あおこのぶろぐ

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フルステージで観たい・東京春祭「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

2023-04-12 22:14:54 | 日記

東京春祭「ニュルンベルクのマイスタージンガー」4/6、観てきました。

個人的にはびわ湖の「マイスタージンガー」の余韻が冷めやらぬうち、という感じで、この作品が好きだなあ、としみじみ思った次第です。


しかし来年の新国立劇場と春祭の「トリスタン」と言い、何故同じ作品の上演が続くのでしょう。


春祭は演奏会形式の公演とは言え、これまでも目でも楽しんで来た私。
各歌い手さんの「演技度」にも注目しています。

演奏会形式なので、譜面台が置かれてます。
歌手は譜面を持って登場(ヴァルター・ダーフィットはタブレットでした)。

ベックメッサーは譜面台すらありませんでした。



ザックスのエギルス・シリンスが、最初から譜面にかじり付き、第1幕は音程も不安定で、歌い込まれてない印象を受けました。自分が歌わないところも一生懸命で譜面を追ってる感じで。
2013年の春祭でもザックス役の人が譜面にかぶり付いていたのをよく覚えてます。「それだけザックスって難役なんだなあ」と思いました。青山さんも黒田さんも大変だったろうなと改めて思ったり。
シリンスは、新国立のホフマン物語から連投ですし、大変だったろう、と思いましたが、もうちょっと譜面から目を話して欲しかった気はします。ですが、歌唱面は第2幕以降はよかった。私が今まで聴いたシリンスの中で一番良かったかも。

ヴァルターのデイヴィッド・バット・フィリップ、良かったです。タブレットを時々観ながらではありましたが、演技もしっかりしていて、見た目も悪くない。魅力的な若者に見えました。最初は歌的にはどうなんだろう、と思いましたが、第3幕の「朝は薔薇色に輝き」なんかは輝かしくて、「彼に栄冠を」と自然に思えました。フォークト様を別格とすると、私の鑑賞史上一番かも。

アドリアン・エレートのベックメッサーは、前回の春祭、新国立の公演と私も観て来ました。それだけ歌っている、十八番と言えるでしょう。暗譜で演技しながらの歌唱。ベックメッサーがそこにいる、という感じでした!
今回のベックメッサーのリュートはアイリッシュハープだったそうで、カーテンコールでエレートが奏者さんに花を渡していました。


エーファは昨年のエルザのヨハンニ・フォン・オオストラム。
黄色い付箋付き(?)の譜面で、観ながらではありましたが、しっかり演技。去年の可憐な感じから少しイメチェンしてましたが、視覚・聴覚共に満足。

アンドレアス・バウアー・カナバスのポーグナーが、声、風貌共に、まさにポーグナー親方、という感じでとても良かった(2016年の新国立劇場ローエングリンのハインリッヒ国王を歌ったあの人だったのね。後で気づきました)。
演技もしており、終幕だけ譜面無しでした。

コートナーのヨーゼフ・ワーグナーも歌も存在感もピッタリ。


ダーフィットのダニエル・ベーレは歌は文句無し。でも演技は薄めでした。若い徒弟には見えず。

マグダレーネのカトリン・ヴンドザムも演技あり、イメージ通りで良かった。
しかしこの二人、歳の差カップルというより普通のカップルに見えました。


演奏会形式とは言え、視覚面でも満足感がありました♪

でも、出来ればこのキャストでフルステージ(扮装、演技あり)を観てみたいなあ。かなり満足度の高い、素晴らしい公演になると思います。シリンスが歌い込んでさえいれば、ですが。

 

字幕は舩木篤也さん。
あのすごい量の歌詞を分かりやすくまとめていました。
けど、こういうドタバタコメディを演奏会でやるのは難しいなあと思いました。筋を知っていなければ「なんだそれ」という歌詞が多い。
でも演奏が素晴らしいので、初めて鑑賞した人も楽しんだことでしょう。

ちなみに「子どものためのワーグナー」も配信で鑑賞しましたが、立派な装置と衣装、しかも豪華キャストでとても良かったです。


指揮はマレク・ヤノフスキ、オケはNHK交響楽団。
ヤノフスキはアップテンポで、個人的にはもっとじっくり聴かせて欲しいと思う部分もあったけど、不満というほどではありません。
何より84歳で立ってこの大作を指揮するって、本当にすごい!

合唱は毎度の東京オペラシンガーズの皆さん。第2幕の最後のシーンで、一人入場の際にドタッと転んで、まあシリアスな場面だったら良くなかったかも知れないけど、ドタバタシーンの前ということもあり、すみません笑っちゃいました。


そして、N響はコンマスがライナー・キュッヘル氏で、演奏にはもちろん何の不満はないのですが。

演奏会で咳はご法度だけど、つい出ちゃうことはあると思います。でも必死に口を押さえるなり、出来るだけ抑えようとするものだけど、意外と無防備に大きな音の出る咳をする人がいて、「コラッ」と思うものだけど。
第2幕の演奏直前に、オケの人が舞台上でそういう咳をしたのでびっくりしました。管楽器以外のオケの方はマスクをしたりしなかったり、でしたが、その人はしていなかった。
しかもその人、第3幕の直前、指揮者が入場し挨拶のため立ち上がる時あくびをしてました。
オケピの中なら見えなかったわけで、演奏会は良くも悪くも奏者がよく見える。それだけにもうちょっと緊張感持って欲しかったな。それが唯一残念でした。



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