。
そう考えると少し心が軽くなる。

考えるのをやめようと思うけど、
やっぱり考えてしまう。

 

 

ハリネズミの願い / トーン・テレヘン/著 長山さき/訳 - オンライン書店 e-hon

 

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