七月ももう終わりに近づくが、今年は中々開けない梅雨。しかしながら、新潟県の方は天気が安定しているようなので、この時期の山旅の行き先は雪倉岳·朝日岳にする。
思い返せば前回は五年以上前。行こう行こうと思いながら随分とご無沙汰となつてしまった。
初日、蓮華温泉から白馬大池を目指す。
蓮華温泉から見上げた稜線は雲に覆われている。やはり、山の天気はハッキリしないのか。
弱い日差しが射し込む登山道は藪に囲まれジメジメしている。
沢を渡り対岸を登って行けば、温泉の噴気が上がっているのが見える。
豪雪地帯で雪解けが遅いせいか、この時期でも新緑が鮮やか。
雪の重みで根元が曲がった木々。改めて日本海側の山にいる事を実感する。
登って行くに連れ、段々とガスが立ち込めてくる。
天狗の庭に到着。晴れていれば朝日岳方面が見えるはずだが、展望が得られない。
徐々にガスが降りてきて、見上げれば、上空は真っ白になってきた。
タカネバラの一群。
白く霞む景色の中にあって、艶やかなピンク色が一際目を引く。鼻を近づけるとほのかに芳香が感じられる。
このエリアのみ枝振りの良い松が生えている。正に自然の作る庭園の様。
このエリアのみ枝振りの良い松が生えている。正に自然の作る庭園の様。
薄暗い針葉樹林を抜ければ、足元は滑りやすい岩のトラバース道となる。
枝振りの見事なダケカンバの根元をガスがすり抜けて行く。
ゴツゴツした岩のトラバース道の先に稜線が見えてきた。
水平道となり、進んだ先に白馬乗鞍岳がボンヤリと見える。
白馬大池にボツボツと雨が落ちて来た。
雲が次第に降りてきて小蓮華山が霞む。
手前にはコバイケイソウが、彼方にはハクサンコザクラが見える。残雪の斑模様と草原の淡い色合いとのコントラストが印象的。
夕暮れ時、ようやく小蓮華山が姿を見せる。
草原には霧のベールが流れ、絵画の様な景色。
(続く)