あおこのぶろぐ

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びわ湖ホールプロデュースオペラ「パルジファル」 音楽編

2022-03-09 22:23:27 | 日記
ワーグナー好き、ではありますが、私にとって「パルジファル」は優先順位が低い作品です。
私は基本的に「元気のいい、勇ましい」曲が好きなのです。
「パルジファル」は、舞台神聖祝典劇というだけあって、宗教曲に近いイメージ。
一旦聴くと、いつも心が浄化されるような気持ちになり、いいなあと思うのですが、「聴きたい観たいランキング」では下のほうになってしまいます。

実際、上演回数も多くないこともあり、ワーグナー作品の中では私が観た回数も多くはありません。

私が舞台で観たのは2005年の日生劇場の公演、2012年の二期会、2014年の新国立劇場(フランツがタイトルロール)。
演奏会形式では第3幕だけなら2011年のゲルギエフ(!)指揮マリインスキーオペラ特別公演、グルネマンツをルネ・パーぺが歌っていました。

去年の春祭はチケットを買っていましたが、中止になってしまいました。

今回、完全シングルキャストになるとわかっていたら、どちらか一日しか買わなかったと思います。
3日はクリスティアン・フランツが歌うということだったので、両日買いました。

フランツは、前にも書きましたが、トーキョー・リングとびわ湖リングでジークフリートを観てきて勝手に親しみを感じていていました。
また、びわ湖公演の祭、食事中のフランツと遭遇したのですが、本当に純粋な少年のような姿にすっかり魅了されました。
なので、フランツのパルジファルが観たかったのですが・・・。
まあ、年末くらいから「こりゃ無理か」と思いましたよ。
でも、はっきり告知されるまでは、一縷の望みにかけて2日間とも取ったわけですよ。
案の定来日は叶わず。
パルジファルは2日とも福井敬さん、クリングゾルはやはり来日出来なくなったユルゲン・リン氏の代わりに友清崇さんが歌うことになり、完全なるシングルキャストになりました。

それでもチケットを取っていたので、変則な遠征日程で両日行くことにしました。

2日置いて2回観るのは、海馬にあった記憶が長期記憶されるように、強く脳に刻みこまれたようで、すっかりパルジファルの世界に浸っています。まさしく洗脳?

過去の鑑賞歴を思い出しても、一部「惜しい」というか「残念」というところがあったりしたものですが、今回マイナス点がなかったと言えると思います。
合唱、小姓の皆さん、クリングゾルの魔法の6人の乙女たちまで、本当にレベルが高かったです。
聖杯守護の騎士が 西村悟さんと、もともとは友清崇さんが歌う予定でした。友清さんがクリングゾルに昇格して、的場正剛さんが歌いましたが、豪華ですよね。

ソリストの皆さんも熱演、好演。

歌いっぱなしの斉木健詞さんのグルネマンツが、文字通り物語を牽引していました。

田崎尚美さんはエリーザベトやゼンタの乙女感から一転、魔女オーラ出しまくり。クンドリにしか見えなかった。

グリングゾルの友清さん、「フィデリオ」の時も思ったけど、悪役好みの私の好きな声。イメージもぴったり。

苦悩の王・アムフォルタスは青山貴さんが好演。理想のワーグナー声で、舞台を引き締めていました。

ティトゥレルの妻屋秀和さん。出番が少なくてもったいない感じでしたが、存在感抜群。

そして何より沼尻竜典さん指揮の京都市交響楽団!
毎年思っていましたが、特に「パルジファル」は音楽の深みを感じさせ、本当に素晴らしくて、ワーグナーの音楽を堪能させてもらいました!


今回の公演、片寄純也さん、大沼徹さん、山下浩司さん、泉良平さんという、2012年二期会公演で歌っていたメンバーもカヴァーで控えていたそうです。
ダブルキャストでも良かったのでは??

これだけの歌手を集めて高水準で上演出来るのはまさしく沼尻さんの力でしょう。来年は芸術監督として最後に「マイスタージンガー」を上演。勿論観に行く予定です!



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