あおこのぶろぐ

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満足感たっぷり びわ湖「ローエングリン」① セミ・ステージの難しさ

2021-03-09 06:52:49 | 日記
3月6日、7日、「ローエングリン」。
約2年ぶりのびわ湖ホール。実は去年も行ったのですが、鑑賞するのは2年ぶりです。

上演形式は、オペラ公演からセミ・ステージ形式に変更になりました。

奥に合唱、中央にオーケストラ、手前ステージ(アクティングエリアと、演出ならぬステージングの粟国淳さんと舞台監督の菅原多敢広さんが言っていた)にソリストという並び。合唱団はマスク着用。

ステージ両脇に白い神殿風柱が3本ずつ立っており、ステージ上の天井もきれいに映し出されていました。
前奏曲のオーケストラ(沼尻竜典さん指揮、京都市交響楽団)への照明も幻想的で、曲と演奏と同じくらいきれいでした。

前に歌手がいるということで、普段はオケピ越しなのが、ダイレクトに歌手の声が届き、いつも以上に迫力を感じました。

横長のアクティングエリアには不規則な段差がありました。
粟国さんは「ソーシャルディスタンスのため」と仰っていましたが、身長差を誤魔化すため、もあるんじゃないかと、私は密かに思っています。


ローエングリンと言えば、ローエングリンの登場場面とか、ラストシーン(ゴットフリートの現れ方)とかは、演出的見どころ。

7日のワークショップで、粟国さんの口から「やりたいことが出来ない」「諦めて」というような言葉も出て来ました。
いろいろ構想もあったのでしょうから、フルステージでいつか観てみたいです。

セミ・ステージということで、男声陣はタキシード、女声はドレス。森谷さんは、1、2幕は黄金のドレス、3幕は婚礼の場面ということで、純白のドレスに着替えていました。谷口睦美さんは、黒を基調としたドレス。2日目、木下さんは紺色の柄の、背中のあいたドレス、八木寿子さんは赤黒のドレスでした。

東京春祭のワーグナーシリーズでは、譜面台を置いて、基本的に立って歌う時だけ演技という感じでした。
かつての飯守さん指揮の東京シティ・フィルのオーケストラル・オペラシリーズでは、確か、ある程度扮装もして、小道具も使っていたので(高島勲さん演出)、オペラ公演にもっと近かったと記憶しています。

つまり、春祭とシティ・フィルの間くらいの感じ。
でも合唱(びわ湖声楽アンサンブル)も含め、しっかり演技していたので、フルオペラを観たような充実感があります。

ただ、皆さん暗譜で演技もしていただけに、「違和感」がつきまとったのも事実。
特に福井さんは、ザ・福井さん、にしか見えず・・・。
ローエングリンは白鳥の騎士ですよ。
女声陣は「衣装?」とも思えるドレスだったし、王、伝令、テルラムントはタキシードでも違和感ないけど、ローエングリンは扮装がないと、残念感は拭えません。扮装した丸山敦史さんに特別出演して欲しかった!?
(残念感を解消! 深作健太演出 二期会「ローエングリン」)https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/62d3d3ee2a51c09e97a71f0e324db105

白いタキシードだと結婚式になっちゃうけど、先だっての「サムソンとデリラ」のように白いストールをまとうとかして欲しかったような気がします。
小原さんのほうが、お髪が白いからか、逆にそれがアクセントになっていたように思いました。

そして、扮装なしで騎士感を醸し出すフォークト様はやはり偉大だ、としみじみ思ったのでした。

(東京春祭 「騎士感たっぷり」 フォークト様の「ローエングリン」4/5)
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/ab0f66c5ec119041df97e93aba5ffe97


続きます