再読のための覚え書き
「ハーディ短篇集」
トマス・ハーディ(1840-1928)
河野一郎訳
《幻想を追う女》
詩人のエラは、夫のウィリアムや子どもたちとともに、有名な海水浴場に来て、その夏を過ごすために家を借りた。
彼らが借りた家の一部屋は、旅に出た詩人ロバート・トルーが住んでいた部屋で、エラはかつて、トルーとともに同じ紙面で詩を紹介されたという奇縁があった。
夫と趣味の合わないエラは、トルーの詩作の痕跡が残る部屋に閉じこもり、いつしか、心の中でトルーを身近なものに感じ始めていた……。
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悲劇的宿命論者といわれるトマス・ハーディによる短篇集。些細な偶然は時として運命の分かれ道で、登場人物たちは人生を狂わせていく。
「妻ゆえに」「幻想を追う女」「わが子ゆえに」「憂欝な軽騎兵」「アリシアの日記」の5編を収録。
2022.7.29読了
ハーディ短篇集
新潮文庫
昭和32年12月10日初版発行
昭和43年6月5日18刷
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