再読のための覚え書き
駅前旅館
井伏鱒二(1898-1993)
語り部は、上野駅前の柊元旅館の番頭、生野次平。
旅館の番頭仲間や女中、芸妓などの交流を通して、旅館の裏事情や、ほろ苦い恋、戦後間もない頃の東京の姿が描かれる。
特にストーリーの展開もないのだが、番頭の語り口は古典落語を聴いているようで心地よい。
2022.8.30読了
駅前旅館
角川文庫
昭和40年12月20日初版発行
昭和45年9月30日8刷
#本 #読書 #文学 #文庫 #井伏鱒二 #駅前旅館

再読のための覚え書き
駅前旅館
井伏鱒二(1898-1993)
語り部は、上野駅前の柊元旅館の番頭、生野次平。
旅館の番頭仲間や女中、芸妓などの交流を通して、旅館の裏事情や、ほろ苦い恋、戦後間もない頃の東京の姿が描かれる。
特にストーリーの展開もないのだが、番頭の語り口は古典落語を聴いているようで心地よい。
2022.8.30読了
駅前旅館
角川文庫
昭和40年12月20日初版発行
昭和45年9月30日8刷
#本 #読書 #文学 #文庫 #井伏鱒二 #駅前旅館
再読のための覚え書き
孤猿
井上靖(1907-1991)
「私」の中学時代、生徒たちから恐れられていた体育教師がいた。俳句を詠むその教師は、「孤猿」という俳号を持っていた。
月日が経ち、新聞社に勤める「私」は、日本画家を訪れた。受け取った水墨画には1匹の猿が描かれ、「孤猿図」と書かれていた。
「私」は、世を追われて孤猿と成り果てるものに思いを巡らせる。
「実際に孤猿という言葉があるか、どうか、それは別にして、孤猿という言葉には、それがあることを信じさせるような何ものかがあった」
他、「夏の草」「レモンと蜂蜜」「暗い舞踏会」「葦」「川の話」を収録。
2022.8.27読了
孤猿
角川文庫
昭和34年9月20日初版発行
旧仮名遣い
#本 #読書 #文学 #文庫 #井上靖 #孤猿
再読のための覚え書き
猟銃・闘牛
井上靖(1907-1991)
《猟銃》
愛人の娘、妻、愛人からの三通の手紙。これらの手紙(愛人の手紙は遺書)によって、三杉穣介と彩子の13年間の不倫関係が明らかになる。
孤独と心の暗部をモノトーンで描いているにもかかわらず、美しさを感じさせるのは不思議。
40年ぶりの再読。
2022.8.22読了
猟銃・闘牛
新潮文庫
昭和25年11月30日初版発行
昭和42年11月30日28刷
#本 #読書 #文学 #文庫 #井上靖 #猟銃・闘牛
再読のための覚え書き
「黒い蝶」
井上靖(1907-1991)
「あなたは人の声を正確に聞き分けられますか?」
会社経営に失敗した三田村は、突然、見知らぬ紳士に声をかけられた。
なんでも、その紳士の娘が近所の病院に入院中で、うわ言で何か言っているのだが、聞き取れないのだという。
病院に連れていかれた三田村が耳にしたのは、余命幾ばくもない娘が呟く「ムラビヨフ」というソ連のバイオリニストの名前だった。
三田村は、その紳士が富豪だということを知ると、娘のために、そのムラビヨフを日本に招致することを提案。
しかしそれは、富豪に資金を出させて自分の再起を図るというペテンに過ぎなかったのだが……。
2022.8.20読了
黒い蝶
新潮文庫
昭和33年11月20日初版発行
昭和42年6月10日13刷
旧仮名遣い
#本 #読書 #文学 #文庫 #井上靖 #黒い蝶
再読のための覚え書き
「春の嵐・通夜の客」
井上靖(1907-1991)
《春の嵐》
家を飛び出した美沙子、犯罪に手を染めていたオミツ、不幸になるために生まれてきたようなおけいさんたち5人の若きヒロインは、ダンスホールのダンサーとして働きながら、それぞれの人生を掴み取ってゆく。
終戦直後の混乱した時代を逞しく生きる少女たちのピカレスク・ロマン。
《通夜の客》
妻子ある新聞記者の新津と山間の村で三年を暮らした水島きよの独白。
「しかし、これだけは言えると思う。私にとってはかけ替えのないたった一つの夢だったと。見ないより、見た方がよかった夢だったと。」
2022.8.10読了
春の嵐・通夜の客
角川文庫
昭和34年3月30日初版発行
昭和45年10月30日改版再版
#本 #読書 #文学 #文庫 #井上靖 #春の嵐・通夜の客