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せちやん 星を聴く人

2006-10-21 20:44:15 | 
せちやん
せちやん
posted with 簡単リンクくん at 2006.10.21
川端 裕人〔著〕講談社 (2006.10)通常24時間以内に発送します。

川端さんの新刊(文庫)★★★★☆

学校の裏山にぽつんと立つ摂知庵という奇妙な家。少年三人組はそこで神秘的な中年男と出会った。銀色のドームに籠もり、遠い星に思いを馳せる日々。
「宇宙」に魅せられた少年たちはそれぞれ大きな夢を追い始めた。しかし大人になって見上げる空は、ときに昏く・・・。
せつなくほろ苦い青春の果てを描く傑作小説。
(文庫の裏表紙の紹介文より)

三人の少年は、13歳の中学生。ぼく(とおる)と、クボキと、やっちゃん。
彼らは、摂知庵の主「せちやん」と出会い、それぞれの大切なものに出会う。
やっちゃんは、文学に出会い、詩人への道を歩む。
クボキは、音楽に出会い、バイオリニストとなる。
そして、とおるは、天文学に魅了されていく。

物語は、とおるの視線で語られる。
大人になってからのとおるは、ビジネスで、大きな成功を収めるものの、数年で破綻。
挫折した彼が戻ってきた場所は、故郷のあの摂知庵だった~

~とおるの孤独が、胸に迫ってくる、とてもせつない物語でした。
同じ宇宙をテーマにした『夏のロケット』が、動なら、こちらは静の物語。
作者・川端さん自身も、ポジとネガの関係とおっしゃってます。

幾つかの書評を読んでみました。
「天文少年」が多くてビックリ
宇宙に魅せられたかつての少年たちは、『せちやん』を読んで、とおるに、作者に、共感しているようでした。

星にも、宇宙にも、全く関心なきまま、同じ時代に育った私。
そんなふうに共感できる元・男子が羨ましいです。


おまけ:『せちやん』と同じ日に発売された『プラネタリウムのふたご』
    こちらも、おすすめの本です。以前書いた記事はこちら
プラネタリウムのふたご
いしい しんじ〔著〕講談社 (2006.10)通常24時間以内に発送します。






コメント (2)
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